若林栄四 ニューヨークからの便り wakabayashi

今回の株下落は…

2026/06/09
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6月5日の米国株の下落は強烈であった。

NASDAQは4%を超える下落、SP500は2.5%の下落であった。

新聞の解説によると当日発表の雇用統計で、非農業労働者の数が、予想を大きく上回り、米国のインフレが簡単には終わりそうにないことを背景に、今まで主流であった、FRBの次の動きは利下げとの意見が一気に逆転、次の動きが利上げになるとマーケットが判断したというのが、この動きの説明である。

この説明によると米国の景気が思ったより強く、失業問題を気にせず利上げできるということで、株式相場は一時的な利上げショックを乗り切って、上昇基調を堅持するというニュアンスの専門家がおおかった。

そもそも4%の株価下落が、景気が拡大するから大丈夫と決めつける背景なるものが、6月5日の雇用統計の日に株価が下落したので、それがきっかけで下落したと決めつけてよいものかどうか。

6月5日は雇用統計がなくても相場が急落したかもしれない。(筆者はその説)

したがって、雇用統計の如何にかかわらず株価急落を見たとすると、利上げショック以外の背景で株価が急落したのではないか。だとすると景気が強いから最終的には株価の上昇基調は変わらないという楽観はこじつけになる。

株価そのものが高すぎたから、このタイミングで相場の調整が始まったと考えると、この異常な株高はリーマンショックの底値2009年3月9日の安値666のSP500からの、ちょうど69.1四半期目に入っている危険地帯の日柄に入っていることを考えてしまう。およそ中期的な株価の動きの中で最大のものは 、18年サイクルボトムである。

69四半期は17年と1四半期目のタイミングに入って6月初めに高値を見たというのは、この18年サイクルと天井を見たということではないかというのが筆者の説である。つまり18年サイクルのボトムへ向けての動きが始まりを見ているのではないか。

18年サイクルは一般的には2028年―2030年にボトムを見るように見える。

18年サイクルボトムは大抵の場合50%の株価調整を見るのが通例である。

Nasdaqのリーマン底値1265から6月1日の高値27190まで25925ポイントの上昇の50%13000ポイントの下落と見ると14190までの急落ということになる。

とりあえず雇用統計の利上げショックで下げ始めた相場が、だんだん別の理由での下げに姿を超えて、本格的な株価調整を迎えるのはよくあることだ。

あてにならないメディアの解説を本気にして一時的な利上げショックなどと侮らないことが大事だろう。

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プロフィール

わかばやし・えいし
若林栄四

1966年東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍中。

【著書】
・黄金の相場予想
・世界一やさしい図解FXの教科書
・異次元経済 金利0の世界
・富の不均衡バブル
・etc

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