中国株投資家のみなさん、こんにちは。
本土市場、外部、内部要因ともにネガティブ!!
本土株が売られている。
上海総合指数は1月29日の場中で高値3587.03ポイントを付けた後下落トレンドとなり、6月22日の場中で安値2837.14ポイントを付けている。
ちなみに、前者は2015年12月28日以来の高値、後者は2016年6月24日以来の安値である。週足チャートをみると、5週連続で下げている。
創業板指数は場中ベースで2015年1月6日以来の安値、上海50指数は2017年7月11日以来の安値となっている。歴史的な水準からいえば、大型株よりも、小型材料株の下げが厳しいと言えよう。
最大の要因はこれまでも再三指摘してきた通り、米中貿易紛争の激化である。
トランプ政権は15日、中国製造業2025を批判、関連する製品を含む1102品目、500億ドル相当の輸入製品に対して25%の追加関税をかけると発表した。
まず、第1段として340億ドル相当分について、7月6日より追加課税を実施。残りの160億元に対しては、さらに評価を行ったうえで実施すると発表した。
これに対して中国側は直ちに対応策を発表した。
財政部は16日、「国際法基本原理に照らし合わせ、"中華人民共和国対外貿易法"、"中華人民共和国輸出入関税条例"などの法律・法規・規定・国際法の基本原則に基づき、
関税税則委員会はアメリカからの659品目、500億ドル相当の輸入製品に対して25%の関税をかける。
このうち、農産品、自動車、水産品など545品目約340億ドル相当分については7月6日から課税を開始し、化工製品、医療設備、エネルギー製品などその他の製品品目と、その実施時期については別途公表する」と応酬した。
トランプ大統領は18日、中国側の報復措置に対して、さらに2000億ドル相当の輸入製品に対して10%の追加関税を課すと警告した。
これに対して商務部報道官は18日、「このような高圧的で恫喝するような威圧的なやり方は、米中双方による多数に渡る協議合意に反しており、国際社会に対して大きな失望を与えている。
もし、アメリカが理性を失い、追加輸入課税リストを公表するようであれば、中国側は、数量、質を合わせた総合的措置を取り、強力な反撃をせざるを得ない」などと反発している。
両者の主張は全くかみ合っていない。中国側の報復は、トランプ大統領が自分の支持基盤となる中西部農村地区に大きなダメージを与える。
輸入物価が上昇し、輸出、消費が鈍化、景気が減速するといったリスクがある。加えて、アメリカの株価下落につながりかねない。
トランプ大統領が仕掛ける保護貿易政策は口先だけで、実際に行わないだろうと考える投資家もいるが、トランプ大統領が一向に態度を改めないばかりか、強固な政策を打ち出す気配を見せていることで、
強気の投資家が少しずつ弱気に転じることで、本土市場は下落トレンドが発生しているといえよう。
もっとも、本土の情報を見る限り、中国政府が景気への配慮よりも、長期的な構造調整を重視するといった姿勢を変えないことも株価下落の要因だといった分析も散見される。
先週紹介したように、5月の経済統計は貿易を除き、軒並み前月の伸び率を下回りかつ、市場コンセンサスを下振れしている。
金融統計をみると、5月末のM2伸び率は8.3%で前月末と同じ。5月の人民元新規貸出純増額は1兆1500億元で前年同月を405億元上回ったが、社会全体の総融資純増額は7608億元で前年同月を3023億元下回っている。
両統計の差は、銀行勘定ではオフバランスとなる理財商品などが縮小していることによるものとみられる。当局は、景気に対して配慮することなく、構造問題の解消を進めており、そのために結果的に金融が引き締め気味となっている。
"金融レバレッジを縮小させ、構造改革を実施、イノベーションが駆動する発展モデルへの転換を進めることが何よりも大切である。中国は景気減速に対して十分な抵抗力がある"。
当局がそのような政策スタンスならば、投資家のリスク許容度は小さくならざるを得ない。これも、本土市場下落の要因の一つであろう。
外的要因、内的要因ともに、すぐには解消されることはなさそうだ。しばらくの間、本土市場は下値を探る動きとなる可能性がありそうだ。
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