たっしーが教える、中国株なら俺に聞け!!

田代尚機(たしろ・なおき)

TS・チャイナ・リサーチ代表。
1958年愛知県出身。大和総研勤務時代、北京に9年間駐在し、引受リサーチ、中国エコノミスト、中国株担当アナリストなどを担当。その後、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立。個人投資家、機関投資家向けに中国株投資に関する助言・情報提供などを行う。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。現在、マネックス証券で「田代尚機の注目5銘柄」を掲載中。その他、SBIサーチナ、日経CNBC、ストックボイスなど、メディアへの出演・寄稿多数。

【著書】
・中国株二季報
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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利下げが株価を押し上げる!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

滬港通は期待外れ。11月のHSBC中国製造業PMIは前月を0.4ポイント下回り、市場予想を下振れ。さらに、本土市場では、24日、7社のIPOが行われるのを皮切りに11月最終週は合計で1兆6000億元程度の資金が凍結されそうだ。先週後半、マクロを重視する理性的な投資家は将来を悲観したはずだ。

そんな状況で、21日(金曜日)現地時間18時過ぎ、中国人民銀行は突然、利下げを発表した。

1年物貸出金利は0.4ポイント引き下げられ5.6%、1年物預金金利は0.25ポイント引き下げられ2.75%となる。また、金利の市場化を推し進めるため、預金金利の上限は、それまでの基準金利の1.1倍から1.2倍に拡大される。実施開始日は発表翌日の22日である。

各行とも1年物預金金利は上限である3.3%に張り付いていた。今回の利下げで基準金利は0.25ポイント引き下げられたものの、上限の引き上げがあったため、実質的には3.3%で変わらない。

過去の慣例をみると、利下げ(利上げ)の幅は0.25ポイントであることが多い。その点で今回の利下げの規模は十分大きい。さらに、預金金利については実質的に引き下げられていない。その点も加味すれば、今回の利下げのインパクトは非常に大きいと言えるだろう。

“塞翁失馬(人間万事塞翁が馬)”である。悲観的な見通しは一瞬にして楽観に変わる。人生は“天のみが知る”ということだ。

ただし、この故事と中国の経済、株式とは大きな違いがある。

天が状況を変えるのではなく、“国家(共産党、国務院、中国人民銀行・・・)”が状況を変えるという点において、根本的な違いがある。

“国家”はなぜこのタイミングで利下げを行ったのであろうか?

中国人民銀行の責任者は、新聞記者たちの質問に答え、“経済は引き続き合理的な成長速度を保っている”と発言している。単に景気に配慮したわけではないとしている。

一方で、経済構造調整が大きく変化する中で、“融資を受けることが難しく、しかもコストが高いといった問題が突出している”と発言している。特に、零細企業については7月の時点で支援策が打ち出されているにもかかわらず、依然として一部では厳しい状況にあると指摘している。

今回の利下げは、この零細企業を支援し、就業を確保し、市民生活を助けることが目的の一つであると説明している。

また、今回の利下げによって、“社会融資コストを引き下げ、実際の金利を合理的な水準に戻し、企業融資コストが高すぎるといった問題を緩和する”としている。つまり、企業の投資意欲を引き出そうとしているということである。

4月以来、国務院はインフラ投資建設を加速させようとしているが、資金不足で進捗が遅れている。保障性住宅にしても、戦略的新興産業に対する支援策にしても、資金不足が問題となっている。ならば、資金調達コストを引き下げて、国務院が進めたいプロジェクト、発展させたい産業に資金を供給しよう・・・。これが国務院の狙いであろう。

まとめると、国家の意志は、“零細企業の支援、就業の確保、市民生活の改善、発展させたい産業への資金供給”である。関連するセクター、銘柄は自ずと明らかになってくる。

本土、香港とも、株価は上がりそうである。何を狙ったらよいだろうか?

まず、直接的に影響の大きな金融セクターが狙い目である。利下げは株式市場に有利である。証券、保険は買いである。一方、銀行については、貸出は増えそうだが、利ザヤは縮小に向かう。やや買いにくいところである。

また、借入の多いセクターである不動産には資金が入り易くなるだろう。零細企業に加え、借入が多く、事業環境の悪い素材関連も注目されるだろう。

素材関連は、建設工事需要の高まりを通じ、価格は下げ止まり、数量も伸びるだろう。中でも、セメントは、需給環境を含めて考えると、業績に対するインパクトはもっとも大きいだろう。

そのほかインフラ投資関連としては、鉄道建設、建設・エンジニアリングが再度注目されるだろう。

業績の悪い石炭、非鉄金属などの景気敏感株全般にも株価上昇のチャンスがあるだろう。

そのほか、エネルギー関連、環境関連なども、国家が積極的に発展させたい産業である。狙える銘柄は多い。

関連するセクターで株価の下がっているところを狙ってみると、大きな成果が得られそうだ。

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24日の上海総合指数、利下げを好感、約3年3カ月ぶりの高値!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

24日の上海総合指数は急騰となりました。先週末と比べ1.85%上昇し、終値ベースでは2011年9月1日以来の高値を記録しました。不動産、インフラ建設、証券、非鉄金属、建材、石炭など、景気敏感株が大きく買われています。

上海市場の売買代金は、過去最大となった11月11日に迫る3303億元でした。本土市場は急ピッチで上昇トレンドを形成しつつあります。

この日の上昇要因は、21日夕方に発表された利下げです。実質的には預金金利は据え置かれる中で、貸出金利だけが引き下げられるといった形となりました。多くのエコノミストたちはこのタイミングで利下げが行われるなどとは思っていませんでした。その結果、市場では大きなサプライズとなりました。

中国人民銀行では、景気は引き続き合理的な成長速度を保っていると判断しています。ただ、金利水準は高すぎるので調整したといった内容の説明をしています。

金融危機直後の1年物貸出金利は5.31%でしたが、今回引き下げられてもまだ5.6%です。

成長率が落ちていますが、ここは効率の高い投資案件が減っているといったことでもあります。

また、物価は非常に安定しています。卸売物価などは2012年3月以来、2年7カ月も下落が続いています。インフレを心配するような局面ではなく、むしろデフレを心配しなければならない局面だと言えるでしょう。そういう観点からすれば、実質金利は高いので、貸出金利は引き下げられてしかるべきです。

利下げサイクルがこれから始まるのであれば、今後、半年程度の間に2~3回程度は行われると予想されます。

そうであれば、“株式は買い”ということになります。

金融が緩和されるのならば、資金は株式市場に入り易くなります。証券、保険などのセクターが有望です。

また、金融が緩和されるのならば、企業は資金が借りやすくなり、設備投資が刺激されると同時に、財布の紐が緩くなることで、需要が喚起され、売上が伸びやすくなります。

コスト面では、借入の多い企業では、財務コストの低下は直接業績に影響することになります。さらに、得意先企業の資金流動性が高まることで、資金回収リスクが下がることになります。

業績の良くない不動産、建設、素材、資本財、原材料なども、利下げで大きな恩恵を受けることになるでしょう。

証券などは、足元の業績が良いことから、既に株価は随分と上がっています。

一方、建機メーカーの中聯重科(00157)や一部の不動産などは、業績が悪く、株価は週足でみると随分と低い水準にあります。ここは、関連銘柄の中で、業績の良くない低位株を狙ってみると面白いのではないかと思います。

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"一帯一路"が世界を変える!?

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

“一帯一路”は世界の政治、経済のパワーバランスを大きく変える可能性がありそうだ。

“一帯一路”とは何か?

英語では“One Belt And One Road”と訳している。

“One Belt”とはシルクロード経済ベルトを指し、“One Road”とは海上シルクロードの意である。

シルクロードに鉄道、高速道路を通す。中国から中央アジアを経て欧州に至るまで、大きな帯の形で周辺の街が栄える。道路や都市交通のための投資が生まれる。水道・下水、通信網、学校、病院、オフィス、住宅のための投資が必要となる。

素材から金融、不動産に至るまで、幅広い産業が発展する。人が増え、また、人の流れ、モノの流れが活発になれば、農業から消費、サービス関連に至るまで、大きな需要が発生する。街ができることによる経済発展効果は莫大である。

海上シルクシルクロードとは、中国の沿岸地域からASEAN諸国、インド、東アフリカ、中東、スエズ運河、地中海を通ってギリシャ、イタリア、その他のEU諸国に繋がるルートである。

各地域の港湾を整備し、内陸の物流網を強化する。海上貿易を通じて、関連地域が大きく潤うことになる。

問題は“カネ”である。どうするのか?

中国には世界最大規模の外貨準備、外貨資産がある。アメリカ国債に投資する“カネ”があるなら、ドル建ての資産を買うぐらいなら、それを“一帯一路”の大開発に利用したらよい。

アジア開発銀行を含め、アメリカや日本の影響力が強い国際金融機関が中国の思惑通りに“カネ”を貸してくれるだろうか?

厳しいだろう。ならば、自分たちで国際金融機関を作ってしまおう。それがアジアインフラ投資銀行である。“一帯一路”開発に向けて、中国は400億米ドルを出資し、シルクロード基金を設立する方針である。さらに、ASEAN諸国を巻き込んで“海上シルクロード銀行”の設立も画策しているようだ。

中国の大手行は資金量では、今や世界最大クラスを誇るほどに成長している。中国の金融界をリードする国有5行を中心に金融機関は国家戦略の実行に向けて積極的に“カネ”を貸し込むであろう。それを見たアジア各国の金融機関はどうするだろうか・・・?“カネ”は集まるだろう。

アメリカはこの大プロジェクトで儲けることは難しい。いじわるされるかもしれない。BRICS銀行では、金融危機に対応できるよう連携が図られる仕組みとなっている。

アメリカはアジアの利権確保に向けて中国抜きのTPPを推進したいようだが、参加各国から見れば、これは“カネ”のにおいがしてこない。アメリカの国益は高まりそうだが、参加各国は、どこに、何が売れるようになるのかが見えてこない。逆に、輸入品による市場侵食への不安が募るばかりである。

ASEANが積極的にならなければ、もっとはっきり言えば、中国との絆を弱くしない限り、アメリカは満足しないだろう。現在の状況を見る限り、アメリカのアジア戦略は大きく行き詰っていると言わざるを得ない。

現在の中国経済において、素材産業を中心に生産過剰が深刻である。しかし、“一帯一路”戦略は、こうした産業にとって、正に“神風”である。加えて、インフラ建設会社、エンジニアリング会社、鉄道設備会社など寡占業種の利益は長期に渡り、“ホショウ”されることになるだろう。

この“一帯一路”戦略には、中国ばかりでなく、ASEAN諸国、ロシア、欧州、韓国、台湾なども利益を享受できる。

日本はどうなのか?

シルクロードの東の終着点は日本である。日本次第なのだろう。

“画蛇添足”かもしれないが、中国株について一言。

全面深化改革は全方位に渡り加速している。今年の経済成長率が7.5%に達しなくとも、また、来年の目標成長率が7%に下がろうが、中国株は“長期買い”である。5年、10年先を見つめて投資すべきである。

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上海・香港・ストックコネクト初日の上海総合指数、0.19%安!!

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

17日の上海総合指数は前営業日終値比1.13%高で寄り付いたものの、そこから買い上がる勢いはありませんでした。

一旦売られたものの、前引けから後場寄り少し後辺りまでは寄り付き水準に向けて戻り歩調となったのですが、出来高が足りません。大引けにかけては下げトレンドとなり、結局、前営業日比マイナスで引けてしまいました。

上海市場の売買代金は、ここ2週間では低調の域にあった先週末とほぼ同じで1993億元に留まっています。

一方、小型材料株のウエイトの高い深セン総合指数は0.99%高、創業板指数に至っては2.11%高となりました。

本土市場全体を見れば、上海A株を売って、深センA株、特に小型材料株を買うといった流れになりました。

セクターの動きをみると、ノンバンク、銀行、石炭、中央系企業、AH同時上場などが売られています。上海・香港・ストックコネクト目当てで買っていた本土投資家は、予想通り、このタイミングで売ってきました。

本日は、その売りを吸収し、上昇するだけの買いが入らなかったということです。

とにかく商いが盛り上がらなかったのですが、これは仕方がないでしょう。

開始時期の発表から、実際の発表までわずか1週間しかありませんでした。これでは証券会社も準備が整いません。

そもそも販売商品の説明資料が揃いません。必要な企業データをタイムリーに提供できる体制を作るためにはそれなりのコストと準備期間が必要です。個人投資家で、すぐに買い出動できるのは、香港証券会社の顧客で、かつ、中国企業に詳しい香港、シンガポール、台湾などの華僑系個人投資家ぐらいではないかと思います。

機関投資家はQFII、RQFIIを通じて、ある程度A株を保有しています。急いで買う必要はないでしょう。

そもそも、今回の制度では1日当たりの買い総額が130億元といった資金流入制限があります。一方、本土から香港に流れる資金もあることから、サービス開始のインパクトは“それなり”です。

冷静に考えてみると、今日の値動きは常識的な値動きであったと言えるかもしれません。

今後の上海総合指数の値動きはどうなるでしょうか?

7月後半以降の上昇において、上海・香港ストックコネクトによる効果がどの程度であったかといった点が予想のポイントとなるでしょう。

今回の上昇は、景気が腰折れ寸前となる中、政府政策への期待が高まったことが大きいのではないかとみています。単に金融緩和やインフラ投資の加速、零細企業への支援といったことではなく、もっと大きな政策、つまり全面深化改革の進展や“一帯一路”プロジェクトの始動などへの期待が、投資家心理の改善に繋がっていると見ています。

今週、来週の前半辺りまではIPOによる需給悪化懸念もあり、上海総合指数には調整が入るかもしれません。しかし、ここでの調整は、押し目買いのチャンスになるでしょう。

今回の上海・香港ストックコネクト開始によって、A株のMSCI新興国株価指数入りは確実になったと見られます。来年5月の入替の際が、タイミングとしてはもっとも有望です。

上海A株では、業界を代表するトップ企業に注目です。

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ドル暴落に備える中国

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

ドル指数はこの半年間で大きく上昇している。

アメリカは予定通り、10月を以てQEを終了させた。景気は順調に回復する見通しで、雇用も問題ない。後はいつ金利を引き上げるのかを決めるだけだ。多くの市場参加者がそのように思っている。だから、ドル指数は足下で上昇しており、また、しばらくは強含みで推移するだろう・・・。

本当にそうだろうか?

QEを止めれば需給要因から必然的に金利は上昇する。金利が上がればドルも上がる。しかし、これは短期的な現象で、金利が上昇すれば、株価は下がる。また、アメリカの長期金利上昇、ドル高はドル債務の多い他国の経済に大きなダメージを与え、それが世界全体の経済を悪化させる。結局ドル高は続かない。

もっと悲観的な見方をすれば、QEは中央銀行の資産を拡大させ、中央銀行に大きな金融リスクをもたらす。そのリスクに耐えきれなくなったから、アメリカはQEを止めざるを得なくなった。表面的に景気、雇用は回復しているように見えるが実体はそうでもなく、すぐに景気、雇用は悪化するだろう・・・。

ここでは、ドル指数の見通しを書くつもりはない。ただ単に、ざっといろいろな意見をまとめただけである。

今回言いたい点は、中国がドルの長期的な見通しについてどう考えているかという点である。

もっとも、中国側は“ドルは下落する懸念がある”などというわけにはいかない。世界の中で、中国は、日本と並んで、米国債を最も多く保有している国である。ドル資産の保有額では中国は世界で最大と目される。自らの資産を目減りさせるような発言は控えたいし、できる限り、ドルの価値は安定していてほしいと願っているはずだ。

しかし、ドルは下落するかもしれない。また、下落したときのリスクを最小限にとどめたい。中国は、ドルの下落に備えて、いろいろな政策を打ち出している。その政策発動は今年に入って加速している。ドルがそう遠くない将来、大きく下落する可能性を中国が感じ取っているからこそ、対策を加速させているのではなかろうか?

習近平国家主席は11月27日、中央全面深化改革領導小組第6回会議を開催し、「現在のテスト区での実績を基礎として、条件を満たしている若干の地域を自由貿易園(港)区に認定する」などと発言した。

現在のテスト区とは、昨年9月に発足した上海自由貿易試験区のことである。この区では、人民元の自由化、金利の市場化、人民元のクロスボーダー取引などを試験的に実施するとされている。

これらは試験的に実施するということなので、国務院の通知一つで実施が可能である。こうしたテスト区域を今後増やすことに決めたという話である。市場では、天津、広州、福建などが次の候補地として選ばれるのではないかとみている。

キーワードとなるのは、“人民元の自由化”、“人民元のクロスボーダー取引”である。

ドルが下落しても困らないようにするにはどうしたらよいだろうか?

海外との取引について、つまり、貿易や海外投資(受け入れも含む)などについて、米ドルを使わず、人民元を使うようにすればよい。

それが人民元の自由化である。

しかし、人民元を自由化すれば、金融市場に大きなリスクが生じる。資金力で圧倒的に勝る欧米金融機関が本土の株式市場、債券市場など金融市場を事実上支配することになりかねない。

アジア諸国で起きたアジア通貨危機の悲劇を避けるためには、短期金融市場において、中国が金融をコントロールできないような状態に陥ることを避けなければならない。そのために必要なことが本土の金融と海外の金融とを隔離することであり、オフショア市場を作り、本土の外にもう一つの人民元市場を作ることなのだ。

そして、オンショア(本土)市場、オフショア市場の間をパイプでつなぎ、中国がそのパイプにおける資金の流れをしっかりと監督管理しながら、円滑にさせる。そのパイプを通したやり取りが“人民元のクロスボーダー取引”なのである。

しかし、いくら中国が人民元を自由化したいといっても、世界の人々が人民元で貿易したり、投資したりすることを望まない限り、自由化は進まない。

世界の人々が安心して人民元を使えるように、金融市場を整備する必要がある。人民元で預金が出来て、株、債券が買えて、安定したレートで安全に、かつ確実に他の通貨と交換できるようにしなければならない。

そのために、香港に人民元オフショア市場が存在し、2009年以来、大きく発展している。香港では、もちろん、人民元で預金ができる。また、本土の株式、債券などを買うための制度であるRQFII(人民元建て適格海外機関投資家制度)が用意されている。

現在香港では2700億元の総額が設定されていて、それを各機関の申請に応じて割り当てるといったことを行っている。その枠を広げることによって、人民元投資が広がることになる。

また、香港以外では、イギリス(ロンドン)、ドイツ、韓国などが800億元のRQFII限度額を提供されており、シンガポールでは500億元が提供されている。このほか、台湾、オーストラリアなどが枠の提供を間もなく受けるだろうといった報道もある。こうした国の金融市場では、やがて香港と同じように金融オフショア市場が育っていくであろう。

RQFIIはあくまで規模の大きな機関投資家しかなることができないが、現在、サービスの開始が大詰めとなっている上海市場、上海・香港・ストックコネクト(香港市場で株式の売買を取り次ぐ)では個人投資家が参加することができる。全体の限度額は3000億元であり、これは香港のRQFIIを凌ぐ額である。個人投資家の参加によって、人民元取引のすそ野は一段と広がることになる。

中国は全面深化改革の一貫として資本市場改革を進めており、そのために、人民元の自由化、オフショア市場の発展を促しているといった見方もあるが、それを急がなければならないといった共産党、国務院の見方があるからこそ、急速にこうした動きが進んでいると見た方が自然である。

上海・香港・ストックコネクトについて一言。

ここで示したように、これは中国金融政策の一環として非常に大事な政策であり、優先順位の高い政策である。年内あるいは早期開始の可能性が高いであろう。

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