酒匂隆雄の畢生の遊楽三昧 sakoh

後から見れば簡単。

2020/06/02

ドル・円相場が107円台にどっぷり嵌まってしまって抜け出せない。

朝起きて真っ先に相場を見ると107円台と言う状態が3週間も続いている。

為替の鉄則は、Sell low, and buy high.=(高く売って、安く買え。)と、Buy low, and sell high.=(安く買って、高く売れ。)である。

“そんなこと当たり前だろ、”と思うが、どこが高値でどこが安値だったかは終わってからではないと分からないので、”未だ上がるだろう。”と思って高値で買い、”未だ下がるだろう。”と思って安値で売ってしまうことはしょっちゅうだ。

(そうでしょ?)

ところがここ3週間は高値は108円近辺で安値が107円近辺なのだから、107.80~108.00では売り、107.00~107.20で買っていればそこそこ儲かったことになる。

為替は相対取引だから107.85が取引されたということは誰かが107.85で買って誰かが同レートで売ったことを意味する。

107.85が高値に近いと思いながら何故其処で買うのか?

それは実需と言われる、例えば輸入業者や機関投資家の”否が応でもドルを買わなければならない人。”や、投機と言われる”もっと上がるだろう。”との投機的な思惑で買う人が居るからである。

107.15の底値での売りも全く同じ。

実需と言われる、例えば輸出業者などの”否が応でもドルを売らなければならない人。”や、投機と言われる”もっと下がるだろう。”との投機的な思惑で売る人が居るからである。

で、我々はどうしたらいいか?

もしドルは下がる傾向にあるのではないかと思えばSell low, and buy high.=(高く売って、安く買え。)を実践し、ドル買いは利食いに留めればいい。

現在の状況をレンジ取引と呼ぶが、この107円台のレンジは遅かれ早かれ”必ず”破れる。

それが上サイドであれば108.30をトライするであろうし、下サイドであれば107.70をトライする。

現在米中関係悪化や全米でのスト・暴動拡大、そしてトランプ大統領の支持率下落などの悪材料が一杯にも拘わらず株価は堅調である。

よく分からない。

所謂ファンダメンタルズ(経済的基礎要因)は余り通用しない。

実は筆者はテクニカル分析は極めて不得手であるが、この様な地合いの時はテクニカル分析は有効である。

筆者も毎日参考にしている川合さんがトレトレさんに毎日執筆されている”為替相場と楽しく付き合う方法。”によると、昨日の戦略は”売りは107.90~108.00で直ぐに損切りするなら108.20で、我慢出来るなら108.60まで引き延ばす。買いは107.20~107.30で損切りは106.40とするが、107円割れで終えた場合は撤退。”とあり、僭越ながら筆者の売りレベル買いレベルと一致する。

相場は何が起こるか分からない。

肝要なのは必ずストップ(損切り)を入れておくことでしょう。

さあ、もう少し上がったら売るか?

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プロフィール

さこう・たかお
酒匂隆雄

酒匂・エフエックス・アドバイザリー代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。

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