中国株投資家のみなさん、こんにちは。
9日(月)の上海総合指数は僅かに高寄り後、終日、狭いレンジでの揉み合いとなりました。
終値は0.08%高の2914.48ポイントで引けました。
セクター別では、鉄鋼、石炭、石油、不動産、PC関連、新材料などが買われました。
一方、農業、医薬バイオ、飲料などが売られました。
9日(月)の創業板指数は0.33%安となりました。
こちらは利益確定売りに押されました。
9日(月)の上海50指数は0.23%安となりました。
ここ1週間の動きでは、中小型株と比べると大型株の戻りは弱く、この日の上海50指数の終値は25日、75日移動平均線を下回っています。
8日(日)に発表された11月の貿易統計(ドル建て)をみると、輸出は1.1%減で前月と比べ0.3ポイント悪化、市場予想の1.0%増と比べ▲2.1ポイント悪化しました。
一方、輸入については0.3%増で前月と比べ6.5ポイント回復、市場予想の▲1.8%減と比べ8.3ポイント上振れしました。
外需は厳しいが、内需については回復しているといった見方ができます。
また、対米貿易を取り出してみますと、11月の輸出は▲12.5%減(累計データからの推計値、以下同様)で10月と比べ▲1.2ポイントほど悪化していますが、追加関税率がかかっていることを考えると、予想の範囲内で、クリスマス商戦は心配されたほどひどくはなかったと言えそうです。
輸入については、11月は▲23.3%減で、輸出よりも減少率が厳しいのですが、10月と比べると2.1ポイント回復しています。
データで見る限り米中貿易戦争は酷くなってはいないということです。
セクターの動きをみると、先週後半から、米中貿易戦争で影響を受けるハイテクセクターに資金が流入しています。
創業板指数の動きをみると、9日は後場から利益確定売りに押されましたが、先週後半からの戻りは相対的強くなっています。
来年の経済運営方針の方向性を決める中央政治局会議が6日、開催されました。
報告書をみると、2020年は「全面的な小康社会の建設を完成させる年であり、十三五計画の最終年であり、我々は一つ目の百年奮闘目標を達成させなければならない年である」と指摘しています。
6%を割るような成長率では目標達成は厳しいといった指摘がこれまであるので、2020年は、景気対策が強化されるといったポジティブな見方ができます。
しかし一方で、「我々は、弁証法的唯物論を用いて形成の発展変化を捉え、必ず勝つと自信を持つ気持ちをさらに高め、外部圧力を改革深化に上手く転化させ、開放拡大の動力を強くし、勢力を集中させて自分たちのことを上手く行わなければならない。貧困からの脱却、環境汚染の防止、金融のシステマティックなリスクの予防といった3つの大きな目標を断固として達成しなければならない」と強調しています。
両面併記は仕方のないことですが、投資家としては、やはり、はっきりとした景気対策、とりわけ資金流動性が高まるような量的な金融緩和政策に期待したいところです。
9日(月)の銘柄の動きをみると、インフラ投資拡大への期待から、鉄鋼、石炭、石油、不動産といったところに動きがみられたのですが、相場全体を引き上げるほどの動きではありませんでした。
12月15日(日)には、スマホなど、これまでクリスマス商戦への影響を気にして控えてきた製品に対しても追加関税率の引き上げを行なう予定となっています。
しかし、ほとんどの内外の市場関係者は、トランプ政権は引き上げを延期するだろうと見ています。
誰もが引き上げはないと思っているだけに、逆の結果であれば、グローバルで株価は大きく下がる可能性があります。
全ての決定権はトランプ大統領の手中にあるだけに、どちらかに決着が付くまで投資家は売り買いを控えたいところです。
とりあえず、無理せず、様子見です。