たっしーが教える、中国株なら俺に聞け!! tashiro

31日のハンセン指数は1.06%安、PMI悪化で売られる!!

2022/03/31

中国株投資家のみなさん、こんにちは。

31日(木)のハンセン指数は安寄り後、薄商いの中、売りに押される展開となりました。

終値は1.06%安の2万1996.85ポイントで引けました。

31日(木)の中国企業指数は1.10%安で引けました。

参考として、2022年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。

足元の景気見通しは予想以上に悪化しています。

31日現地時間9時30分に公表された3月の官製・製造業PMIは49.5で前月から0.7ポイント悪化、市場予想よりも0.4ポイント低い結果となりました。

中国物流購買連合会は、「多くの地域で流行している新型コロナ、ロシアのウクライナ侵攻による政治的な衝突といった要因から、供給側にショックがあったこと、エネルギー、原材料などの調達コストが上昇したこと、需要が収縮したこと、企業家の将来に対する見通しが悪化したこと」などをその要因として指摘しています。

もう少し具体的なところでは、「輸入原材料の供給がひっ迫気味なこと、新型コロナ禍の影響で物流部門や就業面に影響が出ていること」なども指摘しています。

グローバル経済ではアメリカのインフレ動向が大きな関心事となっていますが、中国のアメリカ向け輸出がどうなっているのか、価格がどうなっているのかなどが気になるところです。

新規受注は48.8で前月と比べ1.9ポイント悪化していますが、新規輸出受注指数は47.2で、前月と比べ1.8ポイント悪化しています。

3月のアメリカ向け貿易統計は悪い数字が出そうな感じですが、どうでしょうか。

3月14日のブログで、長春市に関するゼロコロナ対策の詳細を書きましたが、3月31日現在も、状況は変わりません。

友人は相変わらず、PCR検査や、食料調達を除き、マンションから外には出られない状況が続いています。

今週は、各地方から無償で届いた野菜などの援助物資を複数の地元スーパーが高額で庶民に販売していたことが明るみに出て、大問題になっています。

感染が拡大している地域は今のところ点在しています。

3月30日現在の本土新規感染者数は1803人でした。

この内、長春市が997人、吉林市が333人など吉林省全体で1340人となっています。

上海も多く、浦東新区で252人、上海市全体で355人となっています。

日本の報道と違うと思われるかもしれませんが、この数字は実際に発病している患者数です。

無症状の本土感染者数は6651人で、上海市だけで5298人となっています。

こうした状況で、上海市でも厳しいゼロコロナ対策が取られています。

しかし、とても奇妙な対策です。

この日の死亡者数はゼロでした。

客観的にみて死亡者数ゼロで、なぜこれほどまでに強烈な対策を行わなければならないのでしょうか。

持論として政策的に供給を抑え、アメリカへの制裁返しをしているのではないかと思うのですが、知り合いの中国人たちは皆、この見方には否定的です。

ゼロコロナ対策を実施しなければ感染拡大が止まらず、いずれ死亡者数も増える、だからゼロコロナ対策が必要だと考えているようです。

しかし、現状だけをみれば死亡率、重症化率は明らかにインフルエンザ程度か、それ以下です。

その点については、普通のインフルエンザにはない変異のしやすさ(変異株の多さ、出現の速さなど)を考えれば、ゼロコロナ対策は必要だと考えているようです。

少なくとも、知人たちやその周りの人々の”世論”から判断する限り、住民の間からゼロコロナ対策への大きな批判はないようです。

ただ、金儲け主義の地方スーパーは激しいバッシングをうけているようですが。

いずれにしても、世界的なコロナ対策は、歴史的な感染対策といった観点からも、極めて異様だと思います。

コロナにはもっと深い闇(たとえばロシアが発表した説など)があるのかもしれません。

このゼロコロナ対策は、今後の中国経済や、輸出動向を通してグローバル経済に影響を与えかねないと考えています。

深セン市、上海市といった沿岸の輸出基地が集中的にゼロコロナ対策を打ち出さなければならなくなれば、選択的に輸出産業がダメージを受けてしまいます。

ただ、食糧などの生活物資や、内需系重厚長大産業は内陸に点在しているので、感染が全国に拡大しなければ、比較的内需系産業は抵抗力があるように思います。

いずれにしても、経済統計、特に産業間、地方間の動向に注目です。

冒頭のPMIの話に戻すと、景気悪化懸念が強まっており、目標成長率達成が早くも困難になってきました。

2020年の時のように、一気に厳しい対策を行い、短期間で流行を押さえつけることができれば、その段階で、すぐに景気対策、具体的には新型インフラ拡大政策とか、リベンジ消費活性化策とか、新型エネルギー自動車への優遇政策とか、ある程度数字の取れそうな政策が出てくるでしょう。

ですから、マーケット見通しは強気です。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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