中国株投資家のみなさん、こんにちは。
31日(木)の香港市場は正月休暇を前に前場だけの取引となりました。
前日は2.18%高、日足は大きな陽線を付け、寄り付きも高寄りしたのですが、半日立ち合いで市場参加者は少なく、小さな値動きとなりました。
終値は0.31%高の27231.13ポイントで引けました。
31日(木)の中国企業指数は0.71%高となりました。
参考として、2020年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。
4指数の比較チャートはちょうどこの1年間の値動きを示しています。
これをみると、直近の上海総合、NYダウ、TOPIXは100を超えており、年初より上昇していることが分かります。
この3指数では殆ど差はありません。
ちなみに、TOPIXではなく日経平均と比べると、最終取引日は上海総合指数を少し上回るところまで上昇しています。
31日の上海総合指数は終値ベースで年初来高値を更新しました。
グラフでは上海総合指数が一番上にあり、本土市場は強かったと言えなくもないですが、2015年6月12日の高値からは33%安く、2007年10月16日に記録した過去最高値からは43%も安い水準にあります。
過去最高値更新基調が続くNYダウ、約30年ぶりの高値を更新した日経平均などと比較すると、まだ物足りない上昇度合いです。
ファンダメンタルズをみれば明らかに中国の回復ぶり、日米の厳しさが目立ちます。
ワクチンの効果を織り込んでいるからだといっても、変異種が現れるなど、見通しの不透明感はぬぐえません。
結局、株価はファンダメンタルズよりも、需給要因を強く受けるということがよりはっきりとわかる1年でした。
ハンセン指数のデータを書き忘れていました。
過去最高値は2018年3月21日の33484.08ポイントなので、現在の株価はそれよりも、19%安い水準となっています。
香港市場は欧米機関投資家が主要なプレイヤーなので、彼らの投資行動にその値動きは大きく影響を受けます。
彼らのグローバルアセットアロケーションの影響もありますが、もっと単純に彼らの"懐具合"、つまり資金量の影響が強いでしょう。
本土では共産党が株価の急騰急落を嫌い、バブル化を抑えるように管理しています。
そうした管理の影響とは無縁の香港市場は欧米の影響を強く受けるから過去最高値が比較的近い時期にあるということです。
過去最高値更新後は、米中関係の緊迫化、香港民主化問題、本土の人権問題などが影響して、アメリカ市場ほど香港市場は強くありません。
その悪影響が緩和されるかどうか、バイデン政権の政策が気になるところです。
ただ、それ以上に、アメリカのQEは永遠に続けられるのか、金融政策の正常化に向けた動きは出て来ないのか、さらに、それらを決定付ける景気回復の度合いがどの程度なのかなどの方が、より気になります。
ワクチンが効きすぎて景気の回復が予想以上に良すぎると、金融政策変更のリスクが高まり、株価は下がるかもしれません。
逆にワクチンが効かなかった場合、超金融緩和政策の継続が確かになるので、株価は上がるかもしれません。
一つ言えることは、ファンダメンタルズを意識しすぎると失敗しそうだということです。
今年も1年間、ご愛読ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。