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田代尚機(たしろ・なおき)

TS・チャイナ・リサーチ代表。
1958年愛知県出身。大和総研勤務時代、北京に9年間駐在し、引受リサーチ、中国エコノミスト、中国株担当アナリストなどを担当。その後、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立。個人投資家、機関投資家向けに中国株投資に関する助言・情報提供などを行う。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。現在、マネックス証券で「田代尚機の注目5銘柄」を掲載中。その他、SBIサーチナ、日経CNBC、ストックボイスなど、メディアへの出演・寄稿多数。

【著書】
・中国株二季報
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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機関投資家はいつも正しいのか?

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香港証券取引所の市場構造には大きな特徴がある。それは海外機関投資家の売買ウェイトが大きいということである。

2009年10月から2010年9月にかけての香港証券取引所(メインボード、GEM)に関する統計(出所:香港証券取引所)を見ると、海外機関投資家の売買シェア(金額ベース)が圧倒的に大きく、41.8%に達する。次にシェアが大きいのは香港機関投資家で22.5%。香港の個人投資家のシェアは21.3%に過ぎない。

海外投資家に関しては個人投資家が4.5%を占める。個人も加え海外投資家に関して国別にみると、第1位はイギリスで28.7%、第2位はアメリカで24.4%、第3位は欧州(イギリス除く)で16.1%(海外投資家全体を100とする)。中国(本土)は第4位で10.6%、シンガポールは第5位で9.3%である。ちなみに日本は2.6%に過ぎない。

話を整理すれば、香港市場というのは、“欧米の機関投資家が大きなシェアを持つ市場である”ということである。

プロの機関投資家が売買するのだから、“株価形成は合理的であるだろう”と思うかもしれない。確かに、平常時であれば、ファンダメンタルズを徹底的に分析することから算出された将来の利益予想に基づいて、株価の評価がなされており、確かに合理的な株価形成がなされていると言えるかもしれない。しかし、いつでもそうであるとは限らない。

機関投資家が運用するのは、ほとんどが自己資金ではなく、ファンドの形態で広く一般大衆から募集した資金を含め、顧客から預かった資金である。現在のように、世界経済の見通しが悪化したり、欧州債務危機によって金融市場が混乱したりして、投資家がリスクのある投資に消極的になったらどうなるか?

もちろん、機関投資家の資金にはいろいろな性質がある。長期投資のための資金であったり、短期投資目的であったり、リスク許容度が高かったり、低かったりする。一律に論じることはできないが、それでも、それぞれの立場で強弱はあるが、現在、リスク資産を圧縮しようとしている。

たとえば、ファンドが解約される。ファンド運用者は運用資産の一部を売って現金を作らなければならない。所有しない株は売れるはずはない。所有する株、それもハイリスクハイリターンの株式から先に売られることになるだろう。

香港市場は新興国市場の代表である。株式としてはハイリスクハイリターンに分類される。ならば、ローリスクローリターンの資産と比べ売られ易くなるのは当然である。

セクターでみれば、景気敏感株は売られる。景気がこれから悪くなるかもしれないといった見通しもさることながら、株価の動きからハイリスクハイリターンに分類される銘柄が多いからだ。

もっと厳しいのが中小型のグロース(成長)株である。これらは正にハイリスクハイリターンの代表である。今回の下落で最大の“被害”が出ているのが正にこの“グロース”である。

たとえば、街燈用LEDで急成長を続ける達進精電(00515)。8月29日に発表された中間決算は51.4%増収、240.2%増益であった。足元でも受注は急増中、京華山一証券によれば、2011年12月期業績見通しは53%増収、195%増益。予想EPSは0.289香港ドル/株である。

株価を見てみると、決算発表を行った8月29日の終値は2.06香港ドル。それが9月23日には0.910香港ドルまでたたき売られている。この時点で予想PERは3.2倍である。もちろん、業績面で不安材料が出たわけではない。

もともとこの銘柄は、機関投資家、それも複数のヘッジファンドが大量に株式を所有していたようである。それが、機関投資家の撤退が相次いだことで、こうした事態に陥っているようだ。

これはやや極端な例かもしれないが、似たような銘柄はたくさんある。株価指数とは個別銘柄の動きが合成されて作り出されるものである。機関投資家中心の市場であるからと言って、決していつも合理的な株価形成がなされているとは言い切れない。

株式投資において個別銘柄のファンダメンタルズ分析は重要である。しかし、もっと大事なのは需給に対する見通し、世界経済の見通し、もっと直接的に言えば、投資家心理を読むことである。

マスコミの市場コメントを見る限り、香港市場の下落を中国のマクロ経済と結びつけて考え過ぎているように思う。株価決定メカニズムに対する思い込みが強すぎるからであろう。短期的な動きに関しては需給要因の方が強い。需給要因は常にファンダメンタルズを反映するわけではない。シンプルにいえば、株価は“売りたい人、買いたい人がどう考えるのか”によって決まるだけである。“お金がないから売る、あるいは、お金が余っているから買う。”こういうことで株価が決定されるということをもっと意識した方がいいだろう。

重要なことは“これからどうするか”である。機関投資家はいつになったら買い始めるのだろうか?彼らが出動する前に仕込みを済ませておきたいところである。見方を変えれば、今の香港市場は“宝の山”である。

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本土市場も弱気相場続く

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中国株投資家のみなさんこんにちは。

引き続き株式市場は厳しい下げに見舞われています。欧米機関投資家のウエイトが大きい香港市場が下げるのは仕方がないでしょう。国際的に投資家のリスク回避が極端に進んでおり、買い手が付きません。

先週は金先物市場から資金が流出したほどです。価格変動リスクの大きなものに対する拒否反応は強まるばかり。香港市場は新興国市場の代表格です。ハイリスクハイリターンの商品として売り込まれることは仕方のない面もあります。

しかし、本土市場は本土の投資家が中心の市場です。金融市場には厳しい規制があり、外国人投資家の売り買いによる影響は限定的です。本土市場は海外とは別の要因で売られているということです。

経済成長率の鈍化を心配する市場関係者が増えてきました。マクロ面ではしばらくの間、踊り場状態が続いていたのですが、そこから滑り落ちそうな状況となってきました。しかし、気になるのは、マクロよりもミクロです。10月に入れば第3四半期の業績とともに第4四半期の予想が注目を集めるようになるでしょう。これまで業績見通しは好調で、しかもバリュエーションは史上最安ということが、株価の下支え要因となってきました。その根拠が少し揺らぐことで、株価の下落が止まらなくなることが心配です。

もっとも、株価低迷の最大の要因は、金融引き締め政策の継続です。中国人民銀行の周小川行長は24日、IMFの国際通貨基金委員会(IMFC)に出席し、金融政策について発言しています。“インフレ、経済成長、就業、国際収支の4つを均衡させることが中国人民銀行の目標である”などと発言しており、基本的な政策スタンスは変わらないようです。

政策スタンスが変わらない理由は物価が下がらないからです。国家統計局が最近発表した全国50都市主要食品価格データによれば、9月上旬、中旬の食品価格は、肉類、瓜などを中心に上昇、それぞれ前期(前の旬)と比べ0.8%、0.2%上昇しました。対前年同月比となると、前年の物価水準が上がってきているので、9月のCPI上昇率は8月と比べ若干低くなる可能性がありますが、それでも金融政策を変更できるほど下がるわけではないでしょう。

こうしてみると、暗い話ばかりですが、その暗い話の中にこそ、明るさが見いだせるように思います。最近、国際農産品先物価格が大幅に下落し始めていますが、これは輸入穀物価格の下落を通じ、食品価格全体の抑制に効果があるでしょう。世界中の投資家はリスク回避に動き始めました。中国からも資金が抜けていくはずです。これも物価安定には大きな効果があります。

また、何といっても業績の伸びが鈍化しそうです。国内の需要も鈍化するでしょう。一方で、輸出も鈍化するでしょうが、その結果、輸出品の一部が国内市場へ流入、供給圧力が高まって、物価を下げることになるでしょう。このように考えると、物価はこれから上がり続ける要素はあまりないと思います。

 物価が下がって、景気も悪くなれば、政府はどうするか・・・。10月に入れば、本土市場は底打ち反転するだろうと予想しています。

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不動産価格下落は買い材料?

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中国では“銀九金十”という表現がある。“9月が銀で、10月が金である”といった感じであろうか。秋になると気候が良くなるので、消費者の購買意欲が高まり、物が売れる時期となる。不動産も同じで、夏枯れを過ぎると、実り秋が待っている。

一方、2009年12月から始まった不動産価格抑制策は現在も続いている。金融引き締め政策に加え、都市を限定した購入制限、不動産課税の強化など、いろいろな政策が打ち出されているにもかかわらず、不動産価格はなかなか下がらなかったのだが、ここにきて、ようやく下がる気配が見え始めている。

国家統計局が発表した70大中都市住宅販売価格調査によれば、8月の新築商品住宅(保障性住宅は含まない)価格が7月と比べ下落した都市は16、横ばいであった都市は30であった。7月の時点で、下落、あるいは横ばいであった都市数は31であり、8月は15都市ほど増えている。中国全体で不動産価格は下落傾向にある。

万科、中海地産、保利地産、富力地産、金地集団などの大手不動産会社では、8月の不動産販売額、販売面積とも下落したようだ。これは今年に入って初めてである。特に注目すべき点は、販売価格が下がっている点である。

こうした傾向は9月に入っても、収まらないようである。

中原地産の不動産販売統計によれば、9月1~12日までの北京における不動産販売件数は1日当たり平均135件であり、今年の2月を除けば最低レベルとなった。また、中秋節(12日)の販売件数はわずか64件に留まった。深セン、上海など、1線級都市の販売状況は北京と同様であり、専門家の間では、不動産市況が大きく崩れる前兆ではないかといった意見も聞かれる。

冒頭で示したように、不動産企業にとって、秋は重要な季節である。各社、ここで大きな戦略転換を仕掛けるのだろうか。この秋の販売戦線がその後の不動産市況を左右するのではないか。こうした観点から、市場関係者は不動産市況の動向を注視している。

価格は下がり始めたようだが、ここで重要なことは、それが投げ売り競争に発展するかどうかである。しかし、そうした可能性は低いように思う。

確かに不動産在庫は増えており、歴史的な高水準にある。また、金融引き締め政策により、一部の業者では資金繰りが悪化しており、売り急ぎが起きかねない状況である。しかし、実際売り急ぎが起きて価格が下落し始めたわけではない。

1線級都市で不動産価格が下がっている主な理由は、販売物件の主体が、市街地から、郊外へと移っているからである。郊外物件は安いので、平均販売価格は下がることになる。つまり、価格下落は投げ売りが起きているからではないということである。

また、不動産会社の経営戦略には抜け目がない。政策発動以来、開発の重点を、価格が上がっていない地方にいち早くシフトさせている。第1線から第2線、現在は第3線、第4線都市へと重点を移している。こうした状況で価格の高い都市の販売量は減っている。足元で起きている販売量の減少は、販売不振で売れ残りがたくさん出ているからというよりも、不動産会社が先手を打って供給を減らしているからといった面がある。確かに度重なる政策の影響で、価格は下がり気味である。しかし、不動産会社の供給調整は思いのほか柔軟である。

不動産業界では、予約販売が常態化している。予約販売とは、建設途中の段階で販売してしまう制度である。正式な契約なので、その後簡単に解約するわけにはいかない。購入者は契約時に頭金を3割程度払っているし、銀行とのローン契約も済ませている。つまり、予約販売が終わっている物件は、実際に建物は完成していなくても収益は確定している。ちなみに、決算処理にはある程度の自由度がある。多くの場合、売上がたつのは、完成後である。

さらにいえば、一区画を大規模に開発するような場合、建設の進捗状況、需要の強弱によって、いくつかのブロックに分けて、タイミングを計り、逐次販売する。不動産会社のリスク管理は案外しっかりしている。

“不動産は上がるから買い手があるのであって、下がるなら買い手は現れない。”これは、住宅という商品の性格を熟知している不動産会社の幹部たちの共通した見方である。大手が投げ売り競争を仕掛けることはないだろう。問題はリスクを取って、高級物件中心に開発を行った一部の中堅以下の不動産会社である。そうしたところは投げ売りを行いかねない。1線都市、2線都市の高級物件市場に限れば崩れることはあるかもしれない。

では、株式投資を考えた場合、不動産価格の下落はネガティブなのだろうか。本土のアナリストは、どちらかと言えば強気である。不動産価格が下がり始めれば、政府の政策はようやく緩和される。価格は一時的に下がっても、長期に下落が続くことはないと予想している。長期投資家にとってはむしろ買いのチャンスである。


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本土市場の回復が先である

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中国株投資家のみなさんこんにちは。

世界全体で景気減速懸念が高まっていますが、2人の中国人(1人は台湾籍)が世界経済、中国経済についてコメントしています。それぞれのテーマを原文のまま載せると次のようになります。

林毅夫:全球经济存第二次探底风险(グローバル経済は二番底を付けるリスクあり)

http://finance.ifeng.com/hk/sckx/20110919/4615940.shtml

姚景源:中国经济不会二次探底(中国経済は二番底を付けることはない)

http://finance.sina.com.cn/stock/stockptd/20110919/134110502547.shtml

まず、世界経済の予想についてですが、これは世界銀行のチーフエコノミストで前中国政府顧問の林毅夫氏による意見です。最近、新華社の取材に答えて次のように発言しています。

“現在世界経済が直面する最大の問題は、先進国における国家債務危機によって引き起こされる金融市場の動揺であり、世界経済は二番底を付けるリスクがある。もっとも二番底を付けるのではなく、先進国経済が長期にわたって低成長を続ける可能性の方が高いだろう。先進国は政治的に共通認識を持ち、うまく債務危機を処理しなければならない。短期的に見れば、欧米は積極財政政策によって経済を刺激しなければ、失業率は増加し、経済成長率は鈍化するだろう・・・。”

次に中国経済の予想についてですが、これは国家統計局の元チーフエコノミストである姚景源による意見です。17日に開かれた第4回中国非鉄金属先物サミット会議で次のように発言しています。

“投資については新規投資プロジェクトが減っている。輸出については生産コストの上昇、人民元の上昇といった困難な問題を抱えている。また消費については、これまで牽引してきた自動車産業、不動産産業が政策的な調整を強いられている。経済成長は鈍化しているが、これは中国政府が主導的にコントロールしている結果である。経済成長方式が政府による刺激によるものから内生的(自発的)なものに変わろうとしているが、これは望ましいことである。現在は、2008年に発生した通貨危機に対する対応の副作用が出ている状態である。局面は複雑で、リスクや不確実性が存在するが、政府がそれらをしっかり判った上で主導的にコントロールしているので、二番底を付けるようなことにはならないだろう・・・。”

中国、世界の経済システムを熟知する2人の中国人(ただし、林毅夫は台湾籍、中国本土での業務経験が長い)が言うことなので、これ以上何も言うことはありません。

重要なことは、こうした前提で投資を考えるとすればどうなるかということです。残念ながら先進国は長期に渡り成長が鈍化するといった前提なので、リスクマネーは出にくくなるでしょう。しかし、中国では、経済減速は一時的であり、回復後は内需中心の自発的な成長が続くのですから、株式市場は活況となるでしょう。不動産、銀行、素材といった景気敏感株から消費関連まで、幅広いセクターが有望となるでしょう・・・。

足元の状況は相変わらずです。香港市場における主要投資家である欧米機関投資家は中国経済に対して悲観的です。それこそ二番底もあり得ると考えている機関も少なからずあるでしょう。想定通りだとすれば、一体どこでその見方が変わるのか?

インフレが収まった時点なのか?政府が金融引き締め政策を緩め始めた時点なのか?それとも統計数字が上向き始めた時点なのか・・・?

本土市場の回復がすべてだと思います。上海総合指数が底打ち反転、上昇トレンドが出始めた時点で、欧米機関投資家の悲観は楽観に変わっていくでしょう。じっとその時を待ちましょう。

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踊り場が続く中国経済

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セメント株が急落した。9月2日から9日にかけて、中国建材(03323)は▲19.7%、安徽コンチセメント(00914)は▲16.0%、北京金隅(02009)は▲15.0%、中国中材(01893)は▲11.9%、それぞれ下落した(いずれも終値ベース、以下同様)。この間、ハンセン指数も下げているが、下落率は▲1.7%に過ぎない。H株指数でみても、▲1.8%の下落に留まっている。

ちなみに前週のセメント株は急騰した。8月26日から9月2日にかけて、中国建材(03323)は10.1%、安徽コンチセメント(00914)は6.9%、北京金隅は10.0%、中国中材(01893)は16.2%上昇している。この間のハンセン指数の上昇率は3.2%、H株の上昇率は3.5%に過ぎない。上期業績が好調であったことや、今後の業績見通しが良いことを材料に大きく買われたのである。この時点でセメント株は相場反転のけん引役であった。

一体セメントメーカーに何があったのか・・・。暑い夏が終わり、9月に入ると、建設需要の最盛期となる。それに合わせてセメント需要も大きく盛り上がる時期であるが、どうやら数量が出ていないらしい。ほんの1週間の違いで、業界関係者の需要見通しはドラスティックに変わったようだ。

一部のアナリストは、セメントメーカーの業績はピークアウトしたと判断し始めた。もうしばらくセメント需要が盛り上がらなければ、下方修正レポートが沢山出て来るだろう。もっともその時には株価は下げきっているだろうが。

セメント需要が盛り上がらない要因として、7月に発生した高速鉄道事故を上げるアナリストもいる。しかし、足元で大きな影響が出るような話ではない。不動産建設需要が落ち込んでいるというのが“正解”だろう。

商品不動産の価格がこれから下がるのではないかといった見通しが、コンセンサスとなりつつある。秋の販売シーズンは遂に値下げ競争に突入するのではないかと予想される。セメント需要は直接不動産販売の影響を受けるわけではないが、不動産需要見通しが弱まれば、当然不動産建設需要は弱まる。足元ではそうした動きが鮮明になっているのかもしれない。

もう一つ考えられるのは、保障性住宅建設需要を過大評価し過ぎていることだ。政府主導による保障性住宅建設が進んでいるが、商品住宅建設需要の落ち込みをカバーしきれないのではないか。

いずれにしても、不動産建設投資は設備投資全体に大きな影響を与える。足元のセメント銘柄の株価動向を手掛かりに予想する限り、設備投資の先行きは怪しい。

ここで、客観的なデータで以て中国経済の現状を確認してみよう。国家統計局は9日、8月の月次統計を発表した。主な結果を示せば以下の通りである。

設備投資(1~8月累計)は25.0%増、1~7月累計と比べ0.4ポイント悪化した。小売売上高は17.0%増、7月と比べ0.2ポイント悪化した。工業生産は13.5%増、7月と比べ0.5ポイント悪化した。

こうして数字だけ並べてみると、随分悪いようだが、グラフにして、更に3カ月移動平均をかけてみると、いずれも現段階では踊り場状態であることがわかる。もっとも、グラフをいくら一生懸命見ても、この先、経済は立ち直るのか、落ち込むのかその方向性はつかめない。ただし、ミクロ面から見ると、下向きのトレンドが出そうな感じである。

少し本質的なことを考えてみよう。経済が振るわない理由は明白である。一つは、国務院が引き締め政策を実施しているからだ。

国務院はストック価格、物価を抑制しようとしている。不動産業界に対しては、業者、地方政府、消費者に対して、総合的な政策を打ち出しており、商品不動産価格の上昇を厳しく抑えようとしている。

また、物価に対しては、直接的な価格関与、供給拡大などの対策も行われているが、中心となるのは金融政策である。利上げ、預金準備率の引上げ、公開市場操作、銀行への窓口規制などを通じ、マネーサプライをコントロールしようとしている。

もう一つの理由は、国務院が積極的に経済発展戦略を推し進めないからである。中国経済の核心は国有セクターであり、国務院による計画が結果的に総需要の動向を大きく左右する。ストック価格、物価の抑制を最優先するあまり、国務院は積極的に発展戦略を実施できないでいる。国務院が経済にブレーキをかけ、アクセルを踏もうとしない以上、経済は加速するはずはない。

統計データに関しては、もう一つ重要なものが残っている。それは消費者物価指数(CPI)である。結果は6.2%上昇で、7月と比べ0.3ポイント低下した。本土機関投資家の予想は5.9~6.2%に集中していたので、コンセンサスの範囲内ではあるが、若干高いかなといった結果であった。

今後の国務院の方針ははっきりしている。今年後半も、ストック価格、物価の抑制を最優先させるつもりである。国務院は、“ストック価格、物価の上昇は、経済減速よりも危険である”と考えているということだ。

しかし、経済が減速すれば、雇用が守れず、社会は不安定化する。共産党がもっとも恐れるのは経済減速のはずである。“社会の安定を保つためには、実質ベースで7~8%成長を死守しなければならない”のではなかったのか。

足元の成長率は、第2四半期では9.5%である。余裕があると言えばそれまでだが、現在が“踊り場”で、そこから“滑り落ちる”ようなことになると、後で面倒なことになりそうだ・・・。

今後の経済見通しについては、見方が分かれるところである。一つは、“国務院は経済をコントロールできず、中国はスタグフレーションに陥るだろう”といった見方。もう一つは、“国務院は経済をコントロールする能力がある上で、インフレ抑制に全力を挙げているのであるから大丈夫だ”といった見方である。結局、経済は“国家がコントロールできる”と考えるのか、“国家の力には限界があり、うまくコントロールできない”と考えるかの違いである。

投資には前提が必要である。神学論争に近い問題をあれこれ考えてもしょうがない。最後はどちらを信じるかである。


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