たっしーが教える、中国株なら俺に聞け!! tashiro

21日の上海総合指数は0.08%高、様子見の展開!!

2022/03/21

中国株投資家の皆さん、こんにちは。

21日(月)の上海総合指数はわずかに高寄り後、商いが膨らまない中、終日狭いレンジでの値動きとなりました。

終値は0.08%高の3253.69ポイントで引けています。

種苗・林業、農産品加工、バイオ・医薬、レジャー施設・旅行、不動産開発などが買われました。

一方、証券、銀行などが売られました。

21日(月)の創業板指数は0.46%高となりました。

21日(月)の上海50指数は0.72%安となりました。

3月16日午後に行われた国務院金融発展委員会による”足元の経済情勢と資本市場の問題を検討するための専門会議”の内容がポジティブサプライズとなり上昇した本土市場ですが、週明けの21日は好材料を一旦織り込んだ形で、様子見の展開となりました。

政策期待ということなのですが、21日に公表された3月の最優遇貸出金利は、1年物で3.7%、5年(5年以上)物では4.6%となり、いずれも据え置きとなりました。

市場に利下げ期待が広がっていたわけではありません。

しかし、ロシアのウクライナ侵攻の長期化や、国内の新型コロナ再流行など、内外の経済環境は悪化しています。

専門会議では、”第1四半期の経済をしっかりと回復させるために、金融政策を主体とし、新規貸出の増加ペースを適切に高めるなど、共産党中央委員会が決定した政策を必ず実行する”といった方針を示しているだけに、最優遇貸出金利引き下げといったポジティブサプライズを期待した市場関係者もいたかもしれません。

そうした観点からすれば、21日の売買代金の減少、様子見も仕方がないのかもしれません。

若干ネガティブサプライズと言えそうなのは、18日に行われた米中首脳による電話会談の内容です。

中国外交部のホームページ上に記載された内容は、日本のマスコミが伝える内容とややニュアンスが違うように思います。

電話会談では、まず、台湾問題が話し合われています。

文章の量で言えば半分強といったところです。

後半部分で、ウクライナ情勢に関する意見交換が行われていますが、バイデン大統領が話した内容は、”アメリカ側の立場を紹介、中国側と意思疎通を図り、事態がさらに悪くなるのは避けたいと示した”とだけあります。

それに対して習近平国家主席は以下のように発言しています。

ウクライナ情勢がこのようなところまで進んでしまったことは、中国側としては見たくはなかった。

中国側はずっと和平を主張、戦争に反対してきたが、これは中国の歴史文化の伝統である。

我々は従来から、事情の本質について”道理に符合するかしないか”から出発し、独立自主の立場から判断し、国際法や公が認める国際関係の基本準則を維持することを提唱しており、連合国憲章に照らし合わせ”事を成す”ことを堅持しており、共同で、総合的に、協力して、持続的な安全保障の概念を主張している。

こうした大きな原則が、中国側がウクライナ危機処理の立脚点である。

・・・(中国がウクライナへの人道支援を行っていることを説明しています)・・・

ロシアとウクライナが会談を行い、結果を導き出し、和平を導き出すことを各方面は共同で支持しなければならない。

アメリカとNATOはロシアと対話を行い、ウクライナ危機の背後にある”病根”を正し、ロシア、ウクライナ双方の安全に対する憂慮を解かなければならない。

結論は出ています。

アメリカが何を要求してこようが、中国は聞く気はないということです。

このような中国側の考えを伝えた上で、次のように話しています。

・・・(新型コロナで世界は困難な状況にあり、両国は世界の安定や人々の生産、生活を顧みなければならないと主張しています)・・・

全方位、無差別な制裁を実施すれば、苦しむのは一般市民である。

もし、さらに一歩進んで制裁がレベルアップすれば、グローバル経済、金融、エネルギー、食糧、インダストリアルチェーンなどに重大な危機を引き起こし、既に困難な状態にある世界経済に対して”雪上加霜”に陥らせ、挽回のできない損失を造ってしまう。

形成が複雑になればなるほど、冷静を保ち、理性を保たなければならない。

・・・(大国はお互い尊重し合い、冷戦の考えを捨て、両陣営が対峙するようなことはせず、持続可能な世界の安全、地域の安全に関するメカニズムを作ろうなどと言っています)・・・

中国は好んでロシアを助けたいわけではありませんが、ロシアを制裁することには断固として反対です。

通常通りの取引を行うでしょう。

それでアメリカが中国を制裁するのなら、”世界は大変なことになる”ということです。

バイデン政権(というよりも、バイデン政権の背後にいる組織)次第ですが、実際に中国を制裁すれば、アメリカ経済、世界経済は大きな損害が出る可能性が高い以上、制裁はしないと思うのですが・・・。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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