中国株投資家のみなさん、こんにちは。
28日(木)の香港ハンセン指数は安寄り後、一旦前日比プラスに戻す場面もあったのですが、すぐに売りに押されて下落、後場に入り少し戻しはしましたが不安定な相場が続き、終値は0.72%安の23132.76ポイントで引けています。
28日(木)の中国企業指数は0.17%安となりました。
参考として、2020年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。
この1週間の4指数の動きをみると、NYダウ、TOPIXは新型コロナウイルス肺炎の感染拡大がひとまず落ち着き、経済活動の再開が進んだことなどを好感して、上昇しています。
一方、上海総合指数、ハンセン指数はいずれも下げています。
どちらかと言えばハンセン指数の方が、下げは厳しくなっています。
両指数ともに、22日(金)に大きく下げており、その後、戻りの弱い状態が続いています。
要因は全人代の内容にあります。
25日(月)のブログで紹介したように、今年の経済成長率の目標を設定できなかったこと、景気対策に目新しいものがなく、安定を強調する内容であったこと、そして、国家安全法の制定です。
香港では、この国家安全法の制定が特に嫌気されています。
全人代は28日(木)、香港国家安全法の制定方針を採択して、閉幕しました。
この方針では、「外国勢力による香港への干渉に断固反対し、必要な措置を採り反撃する」としています。
香港特別区政府首任律政司の染愛詩司長は、記者の取材に対して、「国家安全は中央が主管することであり、同時に香港基本法第12条に照らし合わせ、特区は中央政府によって直轄されており、中央は香港に対して全面的に管理制限する権利を持つ」と発言しています。
中国側は、国家分裂、政府転覆を行わない限り、自由は損なわれないとしていますが、香港の主要投資家で香港に出先を持ち、自由放任主義を前提に営業活動を行っている外資金融機関などは事業環境が変化してしてしまうのではないかと懸念しています。
トランプ大統領は26日(火)、記者会見を通じて、中国が香港国家安全法の施行を強行すれば、週末までに強力な制裁を科す可能性があると発言しています。
アメリカの中国に対する強硬策は、新型コロナウイルス蔓延に対する責任追及から、華為技術、ハイテク企業に対する制裁、そしてこの香港国家安全法制定に対する反対に至るまで、幅広い分野に広がっています。
金融面では人民元安が進行しており、これがさらに進めば、両国衝突の火種は更に増えることになります。
中国側の態度は首尾一貫しており、態度を軟化させることはないでしょう。
トランプ大統領の次の一手が注目されます。