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田代尚機(たしろ・なおき)

TS・チャイナ・リサーチ代表。
1958年愛知県出身。大和総研勤務時代、北京に9年間駐在し、引受リサーチ、中国エコノミスト、中国株担当アナリストなどを担当。その後、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立。個人投資家、機関投資家向けに中国株投資に関する助言・情報提供などを行う。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。現在、マネックス証券で「田代尚機の注目5銘柄」を掲載中。その他、SBIサーチナ、日経CNBC、ストックボイスなど、メディアへの出演・寄稿多数。

【著書】
・中国株二季報
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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一帯一路戦略関連に注目!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

一帯一路戦略関連が買われる。

24日の本土市場では一帯一路戦略関連銘柄が買われた。

個別銘柄では、セメント・建材関連の青松建化(600425)、銀龍股フェン(603969)、上峰水泥(000672)、西部建設(002302)、建機の法蘭泰克(603966)、港湾運営の南京港(002040)、連雲港(601008)などがストップ高、
大型株では総合建設・エンジニアリングの中国建築(601668)が7.55%上昇した。

この日の上海総合指数は0.64%上昇、深セン総合指数は0.40%上昇したが、一帯一路関連が相場をけん引した。

好材料が2つほどある。

一つはアジアインフラ投資銀行(AIIB)の加盟国が大きく増えたといった話である。

マスコミ報道によれば、アジアインフラ投資銀行(AIIB)のオーロラ報道官は23日、「北京金融街のAIIB本部において、董事会を開催、13カ国・地域の新規加入を決定した」と発表した。これで参加国は70カ国・地域となった。

参加国・地域数は世界銀行に次ぐ規模となり、国際的な影響力は大きく高まった。一帯一路戦略を金融面から支持したり、中国の全方位的な対外開放政策を推し進めたりするのに有利である。

一帯一路戦略に関連する地域からは、アフガニスタン、アルメニア、フィジー、香港、東ティモールなどの5カ国・地域、非関連地域からは、カナダ、ベルギー、エチオピア、ハンガリー、アイルランド、ペルー、スーダン、ベネズエラなど8カ国が加入した。
これらの国・地域の加入によって、一面では資金規模を拡大させることができ、一面では参加国・地域の相互接続性を高めることができ、ウイン・ウインの局面に近づくことができる。

注意すべき点は、今年の政府活動報告において、一帯一路といった語句が5度使われており、国際的な生産能力面での協力関係を深め、中国の設備、技術、標準、サービスなどの輸出を推し進め、相互補完を実現すると強調していることである。
(24日、証券日報などより)

一帯一路戦略を実行する上で、資金面、具体的なプロジェクトの選択といった面において、AIIBは重要な役割を持っている。そのAIIBの規模が拡大した意義は大きい。

もう一つはボーアオ会議の開催である。

ボーアオ会議とは、毎年春先に海南省ボーアオ鎮で開催される国際会議であり、アジア、オセアニアの25カ国における政府関係者、企業経営者、学者などが参加し、アジア、オセアニアにおける共通の経済、社会問題を話し合うハイレベルフォーラムである。

今年は3月23日から26日の4日間の日程(開会式は25日)で開かれ、テーマは"直面するグローバル化と自由貿易の未来"である。いろいろな形で一帯一路戦略に関する話題が組み込まれている。
一帯一路戦略は中国主導ではあるが、地域全体の発展を目指すグローバルな戦略であり、各国の関心は高い。

先日発表された「一帯一路貿易合作ビッグデータ報告(2017)」によれば、2016年における中国とシルクロード沿線国家との貿易総額は9535億9000万ドルで、貿易総額の25.7%に達し、2015年と比べ0.4ポイント上昇している。
2015年以降、この比率は上昇傾向にある。

一帯一路戦略では、シルクロード沿線国家のインフラ設備建設が中心となるが、これは中国企業にとって大きなビジネスチャンスとなる。

インフラ建設需要に伴い、建設・エンジニアリング、セメント、鉄鋼、建設機械、通信設備、電力設備などのセクターが恩恵を受ける。また、貿易量の拡大によって、港湾、海運、商用車(トラックなど)などのセクターが恩恵を受ける。

一帯一路戦略は外交戦略上、シルクロード沿線国家を中国経済圏に取り込むといった目的を持ち、経済発展上、生産能力の過剰となった素材産業に対して大きな需要を提供するといった効果を持つ。

株式投資において、一帯一路戦略は今後数年間における最重要テーマの一つであり、息の長いテーマである。

参考.香港上場の主な関連銘柄は以下の通り

建設・エンジニアリング
中国建築国際(03311)、中国中鉄(00390)、中国鉄建(01186)、中国交通建設(01800)、中国冶金科工(01618)、シノペック煉化工程(02386)、中国機械設備工程(01829)

セメント・建材
安徽コンチセメント(00914)、華潤セメント(01313)、北京金隅(02009)、中国建材(03323)

鉄鋼
馬鞍山鋼鉄(00323)、アンガン・スチール(00347)

建設機械
中聯重科(01157)、ウェイチャイ・パワー(02338)、中国龍工(03339)

通信設備
中興通訊(00763)

電力設備
東方電気(01072)、ハルビン動力設備(01133)、上海電気集団(02727)

港湾
コスコ・パシフィック(01199)、大連港(02880)

海運
招商局国際(00144)、中外運航運(00368)、中国外運(00598)、中海発展(01138)、海豊国際(01308)、チャイナ・コスコ(01919)、太平洋航運(02343)、中海コンテナ(02866)

商用車
中国重汽(03808)

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27日の上海総合指数は0.08%安、高値圏でのもみ合い!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

27日(月)の上海総合指数は前場、上値を試す展開となったのですが、出来高が足りません。後場に入ると売りに押され、終値は前日終値比マイナスで引けています。

少し前からの動きを追ってみると、1月中旬を底値に上昇したのですが、2月後半以降、20161129日の場中で記録した3301.21ポイントをブレイクアウトできずに跳ね返されているといった状態です。

24日(金)に上昇したことで、27日(月)はブレイクアウトまで上昇率にして1%程度の位置に付けているといった状態です。

そうした相場の流れの中での高値圏のもみ合いとなっています。

20170327A.png

一方、創業板指数は27日、0.90%安となっています。

75日移動平均線に阻まれるような形で3月中旬以降、浅い押し目を作っています。

5日から75日の移動平均線の間隔は非常に狭くなっており、チャートは煮詰まっています。

20170327B.png

足元の景気は回復基調を示しており、構造改革が進んでいるといった安心感もあります。

また、社会保障基金、適格海外機関投資家、国内機関投資家などは、株価が下がれば底値を拾ってくるとみられることから、買い方有利の状況にあるとみています。

問題は、足元で悪材料が2つほどあるということです。

一つは不動産コントロール政策が強化されている点です。

北京、広州、佛山、中山、東莞、アモイ、鎮江、成都、滄州、句容、嘉興、長沙、廊坊などに加え、国家レベルの貧困県である安徽省臨泉県に至るまで、多くの都市で先週、不動産購入制限が開始されました。

中でも、北京では1週間に複数回の購入制限政策が打ち出されています。オフィス用物件を個人に売ってはならないといった史上最も厳しい政策が打ち出されています。

不動産に資金が流れていかなければ株式市場に流入するのではないかといった期待もあるのですが、それ以上に金融面で流動性が絞られるのではないかといった懸念の方が大きく、株式市場に対してはネガティブな話です。

もう一つは、金融政策が変更されるといった点です。

25日に行われた2017年ボーアオ会議の貨幣政策を主体とした分科会において、中国人民銀行の周小川行長は国際金融について、次のように発言しています。

「危機後の経済回復過程において金融緩和政策は必要である。金融当局はいくつかの金融ツールを創設し、構造性改革を支援したとはいえ、過度に金融緩和政策に依存することはできない。我々は、サイクリカルに見れば既に金融緩和政策の末期に到達しているのかもしれない。大衆や政策制定者がさらに理性的になれば、財政政策や構造性改革がこれまで以上に重視されるようになるだろう」などと発言しました。

世界的に金融政策が、緩和から引き締めへと変わりつつあるということ、中国も緩和から中立へと金融政策が変わっていくといったことを示唆しているので、株式市場にとってマイナスの話です。

もっとも、不動産コントロール政策にしても、金融政策の変更にしても、その背後にあるのは景気の良さです。

上海総合指数が悪材料を克服し、1129日の高値をブレイクアウトすることができれば、しっかりとした上昇トレンドが出るのではないかとみています。

一旦押し目となっても、景気を悪化させるほど金融政策が厳しくなるとは見ていません。下値は限られます。ここは買場だと考えています。

 

 

 

 

 

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本土市場、ブレイクアウトを試す展開!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

景気は適切にコントロールされている!!

1月、2月も景気は順調に拡大している。

まず、固定資産投資が大きく拡大している。2月累計の固定資産投資は8.9%増で、昨年の8.1%増と比べ0.8ポイント改善、市場コンセンサスの8.2%増と比べ0.7ポイント高かった。

tashiro_20170323.01.pngtashiro_20170323.02.pngtashiro_20170323.03.png製造業については、4.2%増から0.1ポイント上昇して4.3%増になっただけだが、交通運輸、倉庫、郵政事業が9.5%増から18.8%増、水利、環境、公共施設などは23.3%増から33.6%増に急増している。公共投資が好調である。
ただ、これについては、年末には予算を使い切り伸び率が鈍化し、年初は勢いよく伸びるといった傾向がある点に注意が必要である。

国有と民間の別では、前者が14.4%増で後者が6.7%増なので、依然として国有経済が景気をけん引している状態に変わりがない。
しかし、2016年と比べれば、前者は4.3ポイント鈍化しているが、後者は3.5ポイント上昇している。全体の60.4%(2月累計)を占める民間部門の回復が著しい点は今後の景気見通しに関して明るい材料だ。

不動産投資も好調である。2月累計の全国不動産開発投資は8.9%増で、昨年と比べ2ポイント高かった。

貿易については、輸出、輸入ともに大きく伸びている。1、2月累計の輸出(人民元ベース、以下同様)は11.0%増で12月と比べ10.4ポイント増えている。輸入については34.2%増で同じく23.4ポイント増えている。
外需も強いがそれ以上に内需が強い。貿易収支については2月単月では603億6000万元の赤字を記録したが、1、2月累計は2936億5400万元の黒字である。貿易収支に変調があるわけではない。

不安があるとしたら消費である。1、2月の小売売上高は9.5%増で、昨年12月と比べ1.4ポイント悪化している。ただし、この統計、毎年1、2月は前年12月と比べ大きく低下する傾向がある。
12年から16年まで、そのギャップを列挙すると、3.4ポイント、2.9ポイント、1.8ポイント、1.2ポイント0.9ポイントである。

tashiro_20170323.04.png

今年のギャップは1.4ポイントなので、この3年間では一番大きいものの、なぜギャップが生じるのかわからない以上、評価のしようがない。結局、足元の消費動向についてはこのデータではわからないということである。

こうした景気の現状に対して、金融当局はインターバンク市場の金利引き上げで対応している。景気の減速を懸念するのではなく、景気の過熱、投機の発生を懸念している。

中国人民銀行は16日、リバースレポ取引、MLFを行い、合計3830億元の資金を供給する一方、金利について一律10BP引き上げた。

金利引き上げについて、招商銀行の資産管理部の劉東亮シニアアナリストは、その要因として、次の3点を指摘している。
(1)リスクを防ぐためにレバレッジを縮小するといったこれまでの政策を実行した。ここ数か月の動きをみると、譲渡性預金が急増するような現象がみられ、依然として高いレバレッジが維持されている。再度調整が必要である。
(2)人民元対ドルレートの下落圧力、資本流出圧力を和らげるために、米中名目金利差を一定の適度な水準に保ちたいからである。
(3)上半期のマクロ経済見通しは良好である。全体的に政策効果は高いが、不動産市場の沈静化についてははっきりしない。さらに、ここ2か月の信用貸出純増額、社会融資純増額の増勢は衰えていない。
こうした状況で、資本コストを引き上げ、不動産市場、融資の過熱を抑えたいからである。

(2)については外的要因であるが、(1)、(2)については内的要因である。レバレッジの縮小が進まないのも、不動産市場が沈静化せず、信用創造が増え続けるのも、単純に言えば景気が過熱気味であるからだ。
極論すれば、景気がこれ以上拡大してほしくないと政府は考えている。

国務院発展研究センターの李偉主任は12日、両会部長交流会において、次のような景気認識を示している。

「構造調整は加速し、企業効率は明らかに改善している。中国経済が質、効率面でゆっくりと改善している。中国経済が大幅に下落するリスクは基本的に無くなった。
中国経済はL型成長における"縦"の部分を通り過ぎ"横"の部分に差し掛かっている・・・」

景気は当局によってしっかりと監督管理されており、安定度を増している。

 

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20日の上海総合指数は0.41%高、持ち直す!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

20日(金)の上海総合指数は高寄り後、売り買い交錯となったのですが、大引けにかけて買いが優勢となり、終値ベースでは0.41%高となりました。

少し前からの動きを追ってみると、313日(月)に下髭を付けてリバウンド、その後16日(木)は窓を開けて寄付き、少し大きめの陽線を付けています。この時点では、年初来高値を更新、20161129日の場中で記録した3301.21ポイントをブレイクアウトする寸前となりました。

17日(金)は高寄りしたものの、上値が重く、後場に入ると売りに押され始め、大引けにかけて失望売りも加わり、急落してしまいました。

20日(月)は、そうした弱気に傾きかけた中での下げ止まり、リバウンドとなりました。

20170320A.png

一方、創業板指数については20日、0.21%高にとどまっています。

75日移動平均線に阻まれるような形で3月中旬以降、浅い押し目を作っています。

5日から75日の移動平均線の間隔は狭くなっており、チャートは先週よりもさらに煮詰まっています。

20170320B.png

全国政治協商会議は13日(月)閉幕し、全人代についても15日(水)で開幕しました。

両会を通して明らかになったことは、成長率は高くならないが、経済の安定度は高まるだろうということです。

どちらかといえば、株式市場にとってはネガティブサプライズの多い両会でした。しかし、それが終わったということで、悪材料出尽くし感が生まれました。

アメリカFOMC 16日未明、利上げを発表したのですがそれに合わせ、中国人民銀行は16日、リバースレポ取引、MLFを行い、合計3830億元の資金を供給すると同時に、金利については一律10BP引き上げました。

この点も株式市場にとって悪材料なのですが、サプライズというほどではありませんでした。

しかし、具体的な好材料がない中、悪材料出尽くしだけで昨年1129日の高値を超えていくほど、地合いが良いわけではありません。

国家統計局は18日、2月における70大中都市住宅販売価格変動状況を発表したのですが、新築商品住宅では、前月と比べ、12都市で価格が下落、56都市で上昇、2都市で横這いといった結果でした。前月と比べると、下落した都市数は8都市少なくなっています。

南京、石家庄、北京などでは最近、不動産コントロール政策が強化されたのですが、その後、広州、保定、長沙、鄭州などでも新たな不動産コントロール政策が打ち出されています。

業界関係者は、「上半期における不動産価格の上昇の勢いは抑えられるだろう。購買制限の範囲は拡大し、政策執行の強度はさらに一歩強まるだろう」などと分析しています。

景気回復がはっきりとしてきただけに、下値は限られるでしょうが、しばらくの間は20161129日の高値が抵抗線として機能しそうです。

 

 

 

 

 

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本土市場、全人代閉幕で一旦リバウンド!! 

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。


今年も経済運営の大局は社会経済の安定確保!!

全人代が5日から始まった。

政府活動報告を見る限り、社会経済の安定確保が大局となっている。

tashiro_20170316.01.png

経済目標について、今年と去年を比べてみると、そうした点が明らかである。

まず、成長率であるが、昨年は6.5~7.0%が目標であったが、今年は6.5%前後に引き下げられている。
ちなみに、昨年の実績は6.7%である。これでは"成長率は緩やかに減速させることが望ましい"と言わんばかりである。

経済成長でもっとも重要なことは、雇用の確保であり、労働市場を完全雇用に近づけることである。
そうした観点から見ると、昨年の都市部新規従業者数の目標が1000万人以上で実績は1314万人、都市部失業率目標は4.5%以内で実績は4.02%という結果は十分満足できるものであった。

雇用面だけからいえば、6.7%も成長させる必要はなさそうだ。今年の目標は都市部新規従業者数が1100万人以上で昨年と比べて100万人増えているが、失業率目標は4.5%以内で変わらない。
新規従業者数の目標が100万人ほど引き上げられているが、昨年の実績と目標の間に大きなかい離があるために、大した意味はない。

目標成長率についてはなぜ6.5%にこだわるのか。

第十三次五カ年(十三五)計画において、2020年の国内総生産、都市・農村住民の平均収入を2010年の倍に引き上げると明言している。
全面的な小康社会を築くことは鄧小平時代からの大きな目標であり、十三五計画の基本理念である。それぞれの指標を10年で倍増させる計画はその具体的な目標となる。

習近平主席は、自らが十三五計画を解説した文章において、「実績を踏まえて計算すると十三五期間中の実質経済成長率は6.5%以上必要である」と明言している。6.5%成長はいわば、十三五計画の縛りである。

ある程度高い計画がなければ人は努力しない。しかし、その計画に科学的な根拠があり、加えて実現可能性が高くなければならない。その点で、6.5%成長はどちらかといえば理想主義的な面から発した数字なのかもしれない。

計画は、一度形にしてしまうと、達成できなかった時に責任問題となってしまう。その点が少し窮屈である。労働人口が増えなくなっており、
製造業において、欧米へのキャッチアップが一通り済んでいる中国では、5%程度の成長でも社会は安定するのではないかと考えている。

今年の計画に話を戻すと、財政政策について、赤字率目標は昨年と同じ3%である。赤字額は昨年よりも2000億元増えている。減税や政府の支出を抑えることで積極財政を続けるつもりである。

一方、金融政策では、M2増加率を昨年の13%前後から、今年は12%前後に引き下げている。実績が11.3%なので、実績に合わせたといえなくもないが、国務院は、不良資産、債券のデフォルト、シャドウバンキング、インターネット金融などにおけるリスクの累積を警戒している。
金融監督管理体制改革を推し進め、突出したリスクを秩序立てて解消、処理し、金融秩序を整理・規範化し、堅牢な金融リスクの防火壁を作るとしている。
昨年11月以降、インターバンク市場金利は上昇しつつあり、春節前後にはSLF、MLF金利が引き上げられている。金融政策は緩和から中立に向かいつつある。

政治活動報告では、今年の経済運営方針を貫くために把握しなければならない点としていくつかの点が挙げられている。重要な部分を要約すれば以下のとおりである。

第一に、「穏中求進(安定の中で長期的な改革の前進を求める)」といった経済運営の全体的な基調を貫き、戦略の決定力を保持する。

経済を安定成長させ、雇用を保ち、リスクを防ぐことに注力し、金融の安全性、民生保障、環境保護などの各方面の最低ラインをしっかりと守り、社会経済の大局的な安定を確保する。

そうした安定確保を前提とした上で、改革を深く推し進め、経済構造調整を加速し、改革の困難な部分にも果敢に挑戦し、カギとなる領域で新たな進展が得られるよう努力する。

第2に供給側改革を推し進めることを持って、"主線(大きなアウトライン)"とする。

供給側の構造改善を主要な目標とし、政府機能を簡素化し、減税を行い、民営企業に対して参入障壁を緩和し、新産業の勃興を鼓舞し、引き続き末端の経済主体の活力を高め、効果のない供給を減らし、有効な供給を拡大し、
さらにしっかりと市場のニーズに合わせ、潜在的なニーズを引き出す。

第3に総需要を適度に拡大させ、その有効性を引き上げる、第4に創造性を発揮し新産業を育てることで、経済成長の新旧エンジンを交換し、経済構造の最適化レベルを引き上げるといった項目がくる・・・。

これらの内容からはっきりとわかることは、成長を追い求めず、経済社会を安定させる。投機を排除しバブル発生を防ぎ、経済の無駄を省き、構造改革を進める。その上で、景気に配慮し、イノベーションを加速するといった順序である。

本土株式投資を考えれば、今年は投機家にとっては物足らないかもしれないが、長期投資家にとっては、下値が限られるだけに、絶好の仕込み時期となりそうだ。

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