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21日の上海総合指数は0.39%安、新型コロナ感染者数増加を嫌気!!

2022/11/21

中国株投資家の皆さん、こんにちは。

21日(月)の上海総合指数は安寄り後、一旦売り込まれたのですが、下値は堅く、後場に入ると戻り歩調となりました。

ただ、先週末比プラスまで戻すことはできず、終値は0.39%安の3085.04ポイントで引けました。

セクター別では、通信設備、農業、電力設備、医療機器、中薬、自動車部品などが買われました。

一方、教育、レジャー施設・旅行、空港・空運、不動産、証券、保険などが売られました。

21(月)の創業板指数は0.10%安となりました。

21日(月)の上海50指数は1.25%安となりました。

上海総合指数は寄り付きから売られていますが、新型コロナ患者数の急増が悪材料として意識されたとみています。

20日における発病ベースの本土新規感染者数は2277人、無症状ベースでは24547人でした。

13日と比べ、発病ベースでは530人、無症状ベースでは10222人増えています。

20日は2人の死者も記録しています。

広東、重慶、四川、河南、北京、山西で発病ベースの感染者数が100人を超えています。

吉林ではわずか6人ですが、主要都市では厳しい防疫措置がとられています。

そちらのゼロコロナ政策の実態は詳しくわかるので、簡単に紹介しておきます。

まず、外出時はすべての住民がスマホに健康状態を示すアプリをいれておかなければなりません。

もちろんマスクは付けなければならず、それも日本で使われている普通のマスクではだめで、医療現場で使われる防疫能力の高いものの着用が義務付けられています。

PCR検査については、すべての住人が24時間以内に1回の検査を受ける必要があります。

受けなければ、外出禁止となってしまいます。

マンション区内にはもれなく検査場が設置されているので、検査自体は簡単です。

スマホに健康コードを示すアプリを起動させて、それで本人確認した上で、口内を綿棒で数回なぞられるだけです。

PCR検査場は町中至ることろで開設されているのでそこで受けても良いのですが、PCR検査は10人まとめて1本として検査するシステムなので、前後の10人の中に感染者がいると後が面倒です。

ですから、だれが前後にいるかわからない街中で検査するよりは、マンションで検査をする方が安全だと考える住民が多いようです。

各店舗では、出入り口で健康コードアプリを起動させて、それを見せなければなりません。

24時間以内にPCR検査を受けていて、かつ、感染してないことが確認されてはじめて中に入ることができます。

こうした一連のゼロコロナ政策はこちらでは徹底されています。

ちなみに、中国ではスマホは必携、テンセントの微信は必須です。

そもそも、現金で買い物する住民はいません。

スマホは財布に等しく、決済の面でも必携です。

実際に感染が確認されれば、即日、濃厚接触者とともに隔離されるため、このシステムがしっかり稼働している限り、防疫の能力は極めて高いと言えそうです。

今後、グローバルに新型コロナよりも強力な疫病が流行しても、想定しているかどうかはわかりませんが、他国からの何らかの生物兵器による攻撃があったとしても対応できるだろうシステムを国家レベルで構築しているということです。

ただ、このシステムが稼働している間は、対面型の小売、レストランが受けるダメージは小さくありません。

電子商取引あるいは出前などで補える部分があるとしても、それは一部であり、全体の消費に対しては比較的大きな下押し圧力がかかるでしょう。

新型コロナの新政策が打ち出され、景気への影響は以前よりは小さくなったとはいえ、再流行の程度次第では、再びマイナス成長に陥るリスクも頭の中に入れておいた方が良いかもしれません。

株式市場の評価はどうかと言えば、現段階では、売買代金は増えておらず、新型コロナ感染拡大を嫌気して売りが出ているといった状況ではなく、買い手が出てこない状態、つまり、様子見の投資家が増えていて、それで下げているといったところだと思います。

また、21日の上海総合指数の日足をみる限りでは、比較的長い下ヒゲが出ており、地合いはそれほど悪化していません。

先ほど示したように、ゼロコロナ政策によって強力な防疫システムを構築しており、患者数の増大、感染地域の拡大につれて、ゼロコロナ政策の強度も変わってくるので、全国的なコントロール不能の蔓延状態は起きないだろうといった見方が本土市場のコンセンサスではないかと思います。

感染状況と当局による景気拡大政策が相場の流れを大きく左右する状態が続いています。

ただ、当局の監督管理の徹底によって、本土市場は押し目形成中だと考えています。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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