中国株投資家のみなさん、こんにちは。
28日(木)の香港ハンセン指数は安寄り後、戻り歩調となったものの上値は重く、終値は0.22%安の26893.73ポイントで引けました。
28日(木)の中国企業指数は0.55%安となりました。
参考として、2019年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。
前日のNYダウ指数は4日続騰、過去最高値更新が続いています。
28日(木)のTOPIXは、年初来高値近辺で引けています。
そうした中で、上海総合指数、ハンセン指数は低迷しています。
トランプ大統領は26日(火)、「中国との第一段階の貿易合意に向けた協議は完了に近い」と述べています。
閣僚クラスによる電話交渉が進展していることがこうした発言の背景にあります。
ですから、NYダウ指数は強い動きとなっています。
しかし、ハンセン指数、上海総合指数はこうした材料に対する反応はいま一つです。
トランプ大統領は27日(水)午後、香港人権法案に署名、法案は正式に成立しました。
アメリカは、一国二制度を前提に、関税などで香港を本土よりも優遇していますが、中国が一国二制度を守っていないのであれば、香港への優遇措置を破棄するとしています。
アメリカは今後、一国二制度が守られているかどうか毎年検証することになります。
また、香港の「基本的自由・自治」は守られているのか、人権は侵害されていないかについても、アメリカが判断するそうです。
こうした内容なので、中国政府は内政干渉だと強く反発しています。
この法案は上院では全会一致、下院でも賛成417、反対1といった圧倒的多数で承認されています。
ですから、トランプ大統領が拒否権を行使したとしても、3分の2以上の賛成があるので、大統領の決定は覆されてしまうのは必至です。
トランプ大統領としては貿易協議を優先させたいのですが、仕方なく賛成したといったのが現状です。
トランプ大統領は27日(水)の声明で、「習近平国家主席と中国、香港市民に敬意を表して法案に署名した」と発言しています。
中国商務部は28日(木)、定例のプレスリリースにおいて、米中貿易協議についての内外の記者からの質問に答えていますが、香港人権法案に関する具体的な発言はありませんでした。
法案が決まっただけで具体的な影響が起きているわけではないので中国側もこれ以上触れたくないというのが本音だと思います。
株価への影響として、米中貿易協議についてはそれほど心配していませんが、香港人権法案については心配です。
デモの拡大が懸念されます。
香港の若者がトランプ大統領、アメリカへの謝辞など示している限り、本土の反発が強まるのでそれほど心配はいらないのですが、もし、彼らが本土の若者との連帯を求めるような運動をはじめ、それが拡散するようなことになれば、共産党はあらゆることに優先させて、これを阻止することになるでしょう。
大きくはないのですが、そうしたリスクがあると内外の投資家が考えている以上、資金は流入しにくいでしょう。
香港市場はデモの鎮静化待ちです。