たっしーが教える、中国株なら俺に聞け!! tashiro

19日の上海総合指数は1.92%安、感染拡大を嫌気!!

2022/12/19

中国株投資家の皆さん、こんにちは。

19日(月)の上海総合指数はわずかに安寄り後、一旦前営業日比プラスに転じたのですが上値は重く、下げ始めた後は終日、売りに押される展開となりました。

終値は先週末比1.92%安の3107.12ポイントで引けました。

セクター別では、教育を除けば、ほぼ全面安の展開となりました。

バイオ・医薬、証券、石炭、鉄鋼などが大きく売られました。

19日(月)の創業板指数は1.14%安となりました。

19日(月)の上海50指数は1.57%安となりました。

全国的にゼロコロナから感染自然放置による集団免疫獲得へと180度転換した新型コロナ対策ですが、当然のことながら、各地で感染爆発のような状態となっています。

広州市では19日午前、医療物資供給に関する記者会見が開かれましたが、その会見において広州市衛生健康委員会の張屹副主任は次のように話しています。

・・・12月に入り、広州市の発熱外来患者数は増加を続けており、ここ一週間は高い水準で推移している。

外来患者の内、18~59歳の割合が多く、全体の86%を占め、60歳以上が8.2%、18歳以下が5.8%を占める。

専門家によれば、広州市の感染ピークは2023年1月中旬頃になりそうだ・・・

これは広州市の状況ですが、内情のよくわかる北京市、長春市でも状況は広州市と変わりません。

とにかく、若い人たちが簡単に熱を出しています。

驚いたことに、情報を収集している身近な連中や、その周辺の人々がほぼもれなく発熱しているのには驚きました。

抗原検査で陽性を確認している人もいますが、多くは必要がないのでわざわざ確認しないようです。

検査しなくとも、ウイルス干渉といった現象が起きているとみられるので、発熱していればそれはほぼ新型コロナ(オミクロン株)とみて間違いないようです。

多くの人々は、3年近いゼロコロナ政策によって、新型コロナに対して強い恐怖感を持っています。

専門家たちが”オミクロン株は感冒と変わらないかそれ以下の毒性しか持たない”と説明しても、すぐには信じられないようです。

結果として、感染を恐れ、自らが外出しないような行動をとるため、町中がゼロコロナを実施しているのと変わらない状況となっています。

小売業、流通業への悪影響は大きく、いくら景気対策が出ているといっても、コロナ禍を克服しない限り、景気の回復は見込めそうにありません。

こうした状況を目の当たりにした本土投資家たちは一旦利益を確定させるような行動に出たのだとみています。

バイオ医薬関連が大きく売られています。

相場全体が弱かったので、これまで急騰していたところにより多くの利益確定売りが出たのだと思います。

ただ、今回は、家庭での治療が解放されたことから、常備薬としての需要拡大が望めます。

株価は、落ち着いたところでもう一度切り返すのではないかとみています。

上昇したセクターでは教育関連が目立ちました。

国務院が先日発布した「内需拡大戦略計画要綱(2022~2035)」によれば、”積極的に教育サービス消費を発展させ、社会全体で教育サービスの充実を鼓舞奨励し、民営による教育発展を支持し、規範化し、民営による教育の分類管理改革を推進し、教育領域に関する市場を拡大開放し、職業教育を通じて労働者の収入を増やす”などといった内容が示されています。

ここ数年、民営教育セクターには厳しい政策が続いていましたが、11月中旬あたりから政策の方向性が変わってきました。

上海総合指数は下値支持線の引けそうな3100ポイント辺りまで押し目を付けてきました。

ここからは、死者数が急増しているなど今回の転換が失敗であったかのようなことを示す大きな悪材料が出ない限り、下値は限られると予想します。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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