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14日の上海総合指数は2.61%安、新型コロナ患者数急増を嫌気!!

2022/03/14

中国株投資家の皆さん、こんにちは。

14日(月)の上海総合指数は安寄り後、一旦持ち直す動きも見られたのですが、買い一巡後は薄商いの中、売りに押される展開となりました。

終値は2.61%安の3223.53ポイントで引けています。

電子身分証明関連、新型コロナ治療薬など一部の材料株を除き、全面安の展開となりました。

空港空運、レジャー施設・旅行、ホテル・レストラン、石油開発サービス、石炭開発、電力などが大きく売られました。

14日(月)の創業板指数は3.56%安となりました。

14日(月)の上海50指数は2.85%安となりました。

空港空運、レジャー施設・旅行、ホテル・レストランといったところが大きく売られていることから、この日の相場急落の主な要因は、新型コロナの患者数急増だと考えられます。

国家衛生健康委員会の報告によれば、13日24時時点の本土感染者数は1337人でした。

このうち、吉林市は453人、長春市は430人で吉林省全体では895人の感染者数となりました。

なお、全体の本土感染者数は、11日24時時点では476人に過ぎず、12日は1807人と急増しています。

長春市の状況は詳しくわかるので、現在の地方政府の対応を簡単に紹介しておきます。

長春市防情防控指揮部は3月11日、市民に対して、次の3点を実施するよう発表しました。

生活物資を販売する小売店、医療機関などを除き、すべての企業、学校、タクシー、地下鉄、バスなどの交通機関の営業を停止する
不必要な外出を禁止する
全市民に対してPCR検査を実施する
「家にいなさい」ということです。

外出は1世帯で2日に1回で1人だけ、外出は必要な生活物質を調達する目的に限られます。

12日からこの措置が実施されているのですが、とりあえず1週間はこの状態が続くようで、状況が改善されなければ延長されるだろうとのことです。

テレビを見て、食べて、寝るだけしかやることがないので、太るし、怠惰になるし、退屈でしょうがないと知人は言っています。

PCR検査については12日に住んでいるマンションの1階で受けてきたそうです。

病院は実質的に利用できません。

薬局では、風邪薬などは全く売っていません。

ですから、ひたすら抵抗力をつけて、病気にならないように用心しているそうです。

知人から微信を通じて資料を送ってもらっているのですが、その中で、個人の投稿が引っかかりました。

最近の新型コロナはアメリカから届いた封書の中に注入されていたウイルスが原因だと騒いでいます。

今から20年ほど前にアメリカで起きた炭疽菌事件から着想したのではないかと思うのですが、同様の噂は新型コロナ発生以降、断続的にありました。

この手の噂は、全くの個人の思い付きなのか、政治的背景があるのか、それとも本当なのか、真実は知る由もありません。

ただ、公式な話として、ひとつ関連する情報を挙げるとすれば、先週もこのブログで書きましたが、アメリカが世界各国に展開するバイオラボへの査察を拒否していることを中国外交部は強く批判しているという点です。

昨年バイデン政権が中国に対して新型コロナの起源の再調査を重ねて要求したあたりから中国は一貫してこの主張を繰り返しています。

ロシア筋は早い段階から、新型コロナはアメリカによる生物兵器であると発言していますが、中国はもちろん、肯定などしていません。

中国の公式の見解はWHOの見解通り、「動物由来の可能性が高く、武漢バイオラボ(実質的にはアメリカの支援を受けたバイオラボ)から誤って流出した可能性は極めて低い」というものです。

更に、この件に絡んで、吉林省共産党委員会は11日、吉林市の王路市長を免職にしています。

また、吉林市共産党委員会副書記、長春市九台区共産党委員会書記をはじめ、感染拡大を許してしまった地区の幹部が免職となっています。

海外からの人の出入りは事実上禁止、鎖国のような状態がもう2年以上続いています。

これは、死亡者数が急増し、人口動態に変化が出るほどの疾病流行に対するかのような対策です。

なぜ、これ程まで厳しい対策が必要なのかわかりません。

ただ、わかっているのは、流行が広がれば、長春市のような厳しい都市封鎖が各地で実施され、それが、生産、投資、消費、それに輸出入に至るまで、すべての経済活動に大きな影響が出るということです。

1、2月のアメリカ向け輸出(ドルベース)は13.8%増と好調です。

アメリカは中国に対して禁輸措置を以て制裁しようとしていますが、アメリカ経済は中国製品を必要としています。

中国から逆に制裁されたら厳しいことになります。

しかも中国はそれを制裁と公言してやったりしないでしょう。

“例えば”の話ですが、制裁ではなく新型コロナが原因で、国内需要分しか生産できません、輸出まで量が確保できませんと言いかねません。

石油価格の上昇は国内生産のエネルギー、原材料価格の上昇を引き起こし、全体の物価に影響を及ぼしかねません。

ですが、まだ単品です。

中国からの輸入製品は多種多様、多方面にわたります。

2月のアメリカのCPI上昇率は7.9%と、3カ月連続で40年ぶりの高水準となっています。

アメリカにとって、中国は断トツの輸入先第一位の国であることを考えると、バイデン政権の対中強硬策はアメリカ経済、金融に対して大きなリスクです。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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