たっしーが教える、中国株なら俺に聞け!! tashiro

5日の上海総合指数は1.02%安、後場から反発するものの6日続落!!

2024/02/05

中国株投資家の皆さん、こんにちは。

5日(月)の上海総合指数は安寄り後、前場は大きく売られる展開となりました。

しかし、後場に入るとまとまった買いが入り上昇、一時は前営業日比プラスを回復したのですが、大引けにかけて再び売られ、終値は1.02%安の2702.19ポイントで引けました。

セクター別では、高配当銘柄、大手行などが買われました。

一方、電子部品ほか、幅広いセクターに売りが広がりました。

5日(月)の創業板指数は0.79%高となりました。

5日(月)の上海50指数は1.18%高となりました。

売買代金は増えています。

大相場の目安となる1兆元には届きませんでしたが、5日は両市場合計で8774億元まで増えています。

本来ならこの時期、長い春節休暇を前に閑散相場となるところです。

上海総合指数は2営業日連続で長い下髭を付けています。

創業板指数は前場、下落したものの後場に入ると切り返し、大引けでは0.79%高となりました。

上海50指数も1.18%高と買われています。

本土市場は安値圏での売り買い交錯となっています。

少しさかのぼり、上海総合指数の動きを振り返ってみます。

1月22日、国務院常務会議で資本市場に関する支援策が話し合われたことをきっかけに、証券監督管理委員会(証監会)や国有資産監督管理委員会の幹部によるポジティブな発言や、空売り規制なども加わり、持ち直すかに見えた本土市場ですが、投資家が求める“実弾による買い”とはちょっと方向性が違うのではないかと思われるような政策が相次いだことで、上海総合指数は6日続落となりました。

特に4日に行われた証監会の会議の内容は、投資家の不安を助長するようなものでした。

「国務院常務会議の精神を学び伝え、資本市場の安定を維持するための業務を手配する」をテーマに易会満主席が主催した会議でしたが「違法行為の捜査を徹底させ、法に則り市場操作、悪意による空売り、インサイダー取引、虚偽による株式発行などの重大な違法行為を厳しく取り締まる」といった部分が、投資家としては如何にも気になります。

1月29日には*ST左江(300799)の粉飾決算に関する調査状況に関して公告があり、改めて違法行為に関して“絶対に許さない(零容忍)”といった当局の姿勢が浮き彫りにされたところです。

空売り規制についても、市場対策というよりも、悪意の空売りを許さないことが目的だといった見方が強まっています。

もちろん、この会議でも「各種機関投資家が株価サイクルに逆らった資金配分を行いことを奨励、支持し、中長期資金が株式市場に流入するよう導く(要するに“逆張りしろ”ということだが、意味合いとしては長期投資家が自ら進んで、株価(価値)の安い時期に株式を積極的に買うことで市場が安定するといった現象が起きることを当局は期待している)。

幅広い投資家の声を聴き、いつも投資家の関心に応え、投資家の合法的な権益を保護しなければならない」

とも記しています。

良い話も書かれてはいるのですが、順番が問題で、“零容忍”が先に来ているために投資家が失望しているということです。

社会主義国家としての理想を追い求めることは、習近平政権にとって最も重要だということはわかりますが、“実際の市場”はもっと“生臭く”、投機資金を排除し続けるばかりでは、冷え切った相場に火はつかないということです。

今回のような状況では、社会保険、生命保険、SWF、国有投資公司、国有金融機関など、国家全体による買い支えが望まれます。

できないのであれば仕方がないのですが、共産党が腹を括ればすぐにできることであり、そこが投資家の最大の希望です。

少しうがった見方をすれば、国家が全面的な買い支えに入れば、ほぼ確実に投機資金が一気に株式市場に流入するでしょう。

それは2006年~2007年秋、あるいは2014年秋~2015年前半などのバブル相場を振り返ってみれば明らかです。

法的にグレーな資金が広い意味での仲介会社に流入、信用取引制度の枠を超えてレバレッジ取引が拡大、短期間で大きなバブル相場を引き起こしたといった経緯があります。

「当局は、まずは徹底した犯罪防止体制を固めた上で、買い支えするつもりではないのか」と考える投資家(投機家)も一定数います。

彼らの存在があるからこそ、足元では売り買いが交錯する相場になっているということなのでしょう。

大底は近いのでしょうが、それは9日(金)から6営業日連続となる春節休場を終えてからではないかとみています。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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