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田代尚機(たしろ・なおき)

TS・チャイナ・リサーチ代表。
1958年愛知県出身。大和総研勤務時代、北京に9年間駐在し、引受リサーチ、中国エコノミスト、中国株担当アナリストなどを担当。その後、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立。個人投資家、機関投資家向けに中国株投資に関する助言・情報提供などを行う。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。現在、マネックス証券で「田代尚機の注目5銘柄」を掲載中。その他、SBIサーチナ、日経CNBC、ストックボイスなど、メディアへの出演・寄稿多数。

【著書】
・中国株二季報
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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上海総合指数、2017年末は3800ポイント?

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 中国株投資の皆さん、こんにちは。

 来年の本土市場はどうなるのだろうか?

 本土のほとんどの投資家は「景気が良くなる見通しがあれば株を買い、悪くなるようなら株を売る」といったような考え方をしてくれない。主観を排し、「株は上がり始めたから買い、下がり始めたから売る」といった行動を取る人が多い。

 また、いろいろな方面で当局の介入が多い。だから、ほとんどの投資家が当局の姿勢を注視しながら株取引を行っている。

 当局は資本市場の健全な発展を望んでいる。バブルを発生させかねない投機行為、違法行為を厳しく取り締まる一方で、安定した相場形成がなされるよう投資家構造を多様化させようとしている。

 良くも悪くも当局の政策が株価の方向を決めるといって良いだろう。

 今年の相場を振り返ってみると、当局の政策が株式市場にどのような形で影響したのかよくわかる。

 昨年の上海総合指数は年初に急落。その後、急落分を少しずつ取り戻すといった相場であった。

 年初来高値は、今年最初の取引日である1月4日の寄付き直後に記録した3538.69ポイント。また、最安値は1月27日の安値2638.30ポイントである(ただし、12月23日現在)。

 わずか、17営業日で1年分の変動幅を記録している。出来高合計を見る限り、機関投資家も含め、多くの投資家が逃げきれなかったはずである。ここを上手く切り抜けられたかどうかで今年の投資収益は大きく差がつきそうである。

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 急落のきっかけは1月4日から始まったサーキットブレーカー制度である(ただし、導入されたのはわずか4日間だけで、1月8日には運用停止となっている)。

 サーキットブレーカー制度とは、急激に株価が変動した際に取引を自動的に止める制度である。まず、上海深セン300指数(CSI300)が5%変動した場合、上海、深セン市場の全銘柄の取引を15分間停止する。再開後、7%変動した場合、その日の取引を停止するといったシステムである。

 この制度導入の目的は株価が急変した際、投資家に冷静になる時間を与え、株価を安定させることにある。しかし、こうした効果はアメリカでの話であり、中国においては安定させるどころか大きく不安定化させてしまう。中国の投資家構造はアメリカとは大きく異なるからである。

 アメリカには高速取引を繰り返すヘッジファンドからバイ&ホールド型のバリュー投資を行う機関投資家まで幅広い層の投資家が存在する。"一方が売れば一方が買う"、あるいは"下がれば買い、上がれば売る"といった行動をする投資家が十分に存在する。

しかし、中国の投資家はそうではない。本土市場では多数を占める個人投資家や個人が預ける資金を運用する私募ファンド、公募ファンドの運用者たちは一様に短期志向である。ファンダメンタルズを軽視し、テクニカル分析、需給や材料を重視する。また、"下がれば売り、上がれば買う"。本土市場は本質的に不安定である。

 上海深セン300指数の値動きは早く、わずか5%で取引が停止してしまうようでは、損切、見切り売りの警戒レベルを引き上げざるを得ない。また、15分の取引停止は投資家を落ち着かせるどころか、異常心理が拡散するのに時間を与えてしまう。それに後2%下がったらその日、取引できなくなるのでは、誰でも売りたくなるのは当然である。

 昨年10月以降、相場は急落からの自律回復過程にあり、12月下旬はそうした戻り相場が一段落しつつあった。その上に、いくつか悪材料があった。

(1)IPO制度がこれから登録制に変わり、需給悪化が起きそうなこと
(2)7月に行った大株主、企業の取締役、監査役、高級幹部に対する売買禁止措置の期限が到来し、大量の売り物が出てきそうなこと
(3)人民元安が進んでおり、流動性が不足しそうなこと
(4)季節要因として、春節前は例年、流動性が不足すること
などである。

 少し整理してまとめると、急落後の自律回復が一段落したところにいくつかの悪材料が発生した。そのタイミングで本土市場では株価形成を不安定にしかねないサーキットブレーカー制度が導入されたことで、大惨事となったのである。

一旦下げ止まった後は、徐々に投資家心理は回復、上げ下げはあったものの、緩やかな上昇トレンドが形成されている。

 そうした中で、当局は下値で買ってくれて、その後長期保有してくれそうな保険会社や、長期投資目的の事業会社などに対して、規制、取り締まりを緩くしたり、社会保障資金の株式市場参入を推し進めたり、深港通サービスを開通させ海外からの資金を導入したりするなど、資本市場改革の名のもとに、株価下支えを行った。それが底割れを防ぎ、相場の安定につながった・・・。

 このように当局の関与による相場への影響が大きい以上、来年の相場を予想するためには、まず、当局が何をしようとしているのかを考える必要があるだろう。

 足元では、機関投資家の投資行動について、監督管理を強化せざるを得ない状況となっている。

 これについては、投資家側に問題がある。
 
 保険会社は、当局による株式投資に対する規制緩和や監督管理の軟化などを商機と考え、生命保険商品ではありながら、保証利回りの高い商品を積極的に販売した。万能保険(ユニバーサル保険)といった「生命保険に投資信託を組み合わせたような商品」を各社こぞって売り出した。

 もっとも、これだけで終われば、当局が熱望する長期投資家の育成につながる良い話である。問題は、一部の生命保険会社がこの運用資産で以て親会社の敵対的買収や、株価を釣り上げて高値で売るといった投機の道具としたのである。

こうした乱暴な経営を行う経営者に生命保険事業をやらせてしまったこと、早い段階で抑制できなかったことは、当局の責任である。

 証券会社にも問題がある。あくまで社員(国海証券)の不祥事ではあるが、社印を偽造し、大きなレバレッジをかけた上での債券取引を行ったことが発覚した。

しかし、これは特定の証券会社による不祥事というよりも、現先取引を使って大きなレバレッジをかけて行われる国債取引が横行しているという事実が改めて浮き彫りにされたことに重大な意味がある。

 証券会社においては、2014年後半から2015年前半にかけての大相場で、当局が監督管理を強化したにもかかわらず、リスク管理を怠り、顧客に対する信用取引を急拡大させてしまったといった経緯もある。

 銀行はいくら当局が監督管理を厳しくしようとも、相変わらず理財商品で荒稼ぎしようといった動きが止まらない。理財商品とは投資信託商品である。金利の自由化に加え、景気低迷による資金需要の鈍化、インベストメントバンカーとしての技量の不足などから、中堅以下の銀行では経営環境が厳しくなっている。

 そうした中で、安易な高利回り商品を開発、手数料ビジネスを拡大しようとしている。高利回りの追求は高リスクの運用を増やすことになる。

不動産業者向けの貸出や与信能力の低い住宅購入希望者に対するリスクを度外視した貸出を行ったり、現先を使った国債取引や、短期的な利益を追求するような株式投機を行っている機関もある。コンプライアンス上、問題があるようなオペレーションをするところが多いということである。

 自由化、規制緩和にはこうした大きな弱点がある。監督管理のレベルが実態に追いつかないのである。

 今年も、"自由化⇒金融機関の暴走⇒監督管理の強化⇒金融機関の業績失速⇒自由化・・・"といったサイクルの中で、株価のその動きにそって変動しそうである・・・。

 来年の予想について。

 少し厳しく書きすぎた感がある。ここで示した問題は今に始まったことではない。以前からずっと存在する問題である。また、政治的な要因から来年は、当局の株価下落に対する寛容度が小さくなるとみている。

上海総合指数は年内、或いは1月上旬には底打ちすると予想している。さらに、当局はその後も金融機関の暴走を何とか食い止められるといった前提に立ち、来年の上海総合指数の動きを予想すれば以下の通りである。

2017年2月に3300ポイント、7月に3600ポイント、12月には3800ポイントに達すると予想する(ここで示したのは天井で、これらの間では一旦、押し目形成)。

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注)
・3月上旬の全人代開催前に一旦ピークを付ける
・メーデー休暇明けあたりから政策発動が増え上昇へ
・夏から秋にかけてはテクニカルな調整
・国慶節以降は政策期待から上昇へ
(TS・チャイナ・リサーチ予想)

一応、具体的な数字を示してみたが、足元の押し目がどこまで深いのかによって1月の起点が違ってくる。

どんな結果になろうとも、当局の政策、監督管理がすべてのカギを握っているといった状況に変わりはない。

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26日の上海総合指数は0.40%上昇、自律反発!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

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26日の上海総合指数は先週末終値比0.47%安で寄り付いた後に急落、一時は1.34%安まで売り込まれました。しかし、売り一巡後は下値の堅さが確認されると自律反発となりました。

日足はほぼ高値引け、終値は3122.57ポイントで0.40%高となりました。

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創業板指数も、日中足は上海総合指数と同様の値動きとなりました。終値は1974.01ポイント、0.48%高で引けています。

両指数ともに、寄付きは下げているので、朝から材料があったわけではありません。

また、売買代金を見ると、上海市場では減少、創業板市場では微増にすぎません。場中で物色が進まなかったということから、日中においても特別な材料はなかったといえるでしょう。

この日の値動きは自律反発だと判断できます。

この先どこまで反発は続くでしょうか?

26日の上海総合指数終値は75日移動平均線あたりまで戻しています。本土投資家が相場判断の分かれ目として意識することの多い60日移動平均線はまだ、20ポイントほど上にあります。314050ポイントあたりまでは自律反発が期待できそうです。

もっとも、これから太陽暦の年末、旧暦の年末(128日)を控えており、流動性資金がひっ迫しやすい状態です。

今週は11月累計の一定規模以上工業企業利益が発表されるぐらいで、ファンダメンタルズに関する重要な発表はありません。

政策面では、かつて年初のタイミングでインパクトのある政策が出たことがありますが、年末は通常、材料が出にくい状態となります。

今週は仕掛けにくいところです。

もし、上海総合指数が大きく回復する可能性があるとすれば、12月の下落相場で最大の要因となっている保険資金による株式大量保有問題で何らかの進展があることでしょう。

そうした関連情報がない限り、様子見の展開が続きそうです。

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中国ではなぜ人民元安は悪材料なのか?

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 中国株投資家のみなさん、こんにちは。

 対ドルレートでは人民元安が進んでいる。

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 少し大きな流れでみると、2015年7月の月中平均でみた人民元対ドルレート基準値は1ドル=6.1167元であったが2016年11月は6.8375元であった。この間、11.8%のドル高・元安となっている。

 足元で見ると、アメリカ大統領選の結果が明らかになる前日である11月8日の基準値は6.7817元であった。12月16日は6.9508元で、この間2.5%のドル高元安となっている。アメリカ利上げ前である12月14日と16日とでは0.7%のドル高元安である。

 円ドルレートの動きを見ると、11月8日の終値は1ドル=105.14円で、12月16日の終値は117.98円である。この間、12.2%ものドル高・円安が進んでいるわけだが、株価の反応を見ても、マスコミ、経済界の意見を聞いても、円安は明らかに株高の要因であり、経済見通しの改善を促す大きな要因である。ならば、人民元安も株価、経済にとって好材料となるのではなかろうか?

 貿易面では説明の余地はないだろう。短期的なJカーブ効果を除けば、人民元安は輸出を伸ばし、輸入を減らすことで貿易黒字を拡大させる。2015年における中国の貿易依存度は33.3%(グローバルノートより)で世界第178位だが、日本の28.1%(第189位)よりは高い。

 細かいことを気にすれば、加工貿易の状況、輸入エネルギーの依存度、輸出商品の競争力など、いろいろなことに注意を払う必要が出てくるが、「人民元安が景気(貿易収支の拡大)にとってプラスに働くか、マイナスに働くか」だけを問うならば、明らかにプラスであろう。

 中国は対外債務が多いので、ドル高人民元安は利払い負担増となり、経済に悪影響を及ぼすといった見方がある。本当だろうか?

 2015年末における中国の対外金融資産は6兆2189億ドル、対外負債は4兆6225億ドルである。多額の対外債務があるがそれ以上の資産がある。対外純資産は1兆5965億ドルに達している。ドル高は中国にとって資産の増加を意味する。

 日本・財務省の統計では、日本における2015年末の対外純資産残高は339兆2630億円で世界最大あった。ちなみに、第2位はドイツで195兆2360億円、第3位は中国で192兆3726億円であった。

 巨額の対外純資産残高を持つ日本においては、ドル高・円安がもたらすメリットは、貿易面よりもストック面(資産評価益の発生)の方が大きい。同じ観点からドル高・人民元安の影響を評価すれば、中国においても好材料と評価すべきだろう・・・。

 しかし、話はそう簡単ではない。
 
 2015年第4四半期から2016年第2四半期までの4半期ベースの国際収支状況を見ると、貿易、サービス、所得移転などの収支を示す経常収支は大幅黒字を維持している。しかし、資本・金融収支については、赤字が大きく、国際収支は2016年第2四半期を除きマイナスであった。

 しかも、統計で把握できない資金流出(誤差脱漏)が大きく、外貨準備高は減り続けている。

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 本土投資家はQDII滬港通、深港通などを通して、海外証券投資が可能であるが、決して自由ではないし、総量ベースで国家のコントロールを受けている。にもかかわらず、2016年第2四半期の証券投資は経常収支の額を超えている。直接投資については、長らく黒字が続いていたが、ここで示した2015年第3四半期からの4四半期では3回、資金流出となっている。

 資本・金融収支の項目についてもう少し詳しく見ると、目立つのはその他投資である。貨幣・預金、貸出、その他資産への投資といった形で大きな資金の流出が起きている。

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 これらに当局の把握しきれない資金流出(誤差脱漏)が加わり、外貨準備高の減少が続いている。

 いろいろな形で資金が流出しているわけだが、日本でも為替の面だけを考えれば、資金は流出しやすいはずである。結局、ドル高がポジティブになるのも、ネガティブになるのも、すべては投資家の投資姿勢にあるのではなかろうか。

 日本では、将来ドル高が続くと予想、実際に円を売ってドル資産を買いに出る投資家はどれほどいるのだろうか?

 東京では不動産投資が活発となっており、株式市場は足元で大きく上昇しているとはいえ、預金金利は限りなくゼロに近い。なぜ日本人は預金を引き出したり、借入を起こしたり、不動産、株を売ったりして資金をねん出し、金利が高くて、通貨の価値の上がりそうな海外に資金を移そうとしないのか?

 中国人は外部環境の変化に敏感で、かつ、積極的に利益の最大化を図ろうとする。たとえ、法的にグレーな方法であっても果敢に投資・投機をしようとする。

 中国の金融問題は本質的なところですべて繋がっている。たとえば今話題となっている理財商品問題は、背景に現先取引を使って過度にレバレッジをかけた債券運用にある。昨年の株価バブルは法的に問題のある場外融資(証券会社の信用取引以外の形でノンバンクが投資家に高いレバレッジで資金を提供する)が蔓延したことが一因である。

 不動産バブルも同様だ。潜在的な住宅需要が大きいことを背景に、法律の網を潜り抜けても大きなリスクを取って投機を行おうとする人々が絶えない。それを商機ととらえて積極的に販売しようとする不動産会社、資金を貸し出す金融機関がある。こうした点が日本とは全く異なる点である・・・。

 ややネガティブに書きすぎてしまった。現段階では、資金流出が中国経済に大きなダメージを与えるほどかといえば、それほどでもない。

 外貨準備高が足元で減少しているが、2000年から2014年第2四半期あたりまでは人民元上昇圧力が強く、外貨準備高は増加の一途をたどった。この間の外貨準備高の累積増加額はそれ以降の累積減少額の7倍以上である。10数年も資金流入圧力に耐えた後、資金流出圧力がかかるようになったわけだが、そうなってからまだ2年しかたっていない。

 中国人は自国の経済や通貨に信頼を置いてないからだと考える方もいるようだが、長い間、資金流入圧力にさらされてきたことからわかるように、ほとんどの中国人はそんなことを意識していない。

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 2015年末時点の中国の外貨準備高(金を含む)は3兆4052億5300万ドルで世界第1位である。第2位の日本は1兆2330億9800万ドルに過ぎない(データ:グローバルノート)。2016年11末現在では、中国の外貨準備高は3兆1410億8800万ドルある(中国人民銀行HP)。

 外貨準備高はドル資産だけで構成されているわけではない。ドル高による他通貨の目減り分があることも考慮すれば、11か月で10%にも満たない減少は大した額ではない。そもそも現状でも中国の外貨準備高は不必要に多すぎる。GDP比でみても、日本より大きい。

 また、中国では、資本・金融取引は当局の厳しい監督管理下にある。管理を強化すれば資金流出はコントロールできる。為替相場にしても、人民銀行が介入する以外にもコントロールする方法はいくらでもある。人民元安、資金流出に関する経済・金融リスクをことさら心配することはない。

 16日に閉幕した中央経済工作会議の内容を見ると、「重要ポイントとして、不動産市場の安定的で健全な発展を促進する、金融リスクを防ぎ、コントロールする」などといった文言がある。

 今後当局は資金流出の背景にある海外への投機・投資を抑制し、金融機関のレバレッジを縮小させようとするだろう。為替相場では外部環境がどうなろうとも実質的に通貨バスケット制が維持され、株式相場では当局が急騰を防ぐ一方、下落局面では長期資金の導入を促すことで、安定が保たれるだろう。

 中国経済・金融に関する来年のキーワードは管理の強化であり、安定である。

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19日の上海総合指数は0.16%下落、底値を探る展開!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

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19日の上海総合指数はわずかに安寄りした後、終日狭いレンジでの持ち合いが続きました。12日(月)に急落した後も、戻りは弱く、75日移動平均線にかろうじて支えられているといった値動きです。

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創業板指数については安寄り後、買いが集まらない中で下げ続け、0.89%安で引けています。14日(木)の寄付き直後から戻りかけていたのですが、19日の下げで、こちらも再び底値を探る動きとなっています。

今回の下げは保険会社による株式大量保有問題に対する監督管理強化が最大の要因となっています。当局が違法行為を行った保険会社に対して行政処分を下し、業界全体の監督管理について「通知」などを発表すれば、市場はこの材料を織り込めるのですが、現在はまだその段階にはありません。

太陽暦の年末、農歴の年末において、企業、個人が契約の区切りとしたり、借入の返済期日としたりすることが多いので、どうしても資金需給がひっ迫しがちです。

政策期待が高まり、買い手掛かりが出てくれば、相場は活気づくのですが、肝心の中央経済工作会議の内容は、どちらかといえばネガティブサプライズとなってしまいました。

会議では、「中国経済には突出した矛盾や問題が依然として存在する。生産能力過剰や需給構造のレベルアップに関して矛盾が突出しており、経済成長における内生する成長動力が不足している。金融リスクが幾分累積しており、一部の地域では困難が増加している。こうした問題について、我々は高度に重視し、継続して努力することで解決していかなければならない」などと指摘しています。

重要ポイントは、1.「穏中求進(安定を前提とした中での進歩)」を経済運営の全体的な基調とし、カギとなる領域については進展させる、2.総需要、総供給の関係について新たな動的均衡を実現させる、3.農業の供給側構造性改革を推進させる、4. 実体経済を大きく振興させる、5.不動産市場の安定的で健全な発展を促進する、6.企業家精神を保護する、7.金融リスクを防ぎ、コントロールする、8.都市、農村が協調して発展を進めるなどです。

国務院においては、成長よりも構造改革を優先させる姿勢が強く見られ、金融機関に対する管理強化が懸念されます。

悪材料がフェードアウトするにはもう少し時間がかかりそうなので、今週も本土市場は底値を探る動きと予想します。

 

 

 

 

 

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本土市場、押し目継続か?!

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 中国株投資家のみなさん、こんにちは。

 保険商品に問題発生!!

 再び理財商品リスクが高まっている。

 保険会社が販売する万能保険(ユニバーサル保険)において、一部の保険会社の運用方針について法令違反の疑いが高いとして、当局は取り調べを始めた。

 保険会社は万能保険といった「生命保険に投資信託を組み合わせたような商品」を販売している。

 たとえば、平安保険のホームページをみると、"知悦人生"といった商品が紹介されている。(注.ちなみに、平安保険に問題があるわけではない。あくまで、万能保険の例がわかりやすく書かれているので例として挙げているだけである)。

 この商品では、生命保険部分について、癌、傷害、入院などの特約内容や保障額を自己で設計したうえで、理財部分については、保証利回りについて、低(1.75%)、中(4.5%)、高(6%)から選ぶといった仕組みになっている。

 形の上では、一般の生命保険と同様に毎年決まった額の保険金を払うのだが、収益部分が大きいので積立預金や投信のような感覚で投資できる。

 2014年9月から販売が解禁されたようだが、今年に入ってからは伸び率が鈍化しているようだ。とはいえ、1~10月における保険投資口座残高の純増額(ほとんどが万能保険の理財部分による投資純増額)は1兆500億元で74%増加している。1-3月では214%増で、それと比べれば増加率は鈍化しているものの、依然として高い伸び率であり、また、相当な金額である。

 こうした商品は欧州では非常に多く販売されている。ここまでの話におかしなところはまったくない。

 問題は保険会社の運用にある。

 ここで視点を変えたい。

 本土不動産業界のトップ企業である万科企業(深センA株000002、深センB株200002、H株02202)が、敵対的買収に見舞われている。



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  2015年7月、姚振華氏が100%権益を所有する深セン市宝能投資集団有限公司(宝能)が万科企業の株式買占めを開始、8月には発行済み株式総数の15.04%を取得。一旦、華潤股フェン有限公司(華潤)を抜き、筆頭株主となった。9月には華潤に抜き返されたが、その後、株を買い増し、12月には22.45%を取得、再び筆頭株主に返り咲いている。

 万科企業の王石会長はこの時点で、正式に「宝能が大株主になることを歓迎しない」と発言。安定株主(安邦財産保険安邦人寿保険など)を引き込み、買占め阻止に動いた。

 その後、万科企業は企業リストラ案をめぐり華潤と衝突、華潤に宝能が加担したことで、リストラ案は廃案となっている。

 さらに、宝能は臨時株主総会を要求、王石会長以下7名の取締役の解任などを求めたものの、今度は華潤がこれに反対。これも実現に至らなかった。

 7月には万科企業は、宝能の違法行為に対して調査を求める報告書を証監会、深セン取引所などに提出。

 8月には恒大集団が買収に乗り出し、買収劇はさらに複雑になっている。

 11月29日の段階で、筆頭株主は宝能で25.4%、華潤が15.3%、恒大集団が14.07%を占めるといった状況である。

 経営権の行方は依然として混沌としている。

 問題となっているのは、宝能、恒大の資金源である。

 宝能は同社が実質的に支配する前海人寿の名(ただし、商品カテゴリーごとに分別管理されているため、口座数は複数)で株式を取得している。

 恒大集団は傘下企業を通じて株式を取得したと発表している。詳細は不明だが、先週の当局の動きからすれば、傘下の恒大人寿が関連しているとみられる・・・。

 12月3日、中国証券監督管理委員会はHP上で、劉士余主席による中国証券投資基金業協会第二回会員代表大会での講演内容を公表した。

 この中で、流通市場において、敵対的で激しい買収劇が相次いでいることについて、「野蛮人による、まるで強盗のような買収はヒューマニズムの面からも、商業道徳の面からも著しく逸脱した行為であり、刑法への挑戦でもある」などと発言している。

 劉士余主席は大きなレバレッジを使った買収や、由来の不当な資金を用いた買収を厳しく批判しており、「玄関から入ってきた野蛮人が業界の強盗と化している」などといった厳しい表現が使われている。

 保険業監督管理委員会HPによれば5日、万能保険の業務・経営において問題があり、全体改革の行われていない前海人寿に対して、万能保険の新業務を停止する監督管理措置が発表された。同時に、前海人寿の商品開発管理に問題があるとして、全体改革を進め、3か月の間、新商品を売り出すことを禁止した(6日、証券日報)。

 5日に前海人寿の万能保険が業務停止されたのに続き、保険業監督管理委員会は近日中に検査部隊をそれぞれ前海人寿、恒大人寿に派遣するようだ。(7日、中国証券報)

 保険会社が上場企業の株式を発行済み株式総数の5%を超えて買い入れた場合、半年間はその株式を売却することはできない。また、筆頭株主となった場合、1年間は売却することはできない。こうしたルールが存在する。

 加えて、保険会社は純粋な中長期投資を行わなければならず、合併や経営権取得などを目的とする投機は認められていない。

 宝能は会長である姚振華氏が100%所有する個人の投資会社である。いわば仕手筋である。

 また、恒大集団は許家印会長が率いる民営の大手不動産会社であり、万科企業とはライバル関係にある。

 これらの人物は買収目的で傘下に保険会社を置き、これを利用しているのである。やり口としてはとても巧妙である。銀行からの借り入れよりも、資金調達が楽である。高い保証利回りを付ければ資金は集めやすい。

 多少高い利回り保証を付けても、大量の資金があれば、それを企業買収に充てるか、株価の釣り上げに充てるかすれば、大きく儲けられる可能性が高い。また、保険資金なので長期で勝負できる・・・。

 残念ながら、今回の件も、当局の監督管理部門の甘さが招いた失態といえよう。

 1月の急落以降、底割れしそうで底割れしない相場が続き、その背景には長期投資家の資金流入があるとみられてきた。その一つがこうした保険資金の流入である。



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 万能保険そのものは、まさに長期投資であることから、株式市場にとって望ましい。特に5%を超えて保有すれば、制度として、売買制限がかかり、長期安定株主となる。

 非常に望ましい長期投資家の買いが、今回の件で規制が厳しくなり、資金流入が鈍化するならば、それは直接株式市場に影響を与えそうである。

 

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