酒匂隆雄の畢生の遊楽三昧 sakoh

Cash is king.

2020/03/19

先週から”金融市場で大変な事が起きている。”と言ってきたが、益々酷い状況になりつつある。

世界中で株価が大暴落し、昨日のニューヨーク株式市場でダウ30種平均株価は1,338.46ドル下落し19,898.92ドルで引けたが、今日のアジアの先物市場でも840ドル以上下落し、午後1時半現在で大台の19,000ドルを割らんとしている。

日経平均株価も当然下げる。

同じく午後1時半現在で昨日日-190円の16,530円近辺で取引されている。

商品相場も酷い。

昨日のニューヨーク市場の終値ベースで金は1,477.9ドル、WTI.原油は20.37ドルであったが各々(たった)10日前の3月9日の相場と比べると-197.80ドル(-12%)、-10.76ドル(-35%)と大暴落している。

あれだけ買われていた(金利が下がっていた)債券市場でも大きく債券が売られて金利が上がり、10年門債券利回りは同じく3月9日(0.559%)から1.183%へと0.624%も急上昇した。

何が起きているのか?

金融市場からお金が逃げてキャッシュに流れているのだ。

ここ10日間足らずの間の株式・債券市場、原油市場、金市場の下げ相場で何と12兆ドル(約1,300兆円)のマージン・コールが発生し、殆どの投資家がその手当ての為のキャッシュを必要している為保有している債権の売却に走っており、相場が暴落するのだ。

(注:マージン・コール。

“追い証”とも呼ばれ、上述市場の信用取引において、差し入れている委託証拠金の総額が相場の変動等によって必要額より不足してしまった場合に追加しなければならない証拠金のこと。)

正に、Cash is king,=(キャッシュが一番!)

相場が下がる。

マージン・コールが必要となる。

更に相場が下がる

の悪循環が始まる。

先日、”Managed risk, and better return.”の話をしたが、リスク・マネージメントを肝に銘じて頂きたい。

この記事をシェアする

前の記事 次の記事

プロフィール

さこう・たかお
酒匂隆雄

酒匂・エフエックス・アドバイザリー代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。

最新の記事

カテゴリー

アーカイブス

無料会員募集中