たっしーが教える、中国株なら俺に聞け!!

田代尚機(たしろ・なおき)

TS・チャイナ・リサーチ代表。
1958年愛知県出身。大和総研勤務時代、北京に9年間駐在し、引受リサーチ、中国エコノミスト、中国株担当アナリストなどを担当。その後、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立。個人投資家、機関投資家向けに中国株投資に関する助言・情報提供などを行う。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。現在、マネックス証券で「田代尚機の注目5銘柄」を掲載中。その他、SBIサーチナ、日経CNBC、ストックボイスなど、メディアへの出演・寄稿多数。

【著書】
・中国株二季報
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
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本土株式市場、商い閑散、当面は政策が頼り!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

先週の上海総合指数は0.8%安。週足ベースでは3週連続の下落となった。

20180920_tashiro1shanghai.png

指数ごとの動きを比べてみると、上海50指数は0.5%安だが、創業板指数は4.1%安であった。小型株が売られ、大型株が相対的に堅調であった。

20180920_tashiro21syuu.png

前回のレポートでは、米中貿易摩擦の軽減でリバウンドするのではないかと書いた。2000億ドルの追加関税措置は9月6日の意見徴収
期間を終えているが、未だに発動されておらず、一方で、米中協議が再開される見通しとなった。

商務部は13日、定例のプレスリリースを行い、メディアからの質問を受けたが、その中で、ロイター社は「アメリカのムニューシン財務長官は中国に対して貿易協議を打診したとメディアが伝えているが、
近々新たな協議を行う予定があるのかどうか、また、長期に渡る貿易摩擦を解消することのできるような具体的な協議が行われると信じてよいのかどうか」と質問した。

これに対して高峰報道官は「米中貿易協議団はいろいろな形式で意思疎通を図っており、各自関心のある問題について交流を進めている。
中国側は確かにアメリカ側の招待・要請を受けており、中国側はこれを歓迎している。現在、いくつかの具体的な細かい部分について意思疎通を行っている。中国側は貿易摩擦の激化はどちらの利益にもならないと認識している」などと答えている。

追加関税措置は短期的には増税に等しく、景気への影響は大きい。トランプ大統領は、ブラフで追加関税措置をちらつかせているのではないかといった見方もある。
米中貿易摩擦は短期的には解決されることはないかもしれないが、アメリカ側の攻勢にも限界があるともいえよう。

13日(木)の上海総合指数は1.1%上昇しており、市場はこれを好材料と捉えてはいる。ただし、予想されたほどにはリバウンドは大きくなく、14日(金)には下げに転じてしまっている。とにかく商いが増えない。資金が流入しないことには株価は上がらない。

景気指標については、8日(土)に貿易統計、11日(火)に物価統計、12日(水)に金融統計、14日(金)に経済統計が発表された。景況感に対するコンセンサスは、輸出、固定資産投資は下振れ、物価、鉱工業生産、消費は上振れといった結果に終わった。

金融統計については金融機関のバランスシート上の貸出は増えているが、オフバランスも含めると減っているといった状態で、引き続き金融レバレッジの縮小が進んでいる。
設備投資については急増が期待されているインフラ投資(8月累計)が4.2%増で7月累計と比べると1.5ポイントも低下している。

もう少し細かく見ると、水利管理投資は▲3.6%減で減少幅は2.9ポイント拡大している。公共施設投資は3.0%増で1.3ポイント低下、道路輸送関連投資は9.3%増で1.2ポイント低下、鉄道輸送関連投資は▲10.6%減で下落幅は1.9ポイント拡大している。

日本のマスコミは景気対策でインフラ投資が急増し、むしろ非効率な投資が増えることが心配だなどと報道しているところもあるが、
足元のデータを見る限り、当局は引き続き金融レバレッジの縮小を進めており、インフラ投資についても、質のチェックが厳しく、金額ベースでは鈍化が続いているといった状態である。

そもそも、7月23日に開かれた下半期の経済方針を決める会議(定調)では、「財政金融政策の作用を更にしっかりと発揮するように、内需構造の調整を拡大し実態経済の発展を促すこと、弱点部分の補強を巡り、
後方からの支えを増強し、民生に恵みをもたらすよう有効な投資措置を推し進めること」などの方針が指示されたが、「農業生産でよく行われる大量の水を流す灌漑方式のような強烈な刺激策は決して行わない。

形成の変化に基づき、機会に応じて先を予測して微調整を行う。ピンポイントで調整コントロールを行う。外部環境の不確実性にうまく対応し、経済成長速度が合理的な範囲に留まるようにする。
財政、金融政策を協調して力を発揮させ、実体経済に対してさらに効果的で、マクロ経済の大局のために力を発揮させる」といった点が付け加えられている。

あくまでも、供給側改革を進め、金融リスクを縮小する中で景気に配慮するといった程度である。

景気が悪くなっているのは米中貿易戦争のせいではない。当局が供給側改革、環境対策を強化しており、不動産バブル、金融レバレッジの縮小の手を緩めないからである。市場では、そのことが改めて意識されているように感じられる。

人民元対ドルレート基準値は8月28日に1ドル=6.8508元まで高くなった後は少しずつ元安方向に動いている。人民元安見通しは根強く、人民元資産は売られやすい地合いが続いている。

20180920_tashiro3jinmin.png

2015年の大相場以降の最安値は2016年1月27日の場中で記録した2638.30ポイントである。テクニカルにはここが破られると下落が加速する可能性が高まることから、当局はここを強く意識していると多くの本土投資家たちは考えている。

下げれば当局が対策を打ち出すとみられるが、それはSWFの買いか、資本市場改革か、それとも新たな景気対策なのか?それに、米中協議の進展が絡む。今週の相場の焦点は、当局がこの下値を死守できるかどうかである。

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17日の上海総合指数は1.11%下落、底割れの危機!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

17日(月)の上海総合指数は安寄り後、薄商いの中で狭いレンジでの値動きとなりました。終値は2651.79ポイントで、前営業日比1.11%安で引けています。

先週の後半弱いリバウンドがあったのですが、17日(月)の下げで再び底割れの危機となっています。

この日の終値は、20141127日以来の安値を記録しています。

20180917A.png

17日(月)の創業板指数は1.23%安となりました。

こちらは8月下旬から厳しい下げが続いていて、終値ベースでは201484日以来の安値を記録しています。

20180917B.png

また、17日(月)の上海50指数は1.05%安となりました。

厳しい相場ではありますが、年初来安値までは、まだ、少し余裕があります。

20180917C.png

先週発表された8月の経済統計をまとめると、おおよそ以下のようになります。

小売り、鉱工業生産は先月よりも伸び率は高く、予想を上振れしました。

一方、輸出、固定資産投資は前月の伸び率を下回り、予想も下回りました。

輸出の不振は、貿易摩擦の影響かと思うかもしれませんが、そうではなさそうです。

アメリカ向けの輸出は8月累計で13.4%増、7月累計と比べると伸び率は0.1ポイント高まっているからです。もともと、輸出は変動が大きく、予想の当たりにくい統計なので、現時点で心配することはないでしょう。

むしろ問題なのは固定資産投資です。

インフラ投資(8月累計)が4.2%増で7月累計と比べると1.5ポイントも低下しています。

水利、公共施設、道路、鉄道などの建設が悉く前月の伸びを下回っています。

723日に開かれた下半期の経済方針を決める会議(定調)では、財政政策を更に積極的に行う方針が示されたことで、エコノミストたちはインフラ投資が急拡大すると予想したのですが、そうはなっていません。

中国の場合、政策が発動されれば、統計にすぐに表れることが多いだけに、気になります。

実際には、当局は供給側改革、環境対策の強化を緩めず、不動産バブル、金融レバレッジ縮小の手を緩めないからではないかといった懸念が市場に広がっています。

トランプ大統領の保護貿易主義は相変わらず激しさを増しています。

先週は12日(水)、ムニューシン財務長官が中国に対して協議再開を打診すると、中国商務部は13日(木)、これを歓迎すると発表しています。しかし、トランプ大統領からはこれを否定するような発言があり、15日(土)には、「早ければ17日(月)にも中国からの輸入品2000億ドル相当に追加関税をかけると発表する」などとマスコミが伝えています。

各種ネットワーク関連のハイテク製品、電子部品、PCB、バッグ、自転車、家具などが対象となるようですが、税率については、これまで言われていた25%ではなく10%に引き下げられるようです。

条件は少し緩和されてはいますが、アメリカ大統領がこれまで実施した経済制限措置の中では最も厳しいものとなりそうです。

景気対策に対する懸念が広がる中で、米中貿易戦争が激化しそうだということで、多くの投資家が売買を見送っています。

投げ売りが出ているのではないことからわかるように、中国経済への影響はそれほど大きくないとみている投資家が多いのでしょうが、一方で、買い材料が見当たらないのも事実です。

本土市場はもうしばらく下値を探る動きが続くと予想しています。

 

 

 

 

 

 

 

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米中貿易戦争のピークアウトでリバウンド!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

先週の上海総合指数は0.8%安。薄商いの中、小動きが続いた。

20180913_tashiro1syanhai.pngそれは大型株でも小型株でも変わらない。国家隊を含め、身動きできない状態が続いている。

20180913_tashiro21syuu.png最大の懸念材料は言うまでもなく米中貿易摩擦であるが、これを書いている8日午前10時現在、新しい情報は見られない。

商務部では6日、定例のプレスリリースを行ったが、これまで同様、厳しいことを言っている。
「アメリカが2000億ドルの中国からの輸入品に対して追加課税を徴収する件に関して、意見徴収を行なってきたが、間もなく終わろうとしている。
9割超の公衆参加者が反対している中で、トランプ大統領は引き続き追加課税措置を続けようとしているが、どのように対応するのか」といった質問を、中国国際テレビ局が行った。

これに対して、商務部の高峰報道官は、「アメリカは、WTO規則に対して重大な違反をしており、一方的な措置を採り続け、米中貿易摩擦を加速させている。
米中両国企業、消費者の利益を損ね、グローバルなバリューチェーン、サプライチェーンの安全を損ねている。
もし、アメリカが意見聴取において、圧倒的多数の企業が反対するのを顧みず、一方的な行動に出て、中国に対していかなる新しい追加関税措置を出したとしても、中国側は、必ず反撃を行う。
中国に対するいかなる圧力措置も理にかなっておらず、無効である。貿易戦争はいかなる問題も解決しない。公平に、誠実で信頼のおける対話や協議を通すことのみが貿易摩擦を解決する正しい選択である」などと答えている。

意見聴取の結果が厳しかったので、トランプ大統領は躊躇している可能性がある。追加関税措置は瞬間的な影響としては増税に等しい。選挙に響かないはずはない。
特に、対象となる製品は、一般消費者に身近なもので、低所得者に大きな増税感を与えるものである。やりにくいだろう。

6日のウォールストリートジャーナルによれば、トランプ大統領は記者に対して電話で、日本の指導者との良好な関係について語る一方、その関係は「もちろん、私が彼らに対し、彼らがどれだけ支払う必要があるか告げた途端に終わるだろう」と述べたそうだ。
中国だけでなく、EU、メキシコ、カナダに対しても、貿易戦争を仕掛けているが、EU、メキシコは一応の決着がついており今後、その矛先は日本に向かいそうである。

トランプ大統領の本当の狙いは、貿易赤字の削減ではなく、外国との貿易戦争を勇敢に戦い、勝利を収めるところを有権者に見せることにあるのではなかろうか?
だとしたら、これ以上攻めるとアメリカ側にも大きな悪影響が出る中国ではなく、攻めやすく、抵抗が小さいだろう日本を攻撃対象とした方が得策だと考えたのかもしれない。中国においては、最悪期は去ったのかもしれない。

8月31日に出そろった2018年6月中間期業績については、上海証券取引所に上場する1439社合計では、11%増収、14%増益、深セン証券取引所に上場する2116社合計では、17%増収、17%増益となった。
ウエートの高い金融が伸び悩む一方、非金融、創業板銘柄などが高い伸び率となった。この段階では米中貿易戦争の影響は全く見られない。
ただし、市場が気にしているのは、7-9月期の業績である。成長分野である電子部品、通信機器あたりに影響が出てくるのではないかといった懸念はあるかもしれない。
それだけに、トランプ大統領の対中制裁が峠を越えたとすれば、業績面でも好材料となるだろう。

アメリカの金利上昇に加え、いくつかの新興国の金融市場で混乱が起きていることから、中国を含め資金がアメリカへ流出しているのではないかといった見方がある。
ただ、滬港通、深港通を通じて北上した純資金流入額は2312.53億元で、8月1日~9月5日までに北上した純資金流入額は387.29億元である。4月以降でみれば、1799.32億元の資金が海外から国内に流入している。

海外の投資家は中国本土株を買い越しているわけだが、マーケット関係者たちは本土から資金が流出していると分析している。ドル高人民元安が進むと予想し、本土株を売って、ドル資産を買う動きが出ているという。
国内の投機家が株を売っているということになる。ただし、足元の人民元対ドルレート基準値は、逆周期因子を導入して以来、上昇トレンドが抑えられている。これも、株式市場にとっては好材料である。

20180913_tashiro3jinmin.pngトランプ大統領による鋼材、アルミニウムの輸入に関する追加関税措置から始まった米中貿易戦争であるが、一旦落ち着きを見せるなら、本土株は買いである。大型株を中心に戻り相場となりそうだ。

 

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10日の上海総合指数は1.21%下落、底割れ寸前!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

10日(月)の上海総合指数は安寄り後、薄商いの中で売りに押される展開となりました。終値は2669.48ポイントで、前営業日比1.21%安で引けています。

この2週間、下げトレンドとなっています。

この日の終値は、817日(金)以来の安値を記録しています。

20180910A.png

10日(月)の創業板指数は2.41%安となりました。

こちらは下げが厳しく、2014814日以来の安値を記録しています。

20180910B.png

また、10日(月)の上海50指数は0.99%安となりました。

厳しい相場ではありますが、年初来安値までは少し余裕があります。

20180910C.png

トランプ大統領の保護貿易主義は激しさを増しています。

トランプ大統領は7日(金)、移動中の飛行機の中で、2000億ドルに加え、さらに2670億ドルの関税を課す準備はできていると発言しています。

中国からのすべての輸入品に関税をかけると言い出したのです。

アップルは、2000億ドルの輸入品に対する追加関税措置に関する意見徴収期間中である5日(水)、アメリカ通商代表部(USTR)に対して、「貿易戦争によって引き起こされる関税コストは消費者に転嫁される。アップルウォッチ、エアポッドなどの価格は高くなるだろう」といった内容の抗議文を出しています。

それに対してトランプ大統領は、「関税をゼロにし、さらに租税優遇措置を受ける簡単な方法がある。中国の代わりにアメリカで生産すればよい。今すぐ新しい工場の建設を始めるべきだ」とツイートしています。

こうした一連の動きから、この日の本土A株は、アップル関連を筆頭にPC関連、電子部品、光学電子部品、半導体・部品、通信設備、通信サービスなどが売られました。

更に、マーケット全体の見通しが悪化し、証券も大きく売られました。

本当にトランプ大統領は中国からの輸入品すべてに25%もの追加関税をかけるつもりでしょうか?

アップルやインテルははっきりと、価格転嫁が起きて、物価が上がると主張しています。

USTRは、2000億ドルの追加関税分について、「中国製造2025に関連する製品で、化学品、紡績品、食品、服飾・手袋、電子産品、金属製品、自動車部品などである」と説明しています。

もし、中国からの輸入品すべてに関税をかけるとすると輸入物価の上昇から、消費者物価が上昇、そしてそれは金利上昇に繋がるでしょう。

さらに、市場規模では世界第2位、高成長を続ける中国市場を失うことになるでしょう。

選挙前に株価が急落するリスク、景気が減速するリスクをとるでしょうか?

追加関税措置を発動すれば中国関連株はもう一段売られる可能性があります。

しかし、アメリカ市場にも大きな下落圧力がかかるでしょう。

特に現在のアメリカ市場は、アップル、アマゾン、グーグル、フェイスブックといったNASDAQの中核銘柄がけん引する相場であり、そうした銘柄に対してまとまった売りが出れば、大きな下げに見舞われる可能性が高いでしょう。

いずれにしても、トランプ大統領次第です。

 

 

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本土株、底割れを狙う?!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

先週の上海総合指数は0.2%安となった。27日(月)に1.89%上昇したものの、その後は4日続落、"行って来い"の展開となった。

20180906_shanghaisougou - コピー.png

27日(月)の上昇は、人民元安に歯止めがかかったためである。24日(金)の大引け後、中国人民銀行はホームページ上で、次のような内容の公告を行った。

「・・・最近、ドル指数の"ドル高"基調、貿易摩擦などの影響により、外為市場ではトレンド追従行動がみられる。
中国人民銀行は市場の状況を自ら判断し、8月以降、人民元対ドルレート基準値に関して、リバースサイクル係数を再び導入し、人民元安トレンドが強まるのを適度に抑えた。
24日現在、大部分の基準値に関して調整を行っており、今後、リバースサイクル因子は人民元為替レートを合理的水準に保つ上で、基本的に安定して積極的な作用を保つであろう・・・」

簡単に言ってしまえば、これまでは、前日の終値、通貨バスケットの動きに基づいて人民元対ドルレート基準値を決めていたが、それにトレンドを打ち消す因子を入れたということである。
これは人民元安により資金流出が問題となった頃、2017年5月に人民元安トレンドを打ち消すために行われたが、それが落ち着いたので、2018年1月に停止していた。それを再び導入したということである。

市場の反応は、瞬間的には、人民元安に対する歯止めがかかるということで好感した。しかし、冷静に考えてみると、これはトランプ対策の一環であり、交渉の道具に過ぎない。
もし、トランプ大統領が9月5日以降、中国からの2000億ドル相当の輸入品に対して追加関税をかける措置を発動すれば、再び人民元安トレンドが発生する可能性が高い。そう考える投資家が多かったのだろう。だから買いが続かなかったと考えている。

ちなみに、基準値の動きをみると、8月16日の1ドル=6.8946元で一旦、ピークを打ったような感じがしないでもないが、急激に人民元高が進んでいるわけでもない。あくまで、人民元安に歯止めがかかったといった状態で推移している。

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景気については31日寄り付き前、8月の官製・製造業PMIが発表された。結果は51.3で、前月と比べ0.1ポイント高く、市場コンセンサスと比べると0.3ポイント高かった。
表面的にはポジティブサプライズといえるかもしれないが、細目指数をみると、新規受注、新規輸出受注ともに鈍化しており、特に新規輸受注は景気判断の分かれ目である50を割り込んでいる。
原材料在庫は低下、生産は上昇したが、製品在庫も上昇している。
また、輸入は低下、50を割り込んでいる。本来、本土の株価はこの指数には敏感ではないが、米中貿易戦争の影響が出ているような内容であったことを考えると、好材料ではなく、悪材料として反応したのではないかと考えている。

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好材料が無かったわけではない。マスコミ報道を拾ってみると、以下の通り。

MSCIは8月13日の四半期審査報告において、A株のMSCI指数に算入される企業、時価総額を調整すると発表。8月31日大引け後、新たに10銘柄を追加、さらに組み入れ比率を2.5%から5%に引き上げる。
今回の調整によってMSCI指数に算入される企業数は236銘柄に拡大する。光大証券の試算によれば、今回の引き上げによって、600億元前後の資金がA株市場に流入するだろうと予想している(31日、中国証券報)。

中国証券監督管理委員会(証監会)の張慎峰主席助理は、「証監会は今後、資本市場改革を全面的に深堀し、開放を拡大する。供給側構造性改革や質の高い経済発展のために更にしっかりとしたサービスを供給する。
証券業界において、外資持ち株比率制限を緩和する政策の実施に向けて努力する。滬港通、深港通メカニズムを更に改善する。上海・ロンドン・ストックコネクトの開始に向けた準備業務をしっかりと推し進め、年内実施を目指す。
A株のFTSEラッセル指数算入を積極的に支持する。QDII、RQFII制度規則を改定する。更に多くの上場先物商品について海外投資家に開放する」などと述べた。(29日、証券日報)

いずれも、外資による長期資金の流入が期待されるような内容である。1週間の値動きでみると、上海深セン300指数は0.28%上昇しており、一方、上海総合指数は0.15%下落、創業板指数は1.03%下落している。
大型株が買われたわけだが、その差はそれほど大きいわけではない。国務院は外資への投資環境を改善し、資金を引き留め、呼び込もうとしているが、米中貿易戦争が激化する中では、なかなか大きな効果は表れていないのが現状である。

20180906_1syuu - コピー.png

トランプ大統領は9月5日以降、中国からの2000億ドル相当の輸入品に対して追加関税をかけるかどうか、はっきりさせるだろう。
もし追加関税をかけることになり、NYダウが崩れるようなことがあれば、トランプ大統領はすぐに、その決定に何らかの修正を加えるとみている。
下がったところで本土株は買いやすくなる。ただし、NYダウの下げが限定的である場合は、本土株の低迷は、しばらく続きそうである。いずれにしても、今週の上海総合指数は大きく動く可能性がありそうだ。

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