酒匂隆雄の畢生の遊楽三昧 sakoh

お化け。

2024/04/12

筆者が現役の頃、財務省(元大蔵省)が行う為替介入の事をお化けと呼んだ。

そう、出るか出ないか分からず、出ると怖い介入の事を揶揄してのことである。

水曜日に発表になった米国3月の消費者物価指数(CPI.)が市場予想を上回る高さを示し、先週金曜日に発表になったこれも市場予想を上回った米国3月の雇用統計に続いて米国の景気の良さと物価の高止まりが意識されて長期金利が上昇してドルが買われ、大きなレジスタンス(上値抵抗線)と言われていた152円を上切り、高値153.32迄ドルが買われた。

政府、財務省は連日”円が弱過ぎる。

断固とした措置を取る。”と口先介入を繰り返すが効果は無く、今日も午後4時現在で153.30の高値圏で取り引きされている。

これ以上の円安進行を止める為にドル売り&円買い介入が出るのか?

恐らく出ると思うし、出れば3-4円ドルが下落すると思うが、何処で何時出るかが分からない。

出ればドルが大きく下げるので、怖い。

だから介入の事をお化けと呼ぶのである。

此処1週間の動きは円安と言うより、ドルの全面高なので、中々介入に踏み切れないのかも知れない。

相変わらず相場から目の離せない状況が続く。

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プロフィール

さこう・たかお
酒匂隆雄

酒匂・エフエックス・アドバイザリー代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。

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