中国株投資家のみなさん、こんにちは。
30日(木)のハンセン指数は僅かに高寄りした後、前場は上値を試す動きとなりました。
もっとも商いは膨らまず、後場に入ると逆に売られたのですが、下値を売ってくる動きも見られませんでした。
結局、終値は0.11%高の2万3112.01ポイントで引けました。
30日(木)の中国企業指数は0.03%安で引けました。
参考として、2021年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。
香港市場の地合いは先週と変わりません。
香港の主要投資家である欧米機関投資家は、民営企業への規制が今後さらに強化されるのではないかと懸念しています。
共同富裕の促進を背景とした当局による格差の是正や、公平、公正に対するより一層の追求などが、利益の最大化だけを追求してきた民営企業に対してどのような影響を与えるのかまだよくわかりません。
利益至上主義に対する嫌悪感を強めている当局が、来年はどんな政策を打ち出すのか、どんなマクロコントロールをするのか気になるところです。
この日下げたセクターでは、教育、不動産といったあたりが目立ちました。
当局の規制強化を受けて、事業の転換、縮小を余儀なくされているセクターが下げています。
新東方在線科技(01797)は9.75%安、思考楽教育(01769)は6.12%安となりました。
特別、売り材料があったわけではありません。
ただ、連想売りが出たかもしれません。
アリババ集団(09988)は現在、ミニブログを運営するウェイボーの株式を発行済み株式総数の30%所有していますが、それを国有企業である上海文広集団に売却する交渉を続けているようです。
外電がある事情通の話として伝えています。
ただ、まだ交渉は初期段階で、成立するかどうかわからないそうで、関係者はいずれも、この件に関してコメントしていません。
なぜアリババ集団はウェイボーの株式を売却しようとしているのでしょうか。
アリババ集団が望んで売るような理由は見つかりません。
当局はメディア事業への国家コントロールを強めているのではないでしょうか。
社会全体が国有化の方向に進んでいるのではないかといった連想です。
教育に関しては正に当局がそのように結論付けています。
だから再び売られたのだとみています。
不動産も下げています。
中国恒大集団(03333)は9.09%安、広州富力地産(02777)は5.61%安と大きく売られています。
前者は米ドル債の利払いが遅れているといった報道がありました。
しかし、セクター全体で軟調なので、やはり当局の規制への懸念が売り材料として意識されたのではないかと思います。
上昇したセクターでは中医関連が目立ちました。
康臣薬業(01681)は6.63%高、健倍苗苗(02161)は6.38%高上昇しています。
また、本日上場初日を迎えたセンスタイム(000200)は公募価格に対して7.3%高で引けています。
投資家は弱気一辺倒というわけではありません。
当局が規制を強めているセクターばかりを気にしても仕方ありません。
逆に、当局が産業振興に力を入れようとしている分野に注目すべきです。
半導体であるとか、新エネルギーであるとか、電気自動車であるとか、そうしたセクターには、今後好材料が出てくる可能性が高いでしょう。