中国株投資家のみなさん、こんにちは。
29日(月)の上海総合指数は安寄り後、終日売りに押される展開となりました。
終値は0.61%安の2961.52ポイントで引けました。
セクター別では医療機器サービス、種苗・林業、バイオなどが買われました。
一方、証券、保険、通信サービス、ホテル・レストラン、空港運輸などが売られました。
29日(月)の創業板指数は0.42%安となりました。
29日(月)の上海50指数は0.61%安となりました。
上海総合指数は端午節のため25日(木)、26日(金)は休場でした。
29日(月)は3営業日ぶりの相場となりました。
証券株が大きく売られましたが、これには材料があります。
本土メディアは27日(土)、権威筋の情報として、「中国証券監督管理委員会(証監会)は商業銀行に対して証券業務免許を与える計画である。大手行の中から少なくとも2行を選び、テストを実施する」と伝えました。
テストと称して、法律を改正せずに、正に試験的に特定の銀行に絞って、免許を与えてみて、上手く行けば順に範囲を広げ、後から法律を整備するといった中国では典型的なやり方です。
証監会の報道官は28日(日)夜、「市場に伝えなければならないような情報は、これ以上ない。投資銀行の質を高め、発展させるということは、国務院が徹底的に資本市場発展計画を策定するために必要なことである。直接金融における重要な担い手として、主体に幅を持たせ、拡大させるかもしれない。どのように策定を進めるかについては、いろいろな選択肢があり、現在検討中である。しかし、どのような方式をとるとしても、現在の業界の構造に対して大きなショックを与えるようなやり方はしない」などと説明しています。
とはいえ、既存の証券会社からみれば、競争相手が増えて、競争条件が厳しくなることには違いがありません。
大きな影響がないと証監会は言っているので、全銘柄ストップ安となるような過剰な反応があったわけではありませんが、同順花の証券セクター指数は▲3.33%安で、全66セクター中、最大の下落率となりました。
一方の銀行セクターは、▲0.43%安で上から22番目でした。
金利の自由化が進んだとはいえ、依然として高い収益力を維持している銀行にとって、投資銀行業務への参加がすぐに収益に結び付くといったわけではなさそうです。
しかも、テストからスタートするので、どこの銀行が選ばれるのかもわかりません。
投資家にとって、この材料で積極的に銀行株を買って行こうという感じにはなりませんでした。
売られたセクターの中身をみると、ホテル・レストラン、空港運輸など、新型コロナで影響を受けるところも目立ちます。
本土では28日(日)の新規感染者数は12人ですが、この内、5人は海外からの流入者で、7人はすべて北京で発生した患者です。
一時、北京市での感染拡大が心配されたのですが、だいぶと落ち着いてきました。
新型コロナ関連が売られたのは、本土での感染拡大リスクというよりも、アメリカ、ブラジルを中心に海外で新規感染者数が増えており、パンデミックが収まらないことへの懸念による影響ではないかと見ています。
本土の個人投資家の投資マインドを一番正確に表していると思われる創業板指数は6月に入り、強い上昇トレンドが出ていました。
日柄調整も必要でしょう。