中国株投資家のみなさん、こんにちは。
29日(木)の香港ハンセン指数は安寄り後売りが先行する形となりましたが、下値の堅さが確認されると戻り歩調となり、大引けにかけて前日終値比プラスに転じています。
終値は0.34%高、25703.50ポイントで引けています。
29日(木)の中国企業指数は0.12%高となりました。
参考として、2019年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。
上海総合指数が細かい資本市場改革や経済構造改革などの発表で戻り相場になっているのと比べ、香港ハンセン指数は戻りが弱く、8月中旬以降は、TOPIX、ハンセン指数と似たような動きとなっています。
26日(月)の急落の要因は、前回のブログで書いた通りです。
トランプ大統領は8月1日、6月29日に開かれた米中首脳会談の合意を反故にする報復関税率の引き上げを発表しましたが、中国は23日大引け後、その報復として、追加関税率の再引き上げを発表しました。
それに激怒したトランプ大統領がすぐさま報復、オフショア市場では人民元安が進みました。
これらが急落の要因と考えています。
ただし、その後の香港ハンセン指数の動きをみると、上値は重い一方で、下値も堅く、売り買いが交錯した状態となっています。
もっとも、売買代金はそれほど増えておらず、どちらかと言えば様子見が強いようにも見えます。
アメリカでは債券市場で逆イールドが再び発生しており、景気見通しの悪化が鮮明です。
トランプ大統領のFRB批判は激しさを増しており、利下げ見通しが強まっていますが、一方で、FRBの独立性を維持すべきだといった声が、これまでのFRB議長経験者などから上がっており、必ずしもトランプ大統領の思い通りに金融緩和が進むと見切るわけにもいきません。
景気減速懸念が強まっていますが、それは、景気サイクルが終わりに近づいている中で、米中貿易戦争が激化しているからだとみられます。
貿易戦争が激化、ビジネス環境が悪化する中で、金融が緩和されたからと言って、誰が生産を拡大させるでしょうか、投資を拡大させるでしょうか。
トランプ大統領は、アメリカに生産拠点を戻すよう企業に"命令"しているようですが、製造業にとってアメリカは決して良い条件の国家ではありません。
いくら大統領だからと言って、そんなことを企業に強制することはできません。
トランプ大統領の行う対中強硬策による実質的な増税政策、FRBに圧力をかけての金融緩和政策といったポリシーミックスは、選挙対策には有効であるかもしれませんが、長期的に経済を健全に発展させるためには愚策です。
グローバル投資家の視線がそうした点に向かいつつある中、香港市場をはじめ、世界の株式市場は緊張に包まれています。