中国株投資家の皆さん、こんにちは。
29日(月)の上海総合指数は安寄り後、大きく戻す展開となりました。
終値は0.04%安の3562.70ポイントで引けました。
セクター別では、新型コロナ検査薬、医療機器、炭素繊維、煙草、ナトリウムイオン電池関連、国防軍事工業などが買われました。
一方、空港・空運、レジャー施設・旅行、ホテル・レストラン、不動産などが売られました。
29日(月)の創業板指数は1.00%高となりました。
29日(月)の上海50指数は0.01%安となりました。
先週末のNYダウは▲2.53%下落しています。
この急落を受けて、ハンセン指数は▲0.95%、TOPIXは▲1.84%、韓国総合株価指数は▲0.92%、台湾加権指数は▲0.24%安とそれぞれ売られています。
こうしたアジア各国の株価指数の動きと比べれば、上海総合指数の下げはごくわずかです。
オミクロン型の変異株を巡り、各国が入国規制などの緊急対応を始めていますが、そうした状況について、本土市場でもしっかりと報道されています。
セルサイドからは関連のレポートがたくさん出ています。
中国は厳しい入国管理を続けているし、国内の対策も相対的にうまくいっているので、変異株が国内に蔓延するリスクは小さいといった見方が大勢を占めています。
国際的には経済回復の速度は緩やかとなり、インフレの鎮静化、金融引き締め政策への懸念の後退などから、国際株式市場は大きく調整しないとか、サプライチェーンにおける中国の重要性が再度クローズアップされとか、どちらかと言えば楽観的な評価が目立ちます。
ただ、当局は不動産バブルに対する抑制政策であるとか、ハイテク企業に対する監督管理の強化などを変更してくるとは思えません。
本土の金融政策自体はやや緩和気味にシフトするといった見方は変わらないですし、創業板指数が上昇していることからわかる通り、中小型ハイテク株には資金が流入し、また回転しています。
上海総合指数は下値の堅い動きが続き、緩やかな上昇トレンドが出るとみています。
個別セクターでは、新型コロナ禍再燃を意識した動きとなりました。
新型コロナ検査薬、医療機器といったところが買われた一方、空港・空運、レジャー施設・旅行、ホテル・レストランなど、おなじみのセクターが売られました。
ナトリウムイオン電池関連が買われるなど、新エネルギー自動車関連に資金が流入しています。
ハイテク関連では、半導体であったり、メタバースであったり、新エネルギー関連であったり、テーマはいくらでもあります。
引き続き、ちょっとした材料に反応し中小型材料株が循環物色されるといった展開が続きそうです。
それにしても、今回のオミクロン型、どの程度の感染力で、どの程度の毒性なのか、現在どの程度の患者がいるのか、具体的な情報がありません。
ただ、変異の箇所がたくさんあるので危険だということで各国政府、マスコミは大騒ぎしています。
またワクチンを打てという話になるのでしょうか。
その内また別のタイプの変異種が出てくるのではないでしょうか。
延々とこれを繰り返すのは止めて欲しいところです。
それにしても、原油先物が急騰しかけて、アメリカのインフレが制御できなるリスクが大きくなりかけたところで、都合よくオミクロン型が発生しました。
景気抑制、インフレ鎮静化、長期金利の低下といったアメリカに都合の良い見通しとなりました。
株は下がっていますが、債券市場の方が金融市場における重要性は高く、金利が下がり、市場の安定が保たれるということは望ましいでしょう。
株の方は早晩、戻るのでしょうか。
景気減速懸念はいうまでもなく株式市場への悪材料ですが、インフレ懸念、金利上昇懸念の後退はそれ以上に大きな好材料です。