たっしーが教える、中国株なら俺に聞け!! tashiro

7日の上海総合指数は1.42%安、利益確定売りに押される!!

2022/04/07

中国株投資家の皆さん、こんにちは。

7日(木)の上海総合指数は安寄り後、一旦前日比プラスに戻す場面もあったのですが上値は重く、後場に入ると利益確定売りに押される展開となりました。

終値は1.42%安の3236.70ポイントで引けています。

石炭開発が買われたほかは、ほぼ全面安の展開となりました。

不動産開発、ホテル・レストラン、レジャー施設・旅行などが大きく売られました。

7日(木)の創業板指数は2.10%安となりました。

7日(木)の上海50指数は0.98%安となりました。

景気刺激策期待で買われていた不動産ですが、この日は一斉に利益確定売りに押されています。

不動産市況の回復を期待する投資家は多いのですが、全国的に暖かくなってきた頃で内覧が急増する時期である清明節休暇において、販売状況が思わしくなかったといったマスコミ報道に反応したといった方がよいかもしれません。

そのほか下げたセクターでは、新型コロナ禍で影響を受けるところが目立ちました。

国家衛生健康委員会によれば4月6日時点の本土新規感染者数は1284人です。

この内、長春市が766人と圧倒的に多く、上海市は322人に留まっています。

全体の感染者数は、増えているわけではありません。

ただ、この数字は実際に症状の出た患者数で、PCR検査で陽性反応とはなったものの、症状の出てない患者は別の統計となります。

こちらの数値は急増しています。

本土全体では2万1711人でこの内、上海市が1万9660人を占め、断トツです。

一方長春市は1423人に過ぎません。

上海市では、無症状の陽性患者が急激に増える中で、発病者は大した数ではありません。

こうした状況は半月以上続いています。

しかも、この日も全国ベースで死亡者は出ていません。

年寄りは風邪をひいても肺炎を引き起こし、亡くなる方がいる中で、死亡者ゼロが続くということは非常に奇妙なことです。

この程度の毒性でなぜ上海市は封鎖されなければならないのか、そもそもなぜ、症状の出ない陽性患者だけが急激に増えているのか。

1日に1000万人を超える検査をどうやってこなしているのか。しかも、48時間に1回のペースで全市民を検査することを基本としていることを考えると、一体何をどうやって検査しているのか、その実態を正確に知りたいところです。

市場はこの日、新型コロナ禍に反応したようにみられますが、オミクロン株あるいはそのさらに変異株への恐怖というよりも、理由はわからないがとにかく当局が長春市や上海市の都市封鎖を続けているので、今後まだ対象都市は広がるかもしれない、それによって経済は確実にダメージを受けるだろうとの懸念が下げの要因だと思います。

政治的な背景もあり、当局のゼロコロナ対策がとても気になります。

創業板の弱さが目立ちます。

短期志向の個人投資家が弱気なことで、全体相場の地合いがよくありません。

もっとも、多くの市場関係者が、景気が悪くなれば当局は高い目標達成に向けて強い景気刺激策を打ち出す必要が出てくる考えています。

特に今年の秋には習近平体制が異例の3期目入りを果たす時期でもあり、経済、社会を安定させた上で、全人代で決めた目標をこれまで同様、きちっと達成したといった形を是が非でも作る必要があります。

今回の全人代では5.5%前後の目標を設定していますが、昨年の第3四半期は4.9%、第4四半期は4.0%に落ち込んでいます。

わかりやすく言えば、”この極めて高いハードルを越えることができました”、”すごいね”、”この政権に任せておけば安心だ”といった雰囲気を作り出したいということです。

逆に、”これぐらいのことができなければ3期目入りは厳しいよね”といった長老筋を中心とした内部の暗黙の圧力があったのかもしれません。

景気を引き上げるのに手っ取り早いのは、大規模な不動産開発を立ち上げること、政府主導でインフラ投資を拡大させること、そうした投資を活発にさせるために金融を価格(金利)、数量(貸出純増額)から緩和させることでしょう。

ですから、それに関連するセクターが動いているのですが、これらのセクターは大型株が多く、値動きの面から個人投資家の好みに合いません。

全体相場がよくなるには、個人投資家が好む小型材料株、特にハイテクがらみのところで具体的な政策が五月雨式に出るような感じの産業政策が欲しいところです。

少しでも改善のきっかけがあれば、決算発表シーズンのこの時期、業績の良いところを買っていくような動きも出てきて、上昇トレンド形成となるのですが。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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