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田代尚機(たしろ・なおき)

TS・チャイナ・リサーチ代表。
1958年愛知県出身。大和総研勤務時代、北京に9年間駐在し、引受リサーチ、中国エコノミスト、中国株担当アナリストなどを担当。その後、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立。個人投資家、機関投資家向けに中国株投資に関する助言・情報提供などを行う。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。現在、マネックス証券で「田代尚機の注目5銘柄」を掲載中。その他、SBIサーチナ、日経CNBC、ストックボイスなど、メディアへの出演・寄稿多数。

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米中貿易紛争は峠を越えた?!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

本土市場は底打ち反転へ!!

先週の上海総合指数は3.1%上昇した。大型株の動きを代表する上海50指数は3.1%上昇であったのに対して、小型ハイテク株のウエイトの大きい中小企業板指数は5.5%上昇している。

20180719_tashiro1syuukann - コピー.png

1月の下落はアメリカの金利上昇懸念によるものだが、3月下旬以降の下落は米中貿易紛争によるものである。アメリカは7月6日(金)、340億ドル相当の中国からの輸入品に対して25%の追加関税を課す措置を発動した。
もし、この追加関税措置が実際に発動されれば、米中貿易紛争はさらに加速するのではないかといった懸念から、市場の注目を大いに集めたのだが、当初の方針通り実施されることになった。

すぐに中国側は同額相当の対抗措置を発動したものの、それに対してトランプ大統領は10日、新たな制裁措置として、食品、素材など年間2000億ドル相当の中国からの輸入品6031品目に10%の追加関税を課す方針を示した。
8月末まで意見徴収を行った上で発動するとしている。中国側は譲歩することなく、対抗措置を取ると発表している。米中貿易紛争は形の上では経済戦争に近い状態となっている。

こうした状況下で本土株式市場は自律反発している。果たしてこれから底打ち反転、上昇トレンド形成へとつながっていくのだろうか?

20180719_tashiroshanghai.png

まず、テクニカルに週足チャートだけをみると、上海総合指数は前週の急落分をわずかだが戻し切れていない。出来高を見ても、先週は前週をわずかだが下回っている。依然として投資家の売買は活発ではない。

11日(水)は新たな制裁措置発表を受けて上海総合指数は1.8%下落したものの、12日(木)は全面高となり2.2%上昇したが、13日(金)は0.2%下落している。
この日、中国側の制裁のよって恩恵を受ける農業や、バイオ医薬といったディフェンシブなところが買われている。現状では、自律反発に過ぎない状況である。

もっとも、アメリカ側の制裁措置によって、輸出の減少が懸念されるが、今のところ貿易統計上、そうした変化は表れていない。

海関総署は13日、6月の貿易統計を発表した。輸出(米ドルベース、以下同様)は11.3%増で、前月の12.2%増(12.6%増から12.2%増に修正)と比べ0.9ポイント減少したものの、
ロイター社の市場コンセンサスである10.0%増と比べ、1.3ポイント上振れしている。
一方、輸入については14.1%増で、前月の26.0%増と比べ11.9ポイント低下、市場コンセンサスである20.8%増と比べ、6.7ポイント下振れしている。

20180719_tashiroboueki.png

一方、アメリカ向けは1~6月累計で輸出は13.6%増、輸入は11.8%増である。1~5月累計がそれぞれ13.6%増、11.9%増であるから、6月単月では大きな変化が見られない。また、1~6月累計の貿易黒字額は1338億ドルで、前年同期と比べ13.8%増加している。

米中貿易はアメリカの消費生活に密接に絡み合っており、関税が上がったとしても、そのまま消費者の負担増として吸収されてしまう分も多いのではないだろうか?
だとすると、アメリカ側の貿易赤字を減らすには時間がかかり、もっと大規模な関税をかける必要がありそうだが、消費者に対して、長期間、大きな物価上昇圧力をかけることになり、アメリカ国民からの同意を得にくいだろう。

また、2000億ドルの追加関税措置実施については10%に過ぎない。この程度であれば、元安や企業によるコストダウン、付加価値アップなどにより、吸収可能である。金額の大きさに比べ、実際の影響はそれほどでもないだろう。
加えて、2000億ドルの追加関税措置の実施にあたり、意見徴収が行われる。そのため早くても9月以降の発動である。11月の中間選挙が終われば、保護主義政策への圧力が弱まるとみるのであれば、米中貿易紛争の最悪期は過ぎ去ったとみることもできよう。

先週のNYダウは2.3%上昇しており、NASDAQ総合指数は13日、2日連続で過去最高値を更新している。NY市場も米中貿易紛争を織り込みつつある。

本土市場は底打ちした可能性が高い。

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16日の上海総合指数は0.61%下落、上値の重い展開!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

16日(月)の上海総合指数は安寄り後、一旦、先週末比プラスに戻す場面もあったのですが、その後は買いが入らず、下げてしまいました。前場の後半以降は狭いレンジでの値動きが続き、終値は0.61%安い2814.04ポイントで引けています。

米中貿易紛争について織り込んだようにも見えますが、上値が重い展開となっています。

20180716A.png

また、16日(月)の創業板指数は0.10%下落ました。

6月後半と7月上旬を底としたダブルボトムを形成できるかどうかといった感じですが、出来高が減ってきたのが気になります。

20180716B.png

また、16日(月)の上海50指数は1.13%下落しました。

7月上旬をボトムにリバウンドしていたのですが、上値が重くなっています。

20180716C.png

16日(月)日本時間11時、国家統計局は20184-6月期の成長率、6月の月次統計を発表しました。

20184-6月期の実質経済成長率は6.7%で、20181-3月期と比べ0.1ポイント低下、市場コンセンサスと一致しました。

しかし、6月の月次統計では、鉱工業生産が6.0%増で、前月と比べ0.8ポイント低く、市場コンセンサスと比べ0.5ポイント下振れしました。

固定資産投資は6.0%増で、前月累計よりも0.1ポイント低かったのですが、市場コンセンサスと一致しています。

小売売上高については9.0%増で前月と比べ0.5ポイント高かったのですが、市場コンセンサスと一致しています。

また、輸出(米ドルベース、以下同様)は11.3%増で、前月と比べ0.9ポイント低下、市場コンセンサスと比べ1.3ポイント上振れしました。

輸入は14.1%増で、前月と比べ11.9ポイント低下、市場コンセンサスと比べ、6.7ポイント下振れしました。

一方、貿易収支は4161000万ドルの黒字で、前月と比べ1738000万ドル増加しました。

全体を通してみると、見かけ上輸出は伸びていますが、米中貿易紛争を警戒して、アメリカ側の在庫の積み増しがありそうです。

インフラ投資に陰りが見えます。そうした中で企業は生産を落としています。かろうじて小売りが好調といった状況です。

どちらかといえば先行きに不安を感じる機関投資家が多かったことから上海50指数の下げが厳しかったのだろうと思います。

米中貿易紛争については、アメリカは710日、2000億ドル相当の中国からの輸入品に対して10%の関税を課すと発表、商務部は11日、国家の核心利益と人民の根本利益を維持し守るために、反撃せざるを得ないと発言しました。

厳しい措置のようにも見えますが、実施が9月以降になることから、中間選挙の日程を考えると、政策の応酬も峠を越えたように思います。

足元の軟調な値動きは、米中貿易紛争が原因というよりも、景気が鈍化するなかで、景気に配慮した政策がなかなか打ち出されないことに失望している面が大きいとみています。

預金準備率の引き下げなど景気に配慮した政策の発動が期待されるところです。

 

 

 

 

 

 

 

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中国株、下値探る値動き?!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

追加関税措置の限界!!

 アメリカは7月6日午前0時1分(北京時間正午12時1分)より、340億ドル相当の中国からの輸入品に対して25%の追加関税を課す措置を発動した。

対象は自動車、半導体、医療機器、産業機械など818品目。アメリカは中国製造業2025の重点投資分野から選別したというが、果たして中国企業への影響はどの程度なのだろうか?

この点について商務部の高峰報道官は5日、マスコミ向けに行った定例の記者会見で興味深いコメントをしている。

中国中央テレビ局の記者が、
「米中経済貿易関係はグローバルなサプライチェーンの中で非常に重要な組成部分となっており、アメリカによる追加関税措置は中国企業だけでなく、中国で生産活動を行う外資企業に対しても大きな打撃を与えるといった見方があるが、どのように考えるか?」
と質問した。

これに対して、「今回の対象となる品目をみると、200億ドル強、全体の約59%が外資企業の生産する製品であり、この中で、アメリカ企業の占める割合も相当分ある。
アメリカの今回の措置は、事実上、中国企業やアメリカを含む各国企業に対する追加課税である。今回の措置で本質的に打撃を受けるのは、グローバルの産業チェーン、バリューチェーンである」と発言している。

340億ドルにあたる部分については、アメリカ企業に対する影響が小さい部分が選ばれているはずだ。
トランプ大統領はこれから制裁領域を広げるつもりのようだが、500億ドル、2000億ドルと領域を広げた際、中国企業ではなく、アメリカ企業に対する制裁となってしまう部分がずっと大きくなるはずだ。

たとえば、今回、アップルが中国で組み立てを行い輸入しているスマホは対象となっていない。白物家電についても同様である。アメリカはこうした領域に追加関税を課すことはできないはずだ。
米中の企業間活動は密接に結びついており、引き離すのは難しいということだ。

あくまでそこを攻撃したいということであれば、トランプ大統領の本当の攻撃目標は中国企業ではなく、グローバルに活動するアメリカ企業ではないかと勘繰りたくなる。
トランプ大統領のアマゾン批判などを思い起こすと、そうしたうがった見方さえもが正しいのではないかと思えてしまう。

中国経済への影響はどの程度だろうか?

中国側は、アメリカ側の制裁の影響を打ち消すために、すぐさま、大豆、自動車など545品目、総額340億ドルのアメリカからの輸入品に対して25%の追加関税を課す措置を発動した。この点も考慮すれば、マクロで見た影響は小さいであろう。

中国人民銀行はアメリカの追加関税措置に関する試算結果を発表している。貨幣政策委員会の馬駿委員は6日、「アメリカが500億ドル規模の中国からの輸入商品に対して25%の追加輸入関税をかけた際の効果について、一般均衡モデルによって定量分析を行った。
それによると、GDPを0.2ポイント押し下げる効果がある。この推計は輸出の減少が関連する産業に対して与える波及効果を十分考慮して算出したものである。
500億ドル規模の貿易戦争が市場において議論されて2か月以上経過しており、経済、産業、企業に対する影響は基本的に、消化されており、現在の市場はやや過度な受け止め方をしている。
6日に、正式に追加関税の応酬が始まったとしても、資本市場や為替市場は大きな影響を受けることはないだろう」などと発言している。

6日の各国市場の反応をみると、上海総合指数、香港ハンセン指数、NYダウ、日経平均いずれも前日終値比プラスで引けている。人民元対ドルレートも、引けにかけて元高方向に戻している。

各国の投資家は比較的冷静である。トランプ大統領がやろうとしていることは、アメリカのグローバル企業への悪影響が大きく、また、報復により農業に対する悪影響が大きい。
この政策に反対する有権者が存在し、これ以上の制裁は、賛成する有権者の数を上回る可能性がぐっと高まるはずだ。

どこの市場においても、見方は同じである。ここから一段の下げがあれば、そこは絶好の買いのチャンスになるだろう。

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9日の上海総合指数は2.47%上昇、自律反発!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

9日(月)の上海総合指数は高寄り後、終日買いが先行する相場となりました。終値は先週末比2.47%高の2815.11ポイントで引けています。

6日(金)の前引け前に201631日以来の安値となる2691.02ポイントを付けています。そこからリバウンドが始まっているのですが、出来高はあまり増えていません。

20180709A.png

また、9日(月)の創業板指数は2.64%上昇しました。

6月後半は底這い状態となりました。7月初旬に小さなリバウンドがありましたが、先週後半は下げています。チャートを見る限りでは、値固めの状態です。

20180709B.png

また、9日(月)の上海50指数は2.86%上昇しました。

こちらは先週、値固めが進み、この日は、力強くリバウンドしました。

20180709C.png

76日(金)、北京時間正午121分、アメリカは340億ドル相当の中国からの輸入品に対して25%の追加関税を課す措置を発動しました。

トランプ大統領は直前になってこれを取り消すのではないかと期待する向きもあったのですが、事前に報道されていた通りの内容で、実際に実行されることになりました。

しかし、市場では、嫌気してさらに売られるのではなく、イベント通過で自律反発となりました。

9日(月)、好材料がありました。

中国証券監督管理委員会は78日、中国国内で働く外国人、A株上場企業における海外勤務もしくはストックオプションを持つ外国籍の従業員に対して、A株証券口座開設の許可を検討しているといった話が市場に広がりました。

市場開放が進むことで、外国人の買いが増えるとの思惑から大型株が買われました。これが、上海50指数が大きく買われた要因だと思います。

上海総合指数はチャートだけを見ていると、このままリバウンドが続きそうな感じもしますが、出来高が増えていません。現段階では、買い手が大きく増えて上がったのではなく、売り手は減って上がったといった段階です。

また、トランプ大統領は先週、2週間以内に残りの160億ドル相当の輸入品についても追加関税をかける可能性があるとしています。

米中を含め世界各国はグローバルなサプライチェーン、バリューチェーンを形成しています。

特に米中企業の業務の結びつきは密接です。

追加関税をかけることによって両者を引き離すのは困難で、両方にとってデメリットとなります。

有権者の厳しい審判の目にさらされるトランプ大統領は、なんでも好き勝手にできるわけではありません。

ですから、この問題については、長期的にはそれほど悲観していません。

ただ、短期的にはトランプ大統領の次の政策に対する警戒感があり、自律回復するとしても、それほど強い動きにはならないとみています。

 

 

 

 

 

 

 

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米中貿易紛争は戦争に変わるのか?

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

人民元安誘導が対抗措置のひとつ!!

このところ人民元が急落している。

人民元対ドルレート基準値を見ると、今年の最高値は4月2日の1ドル=6.2764元で最安値は6月29日の6.6166元。この間、5.4%もの人民元安となっている。特に下落の目立つのは19日以降でこの間、3.0%人民元安となっている。

20180705_tashirojinnminngen.png


この要因に関して、本土のマスコミではおおよそ次の3点を挙げている。

1.ドル指数が上昇した。

2.FRBは6月に利上げを行ったが、中国はこれに追従せず、逆に預金準備率の引き下げなどを行い、市場に資金を供給した。

3.米中貿易摩擦が激化した影響で、中国における貿易黒字が縮小し、景気減速懸念が高まった。1~5月の貿易黒字は26.8%減少、第1四半期の経常収支は、ほぼ15年来の赤字となっている。

アメリカの金融政策、トランプ大統領が仕掛ける保護貿易政策が原因だと言わんばかりである。確かにそうした面もあるだろうが、やはり当局による人民元安誘導がうまくいっていることも主な要因の一つであろう。

為替決定メカニズムについて、細かい点の変更はあるものの、基本的な枠組みは2005年7月に行われた為替制度改革から変わっていない。
中国人民銀行がその日の取引が始まる前に発表する基準値に対して一定の値幅の範囲内において、市場参加者は自由な取引を行うことができるといった制度がそのまま温存されている。

一見すると、株式市場におけるストップ高、ストップ安制度と似たような感じにも受け取られ、変動相場制と変わりがないのではないかと思うかもしれない。
しかし、取引が始まる前に発表される基準値が、市場実勢とは逆に動いたとしたら、市場参加者はどう感じるだろうか?

例えば、人民元が日中の取引で値幅制限一杯まで買われたとすると、その後は中国人民銀行が一方的に市場介入することになり、それ以上人民元は上がらない。
その翌日、前日の終値が基準値となるなら、自由な取引とほぼ同じであるが、前日と同じ水準に基準値が設定されたとすればどうだろうか?
そこまで極端ではないにしろ、中国人民銀行は基準値を前日の終値に対して上げ下げすることで、市場参加者の意思決定に大きな影響を与え、結果的に効率よく為替市場をコントロールすることできる。

もっとも、基準値の決定メカニズムは中国人民銀行の任意というわけではない。建前上は、市場の需給関係を十分考慮し、通貨バスケット制を参考にしてそれを調整して決定しているとしている。

しかし、その後の動きをみると、通貨危機の際には人民元を一定水準に保つようにした。人民元の自由化、国際化を進めようと、ある時は前日の終値を重視した。
また、ある時は為替の安定を重視するために通貨バスケット制の値を重視した。結果的に、中国人民銀行は、その時の経済情勢に応じ、巧みに基準値の決定メカニズムを変え、適切に為替レートをコントロールしてきた経緯がある。

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今回はどうかといえば、人民元安が進む中で、前日の終値に対して、基準値がそれを加速させる方向で動いているわけではない。
ただし、中国側の説明からわかるように、市場ではドル買い、人民元売りに需給が傾く中で、中国人民銀行はそれを食い止めるような動きはしていない。

中国では、個人に対しては、留学や海外にいる親類縁者に対する特例があるものの、基本的には年間5万ドル以上の外貨を売買できない。企業に関しては、事業にかかる送金は基本的に自由だが、金融取引などに関しては原則禁止されている。
実質的な為替管理についても、その時々で厳しくなったり甘くなったり大きく変化する。昨年は、外貨取引の監督管理が厳しくなった。その結果、昨年から今年の3月にかけては人民元高に誘導されている。

もともと、本土の長期資金は中国経済に対して楽観的で、ドル買い需要は少ない。
習近平国家主席が政権の座についてからは、徹底した汚職撲滅運動が行われたことで、資産保全のために法的にグレーな資金が海外に流出したが、そうした動きは既に落ち着いている。
今問題になるのは、短期的にドル高人民元安が進みそうだということで、人民元売り、ドル買いに走るといった投機であるが、監督管理が強化されたことで、法の網を潜り抜けて資金を流出させるのは難しい。
投機筋の動きさえ抑え込めるのならば、当局にとって人民元安は、輸出産業を下支えするという点で望ましい政策である。

トランプ大統領は7月6日より340億ドル相当の追加関税措置を実施するとしているが、中国人民銀行は場合によっては、さらなる人民元安誘導で、トランプ大統領をけん制する可能性がある。

中国側にはこうした報復措置がある。トランプ大統領が中国に対して厳しい保護貿易政策をとることは難しいであろう。

 

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