中国株投資家のみなさん、こんにちは。
28日(木)の上海総合指数は安寄り後、売り買い交錯となったのですが、後場に入ると、出来高が細る中、大型株を中心に利益確定売りに押され下落、終値は0.44%安の2940.95ポイントで引けました。
セクター別では、製紙、医療機器サービス、農業、薬品・バイオ、建材、採掘、自動車・自動車部品などが買われました。
一方、証券、保険、銀行、通信サービス、鉄道・道路輸送、空運などが売られました。
25日(月)に5.60%高と暴騰した後は、28日(木)までの3日間は高値圏で売り買い交錯となっています。
28日(木)の創業板指数は1.00%高となりました。
28日(木)の上海50指数は0.23%安となりました。
本土市場は22日(金)、25日(月)の急騰後、利益確定売りを吸収しつつ、持ち合い状態となっています。
上昇の要因は25日(月)のブログに書いた通りです。
簡単にまとめると、中国共産党が資本市場の育成を重要視する姿勢を示したこと、米中貿易戦争が停戦状態になる可能性が強まり、3月2日以降の追加関税率引き上げが見送りになったことの2点です。
25日(月)には、証券42銘柄全てがストップ高となるなど、投資家心理は大きく楽観に傾きました。
ただし、中国証券監督管理委員会(証監会)は26日(火)、証券会社による信用取引以外の方法で、ノンバンクなどから資金を借り入れて株式を購入するといった「場外配資」を厳しく取り締まると警告しています。
この場外配資は2014年11月から2015年6月にかけての株価急騰の背景にあったとされる取引です。
その当時、証監会は市場の混乱が原因で、内部の不祥事、トップの交代につながったという苦い経験もあり、素早い火消し活動開始となりました。
その効果があったかどうかは定かではないのですが、とりあえず、急騰は一旦、食い止められています。
本土では、「投資家心理が好転している時期の金曜日の相場は強い」といったアノマリーがあります。
それは、引け後に好材料となる政策が出て株価が上がってしまう機会損失リスクが、逆に悪材料が出て株価が下がるリスクよりも大きいと感じる投資家が多いからだと言われています。
3月1日(金)がどちらに出るのかで、現在の投資家心理の状態がわかるでしょう。
市場ではほとんど注目されませんでしたが、2月の官製・製造業PMIが発表されました。
結果は49.2で前月と比べ0.3ポイント低下、市場予想の49.5と比べ、0.3ポイント下振れしました。
景気判断の分かれ目となる50を3か月連続で下回っています。
細目指数をみると、新規輸出受注、輸入が50を大きく下回り悪化しています。
米中貿易戦争の影響が大きく表れています。
国内の回復で新規受注は改善していますが、原材料在庫、製品在庫はともに減っており、生産も悪化しています。
ただ、出荷価格、購買価格ともに上昇しており、需給は改善しています。
全体を通してみれば、景気は予想以上に悪いということですが、悪ければ悪いほど、政策の強度が上がると考えられるので、この結果を悪材料とは捉えてない投資家が多いと思います。
また、本土マスコミの報道から読み取る限りでは、米中貿易戦争については一旦、解決に向かっているとみる投資家が多いでしょう。
上昇相場はまだ始まったばかりだと考えています。