中国株投資家のみなさん、こんにちは。
27日(木)の香港ハンセン指数は安寄り後、下げ渋る展開となりましたが大引けにかけて上昇、終値は0.31%高の26778.62ポイントで引けました。
27日(木)の中国企業指数は0.87%高となりました。
参考として、2019年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。
4指数の値動きをみれば一目瞭然です。
グローバル機関投資家のリスク回避姿勢が強く、NYダウの下げが厳しいですが、何といってもこれが、この1週間ハンセン指数が軟調であった最大の理由です。
アメリカは早くから中国からの入国を禁止したことで、これまで新型ウイルス肺炎の蔓延は食い止められてきたと見られていましたが、実はそうではないことが徐々に明らかになってきました。
アメリカ経済への影響が懸念されます。
一方、27日(木)の上海総合指数は0.11%上昇しており、こちらは底堅い動きが続いています。
流動性供給により株式市場に資金が流入、それが株価上昇の最大の要因です。
香港市場はこの流動性供給に関しては直接的な関連はほとんどないのですが、金融緩和や、中小零細企業への手厚い支援などによる景気の下支え効果については材料視されてします。
中国経済のファンダメンタルズへの不安が緩和されているので、NYダウ程には下がっていないということです。
27日(木)のハンセン指数は本土の引け後、大きく戻していますが、材料がありました。
この時間、国務院主宰のプレスリリースが行われましたが、中国人民銀行の劉国強副行長が会見し、先日行われた国務院常務委員会の決定に基づき、中小零細企業の生産開始を支援するための信用貸出を強化すると発言しました。
内容自体は、国務院常務会議の方針をより具体的にしただけなのですが、投資家が喜ぶ、"流動性を合理的に余裕のあるレベルに保つこと"といった発言が繰り返されました。
MLF、公開市場操作、SLFなどの金融ツールを総合的に用い、金融機関が企業の生産再開に必要な流動性をしっかりと供給し、社会融資コストを引き下げ、金融市場の安定を促進すると発言しています。
中国人民銀行が改めて金融緩和姿勢をはっきりと示したことで、投資家の間で安心感が広がりました。
新型ウイルス肺炎は、日本、韓国に加え、イタリアやアメリカでも感染拡大が懸念される事態となってきました。
世界経済における景気見通しの悪化は欧米機関投資家のリスク許容度の低下を通して香港市場に悪影響を与えるでしょうが、中国経済に関してはタイムリーで、強力な対策が打ち出されているので、相対的には安心感があります。
本土市場が持ちこたえていることもあって、香港市場は底割れを免れるだろうと見ています。