中国株投資家のみなさん、こんにちは。
A株投資、ニューエコノミー、消費、高齢化がキーワード!!
先週の上海総合指数は1.63%下落した。
日次でみれば22日には3月23日以来の戻り高値を付けたものの、それから3日続落となった。
米中貿易紛争については、今週、新たな売り材料が出たわけではない。
2回目の米中経済貿易協議が17日、18日の2日間の日程で行われたが、閉会後1日遅れではあったものの19日、共同声明が発表されている。習近平国家主席の特使として協議に出席した劉鶴副首相はメディアの取材に応じ、その内容を詳しく説明している。
要点はおよそ以下の10点である。
1.今回の米中経済協議における最大の成果は、「貿易戦争を行わず、相互に行っている追加課税徴収を停止する」といったコンセンサスを得たことである
2.米中双方は、エネルギー、農作物、医療、ハイテク製品、金融などの領域で貿易協力を強化する
3.中国は、アメリカから買うだけでなく、世界のどこからも買う。中国は第一回国際輸入博覧会を開くつもりで、世界各国からの参加を歓迎する
4.習近平国家主席は2018年ボーアオアジアフォーラムで、4つの領域において開放拡大を行うと発言しており、急いでそれを実行する
5.米中経済貿易関係の健全な発展は歴史における潮流と符合しており、だれもそれを妨げることはできない。今後両国関係が発展する中で、新たに屈折した関係、矛盾に遭遇するかもしれないが、我々は冷静に見極め、対話を堅持し、適切な処理を行う
6.効果的な措置を取ることで、米中貿易赤字を実質的に縮小させる
7.アメリカは農産品、エネルギーの輸出を有意義に増やすために、ワーキングチームを中国に派遣し、具体的な事項を検討する
8.製品、サービス貿易の拡大について討論を進め、ここで述べた領域の貿易に関するコンセンサスを増やすべく有利な条件を作り出す
9.知的財産権保護を高度に重視し、提携関係を強化する。中国側は特許法を含め関連法案・法規の改正業務を推し進める
10.双方向の投資を奨励し、公平な競争が行われる環境を作り出すよう双方が努力する
トランプ大統領は22日、米中協議の結果について「それほど満足していない」と不満を表明しているが、協議は引き続き行われる見通しで、6月2日から4日の日程でロス商務長官が訪中する予定となっている。
中興通訊への制裁については、解除に向けた話し合いが行われている。米中貿易紛争がことさら売り材料となった感はない。強いていえば、先週前半生じた楽観が後半、修正されたといった感じだ。
国際情勢に関しては23日、トランプ政権は安全保障を理由に自動車や自動車部品に追加関税を課す輸入制限の検討を始めると発表した。また、25日には、米朝会談の中止が発表された。
トランプ大統領のアメリカ第一主義は株式市場に対して不安定要因になっている可能性はあるだろう。
足元の国内経済については投資、消費ともに弱含みである。また、金融政策は金融リスクの縮小に重点が置かれたままである。
一方で、自由貿易試験区の改革実施など、トランプ対策として対外開放政策を加速させる動きもみられる。全体を通してみれば国内要因が大きな売り材料となっているわけではない。
そのほか、需給要因としては5月24日、A株の超大型ユニコーン企業である富士康がIPOを実施、規模は271億元に及ぶ。早ければ6月末にはアリババ、京東、百度がCDRを発行する予定である。
需給悪化懸念がある一方、6月1日からA株がMSCI新興市場指数の採用銘柄となることから、大型株には資金が入り易い状況が続いている。
バフェット氏が率いるバークシャーハザウェイは5月5日、2018年の株主総会を開催した。バフェット氏は"中国経済が発展できたのは中国人の潜在的なイノベーション能力が解き放たれたからである。
この数十年来に達成した発展は奇跡であり、バークシャーハザウェイ傘下企業は中国投資を拡大しようとしている。米中関係はウィン・ウィンの関係を実現できるだろう"などと発言している。
外資の中でもゴールドマンサックスなどはA株に強気な見方を維持しており、ニューエコノミーの勃興、消費の高度化、老齢人口の増加などに着目、関連銘柄に注目している。
長期投資家にとっては足元の調整は絶好の買いのタイミングであろう。
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