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田代尚機(たしろ・なおき)

TS・チャイナ・リサーチ代表
1958年愛知県出身。大和総研勤務時代、北京に9年間駐在し、引受リサーチ、中国エコノミスト、中国株担当アナリストなどを担当。その後、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立。個人投資家、機関投資家向けに中国株投資に関する助言・情報提供などを行う。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。現在、マネックス証券で「田代尚機の注目5銘柄」を掲載中。その他、SBIサーチナ、日経CNBC、ストックボイスなど、メディアへの出演・寄稿多数。
著書に「人民元投資入門」(2013年、日経BP社)、中国株「黄金の10年」(2010年、共著、小学館)、「レッド・センセーション好機到来!今こそ中国株投資」(2006年、角川SSC社)など。

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

24日(金)、国民投票の結果、イギリスのEU離脱が決定した。これを受け、世界の株式市場は急落に見舞われたものの、上海総合指数は下落したとはいえ、下げ幅は相対的に小さかった。

例えば、イギリスFTSE100は3.1%下落、ドイツDAX30は6.7%下落、フランスCAC40は8.0%下落した。そのほか、NYダウは3.4%下落、ハンセン指数は2.9%下落、日経225は7.9%下落した。一方、上海総合指数は1.3%下落にとどまっている。

上海総合指数について、この日の日中足の動きを追ってみると、安寄り後、一旦プラス圏となるものの、まとまった売りが断続的に入り、前場は軟調な値動きとなった。しかし、変化が大きかったのは、後場に入ってからである。

昼休み時間中に離脱派が勝利したとの報道があったことで、前引け段階では1%安程度であったが、後場寄り直後には3.0%安まで売り込まれた。しかし、まとまった売りが出たのはごく短い時間だけであり、そこからV字回復となった。もっとも前引け前あたりまで株価が回復した後は買いが続かず、結局、終値は1.30%安で引けている。

総括すれば、EU離脱による本土市場への影響はごく短時間で消化されている。終値ベースでは下げているが、これは別の理由、すなわち、ここ最近の相場の弱さによるものではないかとみている。

今後についてはどうだろうか?

気になるのは需給要因、特に為替である。

本土人民元対ドル為替の値動きを見ると、23日の終値は1ドル=6.574元であったが、24日には高値(ドル高方向、以下同じ)6.6215元、安値6.5723元、終値は6.615元となった。高値ベースでは0.7%、終値ベースでは0.6%のドル高(人民元安)となった。24日の人民元対ドルレート基準値は6.5776元で、値幅制限は基準値±2%なので、日中の取引は6.4409~6.7037元の中に収まればよい。ドル高(人民元安)といっても、値幅制限に対しては余裕があり、為替はしっかりとコントロールされていた。

オフショア人民元ドルレートについては、23日の終値は1ドル=6.5896元であったが、24日には高値(ドル高方向、以下同じ)6.6520元、安値6.5788元、終値は6.6338元となった。高値ベースでは0.9%、終値ベースでは0.7%のドル高(元安)となった。香港オフショア市場においても、異常な変動があったとは言い難い。外資による投機的な動きは見られなかった。

これに対して、例えば、円ドルレートを見ると、23日の終値は1ドル=106.13円であったが、24日には高値(ドル高方向、以下同じ)106.81円、安値99.08円、終値は102.19円となった。安値(ドル安方向)ベースでは6.6%、終値ベースでは3.7%のドル安(円高)となった。

円ドルの値動きと比べると、人民元対ドルレートは小さな値動きにとどまっている。日本と中国とでは、株式市場の混乱の度合いが随分と違うが、これは為替の変動幅で説明できよう。

中国の為替制度は管理フロート制で、当局による大枠の規制の中での自由な取引に過ぎない。基準値については、前日の終値や、通貨バスケットが参考にされるが、中国に都合の良い水準に誘導されている。

外貨に対する需要に変化はあるだろうか?

今回の件でアメリカは利上げが更に困難となった。アメリカの金融政策要因で発生するドル高人民元安圧力は軽減されそうだ。

また、実際の資金移動の面では、外貨資本取引規制に対する管理が強化されており、今年に入り、資金流出はコントロールされつつある。

株式市場における需給面での影響は小さいと見られる。

経済についてはどうだろうか?

中国からイギリスへの1~5月(以下同様)の輸出は全体の2.6%、輸入は1.3%に過ぎない。今回の件で、イギリス経済が不況になったとしても、中国経済に与える直接的な影響は非常に小さい。また、イギリスの対EU貿易が加盟国と比べ不利となった場合、代替先として真っ先に上がるのは世界輸入規模第2位で、高成長を続ける中国であろう。中国のイギリスとの貿易関係は強化され、拡大する可能性がある。

EUに関してみると、輸出は16.2%でアメリカについで世界第2位、輸入は13.8%で世界最大である。EU内の結束が緩み、貿易面での自由度が小さくなることで、EU経済は悪化するかもしれない。しかし、その際に、各国が代替として求めるのは中国であろう。中国のEUとの貿易関係は強化され、拡大する可能性がある。

習近平国家主席が外交政策としてもっとも力を入れているのは一帯一路戦略である。その重要なツールの一つであるAIIBは既に始動しており、中国は今後、その規模を拡大させることで、一帯一路戦略を加速させるだろう。

イギリス、EUは一帯一路の終着点であり、これらの地域での混乱は中国の一帯一路戦略を加速する上でチャンスになりうる。

日本のマスコミでは、イギリス、EUにとって不利益である、世界経済への影響は大きいといった分析がほとんどであるが、中国に限って言えば、そうとも言い切れない。

こうしてみると、本土株投資家は、今回の件について、それほど心配する必要ななさそうだ。


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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

27日(月)の上海総合指数は僅かに安寄り後、終日買い優勢の展開となりました。終値は1.45%上昇し、2895.70ポイントを付けています。

ちなみに、イギリスのEU離脱が決まった24日(金)は1.30%しか下げていません。23日(木)の終値は2891.96ポイントだったので、上海総合指数は既にイギリスEU離脱の影響を"完全に克服した"といってよいでしょう。

ちなみに、創業板指数をみると、24日(金)は0.47%下落にとどまっており、27日(月)は3.03%上昇しています。

一般に"本土市場は海外要因に影響されにくい"と言われますが、今回もこのことが証明されたわけです。

なぜ、本土市場は海外からの影響を受けにくいのでしょうか?

第一に、株式市場において、外国人投資家の売り買いが大きく制限されていることです。もちろん、QFIIや滬港通を通じて外国人もA株を直接買うことができます。しかし、その1日の売買代金は全体と比べると、十分小さいのです。

また、本土個人投資家は外国人投資家ほど、ファンダメンタルズやバリュエーションを重視しません。

相場動向は、株式市場に流れ込む資金量が多いかどうか、あるいは政策などの材料が豊富かどうかによります。

前者は本土金融緩和の状態、後者は循環物色の度合いなどが影響します。

こうした要因は本土固有のものであり、海外とは無関係です。

第二に、金融市場は当局によってコントロールされており、また、閉鎖的であることです。

為替市場は変動相場制ではなく、管理フロート制です。

外国為替市場における参加者は、中国人民銀行が毎朝発表する基準値に対して、±2%の範囲でしか注文を出すことができません。ストップ高、ストップ安が存在するのです。

この基準値は昨年8月の改革によって、基本的に前日の終値を参考にする形に変更されたのですが、今年の1月には同時に通貨バスケットも参考にする形に修正されています。

簡単に言えば、当局は為替水準を中国にとって都合の良い水準に誘導しています。

24日の円ドルレートは対前日終値比で最大6.6%、終値では3.7%のドル安(円高)となっています。

これに対して、人民元対ドルレートはドル高(人民元安)方向に動いています。

最大で0.7%、終値では0.6%のドル高です。

海外のマスコミはやや誤解しているようですが、人民元安は当然、中国経済にとってプラスです。

人民元が流出し、その結果、人民元安になる場合に限り、"人民元が流出していることが中国経済にとってネガティブである"ということになります。

中国の資本勘定取引は厳しく制限されています。実際の状況として、人民元の流出は当局のコントロールの範囲内にあります。

今回の人民元安は、素直に解釈して、中国経済にとって良いことだと判断すべきでしょう。

日本のマスコミは、イギリスのEU離脱の影響を盛んに報道していますが、もし、投資家が海外要因に振り回されたくなければ、中国A株に投資するといった選択肢もあるでしょう。

ただし、中国A株は、国内要因で動きます。その国内要因について、本土投資家目線で分析しなければなりません。

その点に難しさはありますが、分散投資といった観点だけを考えれば、世界全体の動きと連動性の低い本土株はその性質自体が魅力的だと思います。

 

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MSCIは北京時間15日未明、A株のMSCI新興国株指数銘柄入りについて、延期すると公表した。引き続き2017年の評価リストの中に残し、1年後といった通常の周期にとらわれず、条件が整えば、すぐに認めるといった可能性も排除しないなどと付け加えた。

今回で3年連続3回目の見送りとなったが、今回は、中国証券監督管理委員会が積極的に問題点の克服にあたっていたことから、今月の初旬あたりまでは認められるといった見方の方がやや優勢であった。

MSCI側が昨年の延期時点で問題にしたのは、(1)海外投資家に対する株式の分配プロセス、(2)資本流動制限、(3)実質的な株式保有による権限の3点である。

さらに、MSCIは今年4月に入り、新たに2つの問題を提起している。一つは、上場会社の取引停止に関する任意性であり、もう一つは海外におけるA株関連の派生商品組成に対する制限である。前者については、取引停止に関する規定を見直すなど、当局はできる限りの努力は行っている。

結局、何が障害となったのだろうか?

"国際的な機関投資家は、採用銘柄入りを決める前にA株市場へのアクセス状況が更に一歩進んで改善されることを希望している。MSCIは自分たちの基準や慣例に従い、最近公布された新政策の執行状況についてしっかりとウォッチし、市場参加者のフィードバックを分析する"などとMSCI側はコメントしている。

また、"当局は最近、資本流動性を高めるといったQFII政策の修正を行ったものの、依然として月ベースの資本回収限度に関する規定が投資運用の面で障害となっている。修正後の制度でも、QFIIは毎月、前年純資産額の20%を超えて資本を引き出すことはできないとしているが、これが顧客の解約需要に対する資本回収時における潜在的な流動性障害となっている"と答えている。

さらに、"上海、深セン両取引所は最近、売買停止、再開に関する監督管理を強化する措置を打ち出しており、MSCIはこれを歓迎する。しかし、中国が採用するような売買停止、再開システムは、いかなる新興市場においても、見当たらない、独特のものである。新たな政策は実施されたばかりである。投資家においては、一定期間、政策実施による実際の成果を観察し、両市場の売買停止銘柄がどの程度減るのか見極める時間が必要である"などと強調している。

率直に言えば、双方の間には根本的なところで埋めがたい深い溝があるように思う。

MSCI側の主張は分かり易い。

取引に関するあらゆるルールは公平、公正、透明、簡潔でなければならない。また、MSCI指数は機関投資家がファンドビジネスを円滑に行い得るためのものである。

一方、中国側当局の思惑は少し違うところにある。

ルールは公平、公正、透明、簡潔でなければならないが、それと同等、あるいはそれ以上に国家にとって利益を生むものでなければならない。

これは、中国人が押しなべて、法やルールに対して潜在的に考えていることに通じる。自分たちにとって利益にならない法やルールは間違っているので変えるべきであるといった発想だ。

こうした考え方があるから、昨年のように株価が急落すれば、市場における公平性、公正性、透明性などを顧みることなく、あらゆる手段を使って株価下落を止めようとする。今後も、国家にとって不都合な株価下落があれば前回同様、投資家は、売ることが制限されたり、実質的に売りの難易度が上がったりする可能性がある。

もう一つ、重要なことがある。

当局は外資に対して長期安定投資家として行動してほしいということだ。

もちろん、個々の主体が自由に売り買いするのは構わないが、総体として、結果として、QFIIの買いは少しずつ増加が続き、相場が悪い時にも売りが出て来ず、逆に買いが続くようであってほしい。

相場をかく乱するようなヘッジファンドには参入してほしくないのである。だから、資本回収に制限を付けるのである。

アジア通貨危機の経験から、短期金融市場を自由化することは国家にとって大きなリスクがある。金融市場を守るという点からも、資本回収規制は外せないだろう。

欧米投資家は香港上場のH株、レッドチップ、中国関連株を買えばよい。当局はもっと香港市場を活用すればよい。社会主義と資本主義の間には、的な考え方の違いがある。オフショア市場を介して繋がることが望ましい。

 

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

20日(月)の上海総合指数は僅かに高寄りした後、一旦売り込まれる場面もあったのですが、下値は堅く、後場に入るとプラス圏に浮上、大引け段階ではわずかではありますが、先週末終値比で高く引けています。

ここ1週間の動きを追ってみると、13日(月)は大きく崩れたのですが、14日(火)小動きの後、15日(水)は安寄り後大きく戻す展開となりました。その後、16日(木)、17日(金)、20日(月)は高値圏での横ばいといった動きとなっています。

先週のブログでは、13日(月)の急落について、外部環境の悪化、経済指標の下振れなどが主な要因であると書きましたが、そのほかに、A株のMSCI新興国指数採用銘柄入りの可能性が低いとみた一部の大口投資家が売ったことも要因としては大きかったようです。

市場では、結果について、会場での発表ではなく、国際電話での通知といった方法で内部伝達されることになったと伝わった時点で、一部の機関投資家は延期の可能性が高いとみたようです。

A株がMSCI新興国指数の構成銘柄に採用されないことが分かったのは15日の未明です。ですから、15日の相場は、朝から大きな悪材料があったわけですが、にもかかわらず、"低開高走(安く寄り付いて、上昇)"となったのは悪材料をある程度、事前に織り込んでいたからでしょう。

また、不確定要因が一つ無くなったことで買いが入ったといった見方もできます。

いずれにしても、MSCI落選のニュースはこの段階で、織り込まれていると考えてよいでしょう。

今に始まったことではありませんが、本土投資家の景気指数に対する感度はそれほど高くありません。今後もA株市場は政策や需給、テクニカルで動くといった状況は変わらないと考えています。

テクニカル面では、週足、月足などを見る限り、まだ、下値があるかもしれません。

また、需給面では、中国人民銀行は経済のレバレッジ拡大を阻止する方針で、金融緩和は行われていても、資金の流れは不動産、株式に向かいにくい状況となっています。

さらに、管理面では、就任以来4カ月間における劉士余主席の打ち出した政策や発言を総合的に判断する限り、全方位的に管理を強化し、株式市場の問題点を修正しようとしています。

こうした状況で、株式取引が過熱することはなさそうです。

ただし、株価が急落すれば、対策を打ってくるといった期待はあります。

また、社会保障資金の買い、深港通による外国人買いが期待できそうです。さらに、国家隊が相場を下支えするといった見方が根強くあります。

共産党は供給側改革を進めようとしていますが、一方で、5月の新エネルギー自動車の生産台数は昨年と比べ131.3%増加するなど、新たな産業の柱も見えてきました。

上海総合指数は、戻りは弱いでしょうが、下値は限られると考えています。

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

米中戦略経済対話が6、7日、北京で開催された。

日本などの報道を見ると、「南シナ海問題で物別れ」、「両国間協力の限界を露呈している」などといった否定的な見方が目立つ。

中国側はどのように評価しているのだろうか?(6月8日付経済観察報の記事を中心に、こちらの考察を若干加えながら整理すれば、おおよそ以下のような内容である)

中国財政部の朱光耀副部長は閉幕後の7日夜、主要な成果として以下の4点を指摘している。

(1)米中2国間投資協定(BIT)締結に向けて、ネガティブリストを交換する
(2)中国側は今後、アメリカ側に2500億元のRQFII枠を提供する
(3)経済を振興させ、人民元の切り下げ競争を回避する
(4)中国側が1.1~1.5億トンの鉄鋼生産能力を削減し、新たな増産を承認しない

(1)について。米中2国間投資協定とは、両国の企業が、それぞれの市場に参入する際の制限を大幅に減らし、これまで以上に開放的で、透明な市場規則を作るための協定である。

2008年6月の第4回米中戦略経済対話の中で正式に条件交渉が始まったが、金融危機の発生でしばらく停止していた。2014年から、国民待遇を与えるのにふさわしくないプロジェクトのリスト(ネガティブリスト)の作成が始まり、2015年6月には第一次のネガティブリストの交換が行われた。この時は、中国側は100以上、アメリカは20以上のプロジェクトをリストアップしている。

今回の協議によって、ネガティブリスト交換の第2弾が行われることになった。

(2)について。RQFII(RMBQualifiedForeignInstitutionalInvestors)とは人民元海外適格機関投資家のことである。中国証券監督管理委員会から認可を得た投資家は、認可枠の範囲内で、調達した人民元で以て、中国の株式、債券などを購入することができる。

QFII制度はドルでの投資であるが、RQFII制度は人民元での投資である。

これは、海外機関投資家にとって、単にA株を購入できる枠が増えるだけではない。RQFIIがA株、中国債券などの運用ファンドを販売(通貨はオフショア人民元)することで、オフショア人民元の運用に厚みが出てくる。

2500億元という枠は、香港の2700億元に次ぐ規模である。ゴールドマンサックス、シティバンク、モルガンスタンレーなどの大手金融機関は香港に金融子会社を持っており、既にRQFII資格を取得済みであるが、今回2500億元の枠がアメリカに与えられたことで、アメリカのヘッジファンドなどが参入する可能性がある。

A株市場において、これはかく乱要因になる可能性もあるが、比較的回転の速い資金が増えることで、市場の厚みが増すといった効果も期待できる。

(3)について。2015年8月11日(8.11)、中国人民銀行は、人民元対ドルレート基準値を前日と比べ1.86%安い水準に設定、さらに前日の終値を参考として基準値を設定すると発表した。また、今年の1月以降は、基準値算定に当たり通貨バスケットへの連動制を強めるように為替決定メカニズムを修正している。これらは、当然、通貨安競争を行わないようにするための改革である。

一方、中国はアメリカにとって最大の貿易赤字国であり、アメリカは中国にとって最大の貿易黒字国である。そのため、アメリカの国内事情からすれば、人民元は常に強い上昇圧力に晒されている。アメリカとしては、中国に為替レートを安くしてほしくない。こうした事情から、アメリカは、わざわざ、念を押したかったのであろう。

これで、しばらくの間、中国人民銀行は、8.11のような、いきなり基準値を引き下げるようなことはできないだろうが、アメリカが利上げを行い、ドル高(実効レート)が進む状況では、中国は国内事情から、遠慮なく基準値を引き下げるだろう。

FRBは金融政策体系を正常化させようとしているが、その過程で国際金融市場に対する影響を十分考慮し、政策の透明性と予測性を高めるよう中国は要求している。

(4)について。アメリカが5月26日に中国鉄鋼製品に対して337調査を発動したことで、急遽、再度鉄鋼の生産能力削減目標を発表したということであろう。

李克強首相は6月7日午前、ケリー国務長官、ルー財務長官と会談した際、「生産能力過剰は、アメリカ、EU、日本など、世界の多くの国で直面している共通の問題であり、根本的な原因は世界経済の回復力の弱さ、国際貿易の不振、総需要の低下などにある」と発言している。

もともと中国鉄鋼メーカーは、規模が大きく、コストは小さく、製品価格は安いといった要因から、国際市場において、競争力が高い。そうした中国企業が過当競争を繰り広げることで、生産能力を増やし、値下げ競争を続ければ、それは国内市場にとどまらず、海外市場も荒らすことになる。中国企業に生産能力を削減させ、少しでも国際市場での供給圧力を小さくしたいというのがアメリカの考え方である。

これらの点は、成果として指摘しているが、同時に、現状における米中の問題点を浮き彫りにしている。とはいえ、米中で二国間投資協定締結に向けた動きが進んでいることや、アメリカが人民元オフショア市場として大きなシェアを占める可能性が高まったことなどについては、正しく評価すべきであろう。

米中は決して冷戦状態に陥っているわけではない。

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