中国株投資家の皆さん。こんにちは。
31日(月)の上海総合指数は僅かに安寄りした後、前場は利益確定売りに押される展開となりました。
しかし、後場に入ると売りが一巡、上昇に転じ、終値は0.41%高、3615.48ポイントで引けました。
セクター別では、医療機器サービス、バイオ医薬、国防軍事、半導体・部品、飲料(白酒)などが買われました。
一方、空港・空運、ホテル・レストラン、レジャー施設・旅行などが売られました。
31日(月)の創業板指数は2.38%高となりました。
31日(月)の上海50指数は0.41%高となりました。
先週の上海総合指数の動きをみると、25日(火)に急騰、その後は高値圏でのもみ合いが続いています。
31日(月)の動きなどをみると、前場弱かったのですが、後場から戻し、高値引けです。
中小型株を代表する創業板指数の強い動きをみれば、投資家心理が楽観に傾いてきたことが分かります。
相場が一変したのは25日(火)からですが、この日、人民元高が大きく進みました。
人民元高が進んだ理由については27日(木)のブログで触れました。
少し整理して、書き加えておきます。
新型コロナウイルスをいち早く抑え込むことに成功した中国は主要国の中では際立って景気の回復が顕著です。
中国の生産力は昨年後半には既にほぼ完全に回復しています。
一方、世界の主要国は昨年来、強烈な需要刺激策を打ち出し続け、景気悪化を食い止めてきましたが、その効果が出ています。
加えて、ワクチンの普及により、景気、特に消費に酷く悪影響の出る新型コロナ対策をやらなくて済むようになりました。
供給側の回復よりも、需要側の回復の方が早いので、当然輸入が増えます。
こうしたメカニズムで供給力の豊富な中国から全方位的に輸入が増えています。
中国側から見れば輸出が増えています。
輸入も増えてはいるのですが、輸出の増え方の方が強いので、貿易収支は黒字基調となります。
経済貿易面から人民元に対する需要が強ければ、その先高観から金融面、つまり、株式、債券などへの潜在的な需要も高まります。
アメリカの対中強硬策についてですが、新型コロナの起源問題で、アメリカがCIAを使い再調査させるといったバイデン政権の発表に中国は強く反発しています。
報復措置の一環として、人民元高圧力が強い中で、金融当局が人民元高を容認し、ドルに揺さぶりをかけようとしているのではないかと言った見方です。
理由はどうあれ、人民元高に引き寄せられて海外から資金が流入しています。
それを本土の個人投資家がやや過剰に反応し、リスクを取って勝負に来ています。
今の地合いはこんな感じだと思います。
この先の見通しですが、リスクもあります。
一つは、本土マスコミの中には人民元高を警戒する声も少なくないという点です。
当局は相場を上げることではなく、安定させることを政策目標としています。
もう一つは、新型コロナの変異種に関する懸念です。
広州市衛生健康委員会は30日(日)、5月21日~30日にかけての新型コロナ感染状況を発表しました。
それによると発病した感染者は5人、その他無症状の感染者が21人います。
彼らのすべてがインドの変異種に感染しているそうです。
31日(月)は、変異種の流行を懸念し、空港・空運、ホテル・レストラン、レジャー施設・旅行が売られ、医療機器サービス、バイオ医薬が買われています。
あれだけコロナウイルスをしっかりと抑え込んでいた台湾が今や、変異種の流行で大混乱です。
中国でも他の地域への広がりが観測された場合、相場への影響は免れないでしょう。
高値追いには注意が必要です。