四半世紀で見えるもの
今年中には英国に移住するつもりで準備をしている。
米国に来たのが1983年なので43年米国にいたことになる。
この国は40年前はいい国であり、移住したいと思ったが、今はとんでもない国になり果ててしまった。1981年から始まった保守革命は、それまでの民主党支配の非効率を是正する動きで大いに結構な動きであった。筆者も当初レーガン革命は善であり、推薦すべき流れであると考えていた。
しかし革命30年後には、効率主義の弊害である、バブルが発生し、その中で人々はますます拝金主義の風潮が強まったのである。
せっかくの米国の美風であった、宗教の力がはっきり落ち始め、アメリカの人たちは何事もシニカルに皮相的に見る癖がついた。47代大統領に至ってはそれまでのアメリカの美風を完全に破壊する動きとなり、その中で何が善で何が悪なのかの基準を完全に放擲する流れとなった。今やアメリカは過去善とされたことは殆ど全否定の国となり、愚かなディール主義の大統領の下で、悪が大手をふるってまかり通る国になってしまった。
ということで今年中には米国を引き払い、次女が住むロンドンに移住することに決定した。
ロンドンに移住するにあたって、蔵書を整理していたら、2000年前後にやたらと、日本からのキャピタル・フライト(資本逃避)の本が流行っていたことを発見した。
当時の識者は本当に資本逃避を恐れていたのかどうか、いずれにせよその種の本が大量に発行されたことは確かである。バブル破裂後の日本経済の動きに神経質であったのだろうが、その種の本が売れたことは確かであった。
その後25年たって振り返ってみると、経済は懸念したほどの悪い状態にはならず、日本の株価は新値をはるかに更新し6万5千円まで上昇してきている。
当時の懸念はどこへ行ったのか。要は経済や相場というのはしょせん波動で、悪く見えるときは、底で、自然に好転していくものであるというのが正解なのだろう。
現在も2000年当時と同じようなキャピタル・フライトの話や超円安の話が話題だが、これも10年もすればあれはいったい何だったのかという話になりそうだ。
たまには蔵書を整理して、往時の社会的風潮が懸念の行き過ぎであり、したがって現在の悲観論も多分行き過ぎであるという、常態に神経を回復させるのも悪いことではない。
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