たっしーが教える、中国株なら俺に聞け!!

田代尚機(たしろ・なおき)

TS・チャイナ・リサーチ代表。
1958年愛知県出身。大和総研勤務時代、北京に9年間駐在し、引受リサーチ、中国エコノミスト、中国株担当アナリストなどを担当。その後、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立。個人投資家、機関投資家向けに中国株投資に関する助言・情報提供などを行う。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。現在、マネックス証券で「田代尚機の注目5銘柄」を掲載中。その他、SBIサーチナ、日経CNBC、ストックボイスなど、メディアへの出演・寄稿多数。

【著書】
・中国株二季報
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

ホームページ

メルマガ

【週刊中国株投資戦略レポート】

相場の流れや注目銘柄など、実践で活用できる価値ある情報をご提供しております。

発行:GLOBAL LINK ADVISERS(有料)

詳細ページ

メルマガ

【中国株投資レッスン】

投資に関する知識はもちろん、中国香港の旬な話題も取り上げています。

発行:まぐまぐ!(無料)

詳細ページ

レポート

【マネックス証券中国レポート】

マネックス証券中国株取引欄にて、毎月中国レポートを配信。投資戦略や注目の5銘柄などを紹介しております。

発行:マネックス証券(無料)

詳細ページ

書籍

リンク用バナー

当ブログはリンクフリーです。
バナー画像はこちらをお使いください。

トレトレブログ

31日の上海総合指数は0.8%下落!!

  • 記事URL
  • はてなブックマーク

中国株投資家のみなさん、こんにちは。

31日の上海総合指数は安寄り後、しばらく売りが優勢な展開となりました。後場寄り直後には一旦急落、前日終値比で3.8%安まで売り込まれました。しかし、そこを何とか持ちこたえると、その後は戻り歩調となり、終値は0.8%安で引けています。

なぜ戻したのでしょうか?

後場買われたのは銀行、電車関連、軍事関連など、時価総額の比較的大きな銘柄ばかりでした。

小型株のウエートの高い深セン総合指数は3.1%安、新興企業の動きを代表する創業板指数は4.1%安と売り込まれています。上海総合指数の日中足と比較すると、両指数では後場の戻りが全くありませんでした。

こうした状況から判断すれば、国家隊の買いが入ったのだろうと思います。

今週後半の3日、4日は抗日戦争勝利70周年記念日のため、休場となります。

現在、指数先物取引に対する監督管理が強化されていて、積極的に売るのは難しい状況です。空売りは規制が厳しく、残高は、事実上、相場に全く影響がない水準です。個人がネガティブサプライズと感じるような政策面での悪材料は出てこないでしょう。

後2日ありますが、何とか持ちこたえるだろうと予想しています。

重要なのはそれ以降の相場がどうなるかという点です。

当局は6月中旬以降の下げ相場においても、一貫して行っている政策があります。それは、違法行為を厳しく取り締まるということです。

本土マスコミ報道によれば、公安機関は取り締まりを強化しています。30日、中国証券監督管理委員会の劉書帆はインサイダー取引、虚偽情報のねつ造、収賄の容疑で、中信証券の総経理など4名はインサイダー取引、証券、先物取引に関する虚偽情報流布の容疑で、「財経」雑誌社の王暁璐については証券、先物取引に関する虚偽情報流布の容疑でそれぞれ身柄を拘束されたようです。

これまでも、悪意のある売り(指数先物)の徹底取り締まりを行っています。また、場外でノンバンクからお金を借りて、高いレバレッジで行う株取引を排除しようとしています。

また、信用取引の拡大を厳しく抑える政策も打ち出されています。

どうしても、当局の買い支えばかりに目が向いてしまいますが、当局は資本市場の粛清も進めていることに注意を払う必要があります。

本土の株式市場はファンダメンタルズよりも、金融面や政策面に影響されやすい市場です。今後、買いエネルギーが不足する状態が続けば、上値は重くなるでしょう。

これは景気と政策の関係に良く似ています。

国務院は徹底的に重複投資、不要不急の投資に資金が向かわないように、過剰生産産業に対する投資を抑制する措置を続けています。不動産についても、決して以前のような厳しいコントロール政策を続けているわけではありませんが、かといって不動産投資を煽るようなそぶりは全くありません。

将来必要なインフラ投資の拡大や国有企業改革、新興産業の育成など長期の成長戦略に繋がる改革を進めているのですが、それだけでは景気をV字回復させる力はありません。

国務院は小刻みにアクセルを踏む一方で、ブレーキを踏んでいるのです。

極論すれば、「景気は現状維持で十分、徹底的に構造改革をやるつもり」なのでしょう。

株式市場も同じなのでしょうか?

上海総合指数は景気動向と同じように、上値の重い状態が続く可能性がありそうです。

  • 記事URL
  • はてなブックマーク
トレトレ会員登録でもれなく3mBTCプレゼント!

怖いのは景気減速ではなく、人民元安!!

  • 記事URL
  • はてなブックマーク

中国株投資家のみなさん、こんにちは。

先週は世界同時株安となったが、その要因として、多くのマスコミは「中国本土市場の下落が中国経済の減速懸念を引き起こし、更に世界経済の減速を連想させた」と報じている。

欧米の機関投資家たちの多くはそのように考えているのだろう。株価が下落した説明としては正しいのであろうが、事実関係はそうではない。

まず、先週の本土株の下落だが、景気の減速懸念が要因ではない。信用取引規制の強化により投資家がレバレッジをかけることができないでいる。さらに、依然としてレバレッジを解消する投資家もいる。そうしたいわば“エネルギー不足”の状態で、これまで当局が行ってきた“なりふり構わない株価安定化策”がフェードアウトするのではないかといった懸念が広まった。それが株価下落の主要因である。

さらに、もう一点付け加えるとすれば、資金流動性のひっ迫であろう。人民元安見通しが資金の海外流出を加速させている可能性があり、短期のSHIBOR金利が上昇している。そのため、預金準備率引き下げ必至と見られていたのだが、22日現在、それが行われていない。

そもそも、本土市場ではファンダメンタルズに対する感度は低い。

昨年7月中旬以降今年の6月上旬までの急騰局面では、
(1)金融緩和の加速、
(2)資本市場改革にともなう信用取引業務の急拡大
などを背景に、景気悪化局面にも関わらず改革進展への期待が高まり、株価は上昇した。

ファンダメンタルズに関する投資家の視線は足元の景気ではなく、構造改革のその先に向いている。その点に大きな変化があったのではない。あくまで、資金面、政策面、テクニカルな要因で、株価が下がっている。

一方で、株価が下落したから景気が悪くなるわけでもない。

前出の株価急騰局面では、景気は良くならなかった。消費に関して言えば、全く逆で、月次ベースの小売売上高の動向を見る限り、多少の上がり下がりはあるが、トレンドとしては、明らかに鈍化方向にあった。

足元における自動車生産台数の急落について、株価のせいにするコメントをよく見かけるが、これもおかしい。

国家統計局による鉱工業生産のデータによれば、自動車生産台数の伸び率は2014年8月がピークで14.2%増であったが、その後下落傾向が続き、2015年5月には1.6%減まで落ち込んでいる。この間株価は急騰しているにもかかわらず、生産は大きく落ち込んでいるのである。

7月の自動車生産台数は11.2%減であり、確かに落ち込みは激しい。しかし、それを株価下落の影響と言いたいのであれば、なぜ、株価急騰場面で生産台数の伸びが落ち続けたのか、その理由をはっきりさせてから指摘するべきだ。

株価下落に関してもう一点指摘しておきたいことがある。

上海総合指数は2007年10月に6124.04ポイントを付けた後、2008年10月にかけて1664.93ポイントまで下落している。わずか1年で指数は27.2%に縮小している。

尋常ではない株価下落局面において、2008年5月には四川汶川地震が発生、69227人の方が亡くなった。また、8月には北京オリンピックが
開催され、9月にはリーマンショックが発生した。

こうした重大な出来事が発生する中、株価は淡々と下げ続けたが、投資家の不満が爆発し、社会が不安定化するようなことはなかった。

過去において、株が上がろうと下がろうと、実体経済に与える影響は軽微であった。ましてや今回の株価下落は高値からわずか3割程度の下落である。株価下落による中国経済への影響を過度に意識する必要はなさそうだ。

ただし、株価の動向如何にかかわらず、景気の低迷は続く可能性がある。その場合、アメリカ経済、日本経済は影響を受けるだろうか。

両国とも、輸出比率(対GDP比)は低い。2013年のデータをみると、G20において、輸出比率がもっとも低いのはブラジルで12.6%、次がアメリカで13.5%である。次がアルゼンチンで、その次が日本である。日本の輸出比率は16.2%に過ぎない。ちなみに、トップは韓国で53.9%に達している。

もちろん、中国の景気減速によって、韓国は大きな影響を受けるだろうし、ASEANも影響は大きいだろう。また、2013年における中国輸入金額はアメリカについで世界第2位である。世界経済に影響がないとは言えない。

しかし、輸出比率の低いアメリカ、日本はたいした影響はない。少なくとも、中国の経済が少し鈍化しそうだというぐらいで、株価が急落するほどの反応は明らかに過剰である・・・。

ここまで、冒頭の見方を否定しておきながら、少し矛盾したことを言わなければならない。

アメリカは中国の景気が多少悪くなろうとも、どうということはない。また、中国株が上がろうが下がろうが、欧米機関投資家の収益にはほとんど影響しない。

しかし、中国に関して、一つだけ、アメリカが非常に困ることがある。

それは中国が人民元安誘導を行うことである。

人民元対ドルレートが下落すれば、アメリカでは中国からの輸入が増え、中国への輸出が減り、貿易赤字がさらに拡大する。現状でも対中貿易は大幅な赤字となっており、輸入比率は輸出比率よりは高い。そのことよりも、輸入の増加は国内需要を侵食することで、雇用に対する影響が強い。また、アメリカの輸出減は大企業に影響があるが、輸入増は零細企業に厳しい。

加えて、景気に悪影響が出るといった懸念が、アメリカ株の株価を下落させる。

QEで支えられた後も、高値圏で推移していたアメリカ株にとって、金利を引き上げる前に、景気が悪くなり、株価が下落するのはいかにも都合が悪い。

次に打つ手がなくなってしまうし、これまで行ってきたQEが無駄となってしまう。

金利を引き上げにくくなることで、金融システムを正常に戻せなくなってしまう。

これ以上のQEなど、効果が薄れるばかりか、国債市場の不安定性、インフレ懸念を高めてしまう。とても無理だろう。

これでは景気をコントロールする手段を失ってしまう。

そうした懸念が広がるだけで、金融緩和で割高となっている株、債券は暴落しかねない。アメリカ経済が崩壊しかねない・・・。

中国は今後、金融緩和を続けざるを得ないだろう。本当に中国人民銀行が人民元対ドルレートの決定システムをより市場メカニズムに近づけたとしたら、当然、人民元安が進んでしまう。

そのことが資金流出を加速させ、それがさらに人民元安の原因となってしまう・・・。

アメリカは今後、中国に対して、人民元安にならないよう圧力をかけるとともに、政治的に譲歩せざるを得なくなるかもしれない。


≪お知らせ≫

■『中国株二季報 2015年夏秋号』好評発売中!!

中国株投資の必携・必読書、二季報最新号が発売中です。
巻頭特集"中国株"攻略の複眼的視点を執筆しました。
中国株は上昇トレンドです。中国株投資はビックチャンス到来です。

詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
https://www.nikihou.jp/organ/nikihotscr.html


■有料メルマガ「週刊中国株投資戦略」

こちらのメルマガは、日本の投資家の皆様において、いわゆるオーソドックスなトレードができるよう、適切な情報提供を行うことを目的とし、長期投資にも役立つ内容となっています。中国株投資を積極的に行う投資家の皆様はもとより、証券会社の営業マンの方々にもおすすめです。

TS・チャイナ・リサーチ株式会社は、グローバルリンクアドバイザーズ株式会社が発行する週刊中国株投資戦略レポートに関して、助言・情報提供を行っております。
http://www.gladv.co.jp/members/china_senryaku/index.html

  • 記事URL
  • はてなブックマーク
DMM.com

24日の上海総合指数は8.5%下落!!

  • 記事URL
  • はてなブックマーク

中国株投資家のみなさん、こんにちは。

24日の上海総合指数は暴落となりました。

下落率は史上第6位、8.5%となりました。

先週末の国際株式市場の急落や、週末に期待された預金準備率引き下げがなかったことなどから、前日終値比3.8%安で寄り付きました。いきなり、7月9日の場中安値である3373.54を僅かですが下回る水準で取引が始まったのです。

その後、買い手不在の中、指数は下げ続け、後場寄り直後には9.0%安まで売り込まれました。

一旦持ち直す動きも見られたのですが長くは続かず、大引けにかけて再び売られ、終値は8.5%安の3209.91ポイントを付けています。ちなみにこの水準は2月13日以来の安値です。

この日取引のあった2281銘柄の内、2200銘柄近くがストップ安となりました。

なぜこれほどひどい下げになったのでしょうか?

セクターの動きにヒントがあると思います。

証券セクターは取引のあった20社すべてがストップ安。銀行セクターについては建設銀行がストップ安になるなど、16行中、5行でストップ安。13行が9%以上下げています。

保険その他金融は13社中、11社がストップ安、自動車セクターでは21社中、1社を除きストップ安でした。

大型株が大きく売られています。当局による買い支えが全くなかったと言ってよいでしょう。

中国証券監督管理委員会は14日、「中国証券金融股フェン有限公司(証金公司)は今後数年の間、株式を売却することはない」と発表したのですが、同時に、「平常時に証金公司は株を買うことはない」とも記しています。

信用買い残は21日現在、上海市場では7827億元、深セン市場では4628億元となっています。当局が一番心配していたのは、投資家の過剰なレバレッジです。一部の機関投資家の間では、「信用取引残高が適正水準に近づいてきたようなので、当局はこれ以上相場を支えようとはしないのではないか」といった見方が広がっていました。

これまで、3500~3600ポイントあたりまで下がれば、当局は買い支えを行うだろうと投資家たちは予想していました。しかし、そのサポートラインを割ったことで、投資家の懸念は失望に変わってしまいました。

投資家が失望したのは他にもあります。

先週お伝えしたように、資金が海外に流出しています。海外の投資家が外貨を買っているというよりも、国内の富裕層が資産を海外にシフトさせているのだと見られます。

さらに、人民元が11日切り下げられ、人民元安懸念が広がっています。

こうした状況でインターバンク市場では短い期間を中心に金利が上昇していて、流動性資金がひっ迫しつつあります。

先週からそうした状態なのですが、中国人民銀行は公開市場操作やMLFなどを通じて、小規模に資金供給を行うばかりです。

投資家の間では、預金準備率引き下げは必至だといった見方が強いのですが、中国人民銀行は一向に行うそぶりがありません(24日19:00現在です)。

投資家は金融政策にも失望しています。

株価はいつ下げ止まるでしょうか?

当局が何もしないなら、投資家心理が株価の動向を決めることになるでしょう。

足元では相変わらず、景気減速が続いています。

政策、改革面において、国有企業改革に続く大きな買い材料が欲しいところです。

どうせ市場救済策を行うなら、まず、市場にすべてを任せ、セリングクライマックスを起こさせてからの方が効果はありそうです。もっとも、セリングクライマックスが起きれば、自律反発するでしょうが・・・。

3000~3200ポイントあたりは春先、もみ合いが続いたところで、サポートラインになりそうです。

急落の後には急反発が待っています。

もし、資金に余裕があるのなら、これから起きるセリングクライマックスは大きなチャンスとなるでしょう。

  • 記事URL
  • はてなブックマーク
トレトレ会員登録でもれなく3mBTCプレゼント!

年内は緩やかな人民元安が続く!!

  • 記事URL
  • はてなブックマーク

中国株投資家のみなさん、こんにちは。

11日朝、誰も予想していなかった人民元安が突如として始まった。

そのことで先週の国際マーケットは大きく揺れ動くことになった。

今回は人民元安の背景とその見通しについて説明したい。

中国の為替制度は特殊である。何が起こったかを示す前に、中国の為替制度はどうなっているのかについて簡単に触れておこう。

我々が中国や海外で人民元を調達する場合、銀行や両替所などの金融機関で取引を行うが、こうした金融機関が外貨を取引する場として、中国外国為替取引センターがある。

これは中国人民銀行の直属事業単位である。同センターは銀行間における外貨のやり取りの場を提供している。ここで決まる為替レートが基礎となって、各行が店頭で提示する為替レートが決まっていく。

この銀行間で決まる為替レートには、中間レートというものが存在する。中国人民銀行が取引開始の前に、それを発表し、その前後2%においてのみ、市場参加者は自由に外貨を売り買いすることができる。ちなみに、現在、米ドル、ユーロ、円、香港ドル、ポンド、シンガポールドル、カナダドル、リンギット、ルーブルなど11の通貨について、それぞれ毎朝(現地時間9時15分)、中間レートを発表している。

日中は、市場参加者である金融機関の自由な取引によって、為替水準は決定される。しかし、それには中間レートによって限度枠が課せられている。それが、価格決定に重要な意味を持つ。

毎朝発表される中間レートは中国人民銀行が決めているが、10日までは、中国人民銀行が早朝、市場参加者から需給状況をヒアリングし、それをもとに決定するといった方法(香港ドル、カナダドルを除く)であった。

中国人民銀行HPにおける人民元対ドル中間レートの算出方法の記載を見る限りでは、「レートについて市場参加者にヒアリングを行い、得られたデータ(上下異常値を除く)を取引量などで加重平均して算定する」と記している。

しかし、過去に、特定の銀行で外貨需要が増えたりして、場中で人民元安が進むようなことが起きても、中間レートはそうした影響を過小評価された形で、翌日の中間レートは人民元高方向に戻されるといったことが頻繁に起きている。

こうした状況を反映して、普段は日中も中間レート付近で取引されることが多いのが現状であった。

しかし、11日の人民元対ドル・中間レートは前日と比べ1.82%安い6.2298に決められた。さらに、HPを通じ、「8月11日以降、前日の終値を参考として、外貨の需給状況、国際主要為替市場の変化を総合的に考慮して中間レートを算出する」と発表した。

今年に入って8月10日までの間、中間レートが最も高かったのは3月12日の6.1079で、最も安かったのは5月18日の6.1617である。この間、わずか0.87%安の変化でしかない。

1日で年間の高値、安値間の動きを大幅に上回る変動を示したのである。中国人民銀行の説明では、実際の需給状況と中間レートの間に乖離が生じていたので、1回きりの調整を行ったとしている。しかし、驚いた市場参加者は、とりあえず、人民元を売る動きを強めたのである。

その後の中間レートの動きをみると、12日は1.59%安、13日は1.10%安、14日は逆に0.05%高となった。14日の中間レートは10日に対して4.40%安となった。

この間の動きをみる限り、中間レートは中国人民銀行が示すように、前日の終値に近い値となっている。

ただし、12、13日の日中の動きをみる限り、時折、人民元高に揺り戻される動きが見られた。中国人民銀行による介入なのか、中国人民銀行の意向を受けた市場参加者による人民元買いの影響なのかわからない。ただし、何らかの大きな人民元買いが入り、一旦、市場は平静を取り戻している。

中国人民銀行は、今回の中間レート決定メカニズムの変更を通じて、何をしたかったのか?

中国人民銀行の報道官は12日、「中国は、市場の需給を基礎として、ある程度の管理を行うといった為替変動制度を採用しており、為替レートが変動すること自体は正常な出来事である。中国人民銀行は今後、更に一歩進んで人民元為替の市場化メカニズム導入を推し進め、為替変動を正常な範囲に維持し、合理的な均衡水準上で基本的な安定を保つ」と発言している。

しかし、この点について、民間のエコノミストたちは、「市場メカニズムに近づけることで、現在、重要な時期に差し掛かっているSDR採用通貨入りを有利に進めようとしているのではないか」などと見ている。

人民元の国際化を加速させたい中国では、グローバルに人民元を世界の主要通貨として認めてもらいたい。人民元の信頼性を高めたい。そのためには、ドル、ユーロ、円、ポンドの4つの通貨で構成されているSDRについて、人民元もその仲間に入れておいてほしいということだ。

もう一つ民間のエコノミストたちが指摘しているのは、輸出振興のために行ったという説である。

8日に発表された7月の輸出は8.3%減で、前月の2.8%増と比べ11.1ポイント悪化、市場コンセンサスである1.0%減と比べ、7.3ポイント低かった。

もし、アメリカが9月に金利を引き上げるようなことになり、これまでのように人民元をドルと事実上ペッグさせたような状態を続けたとすれば、人民元はドル以外の通貨に対してつれ高となってしまう。そうなれば、下期の輸出は上期以上に厳しい。

今年の全人代で決定された貿易に関する目標は6%増である。1~7月累計でみると、輸出は0.8%減だが、輸入は14.6%減であり、貿易全体では7.2%減である。年間目標の達成は既にほぼ不可能となっているが、国務院としてはこれ以上の目標とのずれは避けたいはずだ。輸出振興の策は限られる。できることなら人民元を安く誘導したいはずだ。

目標としては、更に重要なのは経済成長率である。今年の目標は7%前後であるが、上期を終えて、それはまさに7.0%である。

7月の経済統計が発表されたが、鉱工業生産、固定資産投資の鈍化、下振れが激しい。内需も厳しい。供給過剰を少しでも助け、輸出を拡大させたいところである。

国務院としては、できることは何でもしておきたいはずだ。

もっとも、中国人民銀行は輸出振興のために人民元安誘導を行っているのではないと強調している。

「経常収支は長期的に黒字を保っており、国際的に見て人民元に対する需要は強い」ことなどを理由に、「人民元安が進むような基礎的な条件は存在しない」と強調している。

しかし、そうした状況にあっても、輸出振興を図りたいというのが中国の本音であろう。

これまでの制度においても、中国人民銀行がやろうと思えば簡単に人民元安誘導はできたはずだ。しかし、それをせず、強含みのドルとのペッグを維持してきたのは政治的な要因が大きいはずだ。

「アメリカの利上げによる更なる人民元高(対ドル以外)の加速を未然に阻止し、また、市場メカニズムに近づけるといった大義名分を掲げることで、国際的な批判を上手くかわしながら、人民元安に誘導する。」これが今回の為替決定メカニズム変更の真の狙いであろう。

共産党、国務院の幹部は常に国内に眼が向いている。

経済規模が大きくなっただけに、成長率がさらに鈍化したとしても、雇用は何とか安定を維持できそうである。

ただし、社会主義のシステムにおいて、結果が目標と大きくかけ離れることがあれば、責任問題となる。少なくとも、合理的な理由を見つけてきちんと説明しなければならない。これから年末に向けて、内需、外需を拡大させるための政策発動が強まるだろう。

そうした中で、アメリカなどの国際社会からの批判を最小限に抑えながらも、人民元が安くなるような誘導を国務院は行うだろう。

年内は国際社会の批判、特に米国の不満を上手くかわしながら、上げ下げを演出しながら、緩やかな人民元安が進むと予想する。景気の減速、輸出の悪化が進めば、そうした傾向は更に強まるだろう。


≪お知らせ≫

■『中国株二季報 2015年夏秋号』好評発売中!!

中国株投資の必携・必読書、二季報最新号が発売中です。
巻頭特集"中国株"攻略の複眼的視点を執筆しました。
中国株は上昇トレンドです。中国株投資はビックチャンス到来です。

詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
https://www.nikihou.jp/organ/nikihotscr.html


■有料メルマガ「週刊中国株投資戦略」

こちらのメルマガは、日本の投資家の皆様において、いわゆるオーソドックスなトレードができるよう、適切な情報提供を行うことを目的とし、長期投資にも役立つ内容となっています。中国株投資を積極的に行う投資家の皆様はもとより、証券会社の営業マンの方々にもおすすめです。

TS・チャイナ・リサーチ株式会社は、グローバルリンクアドバイザーズ株式会社が発行する週刊中国株投資戦略レポートに関して、助言・情報提供を行っております。
http://www.gladv.co.jp/members/china_senryaku/index.html

  • 記事URL
  • はてなブックマーク
トレトレ会員登録でもれなく3mBTCプレゼント!

預金準備率引き下げは必至!!

  • 記事URL
  • はてなブックマーク

中国株投資家のみなさん、こんにちは。

7月末時点における中国人民銀行のバランスシートを見ると、外貨資産は26兆4069億元で、前月末と比べ3080億元減少しています。

昨年の6月あたりから減少が目立ち始めたのですが、今年に入り、そうした傾向が顕著になっています。1月は少しだけ増えたのですが、それ以降、減少し続けており、7月の減少額は過去最大となりました。

金融機関についてもここ2カ月は減少しています。7月末時点における外貨資産(外貨の買いポジション)は28兆9083億元で、前月末と比べ2491億元減少しました。こちらも減少幅は過去最大となりました。

7月は、どうして中央銀行、金融機関の外貨資産が大幅に減少したのでしょうか?

FRBが9月にも利上げをするのではないかと見られています。ドルが強くなるといった見通しから、企業や個人が人民元よりも外貨を持ちたがった可能性があります。

また、7月の貿易黒字は430億元でしたが、この3カ月間では最低の水準でした。一方、中国の対外直接投資は増加傾向にあり、7月は107億ドルで今年最高を記録しています。

ただし、こうした要因を考慮した上でも、資本が海外に流出している可能性は否定できません。

当局が先週行った人民元安誘導は、(1)為替決定メカニズムをより市場メカニズムに近づけることで、人民元の自由化、国際化を進めること、(2)輸出振興などが目的ではないかと考えていますが、実際に人民元需要が弱く、そうした実態にレートを合わせたかったといった点も、人民元安誘導の要因と言えるでしょう。

この先、為替レートはどうなるでしょうか?

為替レート決定メカニズムを市場メカニズムに近づけているわけですから、人民元需給の動向が今後、為替レート水準に直接影響を与えることになるでしょう。

人民元資産を売っているのは、中国経済に対する悲観的な見方を強めている外国人や、共産党の腐敗撲滅運動を警戒した本土の富裕層などだと思います。

景気鈍化や腐敗撲滅はいずれも構造要因なので、人民元安はしばらく続くのではないかと思います。

17日現在のShiborをみると、オーバーナイトは3.4BP上昇して1.701%となっています。1週間物は2.517%(2.20BP上昇)、1カ月物は2.6910%(2.00BP上昇)と資金はひっ迫気味です。

今後、更に人民元を売って外貨を買う動きが強まるようだと、資金流動性のひっ迫は深刻なものとなるでしょう。

ただでさえ景気の鈍化が止まらないのですから、ここで資金ひっ迫が起これば景気は更に悪化してしまいます。

流動性供給のために預金準備率引き下げは必至といった状況です。

本土株に関しては、当局の株価安定化政策が効いているので、上海総合指数は意外にしっかりとした動きとなっています。早晩、預金準備率の引き下げが行われ、上海総合指数は下落せず、戻りはしっかりしたものになると予想しています。

  • 記事URL
  • はてなブックマーク
DMM.com
DMM.com
CCM香港 海外法人設立Wキャンペーン
トレトレ会員無料登録はこちら
トレトレ公式facebookページ
TRADETRADE Twitter
香港ポスト
マカオ新聞
ビットコイン研究所

最近のブログ記事

月別アーカイブ

▲ TOPへ戻る

スマホサイトを表示