若林栄四 ニューヨークからの便り wakabayashi

NYダウ昨年12月の最高値を更新出来ず

2025/02/04

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【米国株式相場をNYダウで見るにあたって、ドル・円と同じく17年サイクルがあるのではないかと思い調べてみると見事にある。
17年サイクルは黄金律16.875年(540÷32)あるいは、ダブルペンタゴンの最下端から最上端までの時間距離(38.2+30.9=69.1)すなわち69四半期(17.25年)が高値を規定することが分かった。
NYダウでは、1956年第2四半期高値524ドル、1973年1月1067ドル、1990年7月3010ドル、2007年10月14198ドル、今回は24年12月4日の45073ドルとなっている。
1956年の場合その後の下落は20.6%、1973年は46.5%、1990年は21.8%、2007年は54%となっており、この17年サイクルは正確に、大きな天井を規定してきている。
以上から見て、今回の天井はまず12月4日の高値45073ドルであろう。】

というレポートを2週間前に出した。

その後相場は再び上昇し、上記の45073ドルの高値に迫った。

戻り高値は1月31日の45054ドルと、最高値に19ドルまで迫ったが、この45000ドルトライは、今のところ成功していない。1月31日は朝10時に高値45054ドルを見たが、その後引けに向けて500ドル反落、1月月足は44544ドルとなった。

つまり17年サイクルの天井説は覆されていない。

では1月31日の高値は何だったのか。これを黄金律で解析するとまず日柄では、23年10月27日の安値32327ドルからの黄金律短月(28日)162単位の16.2か月の日柄は(28×16.2=454日)で、1月24日となる。NYダウは1月31日が高値であったが、SP500は見事に1月24日が6128の高値とこの日柄は美しい。

NYダウのレベル観を考えると、2022年10月13日の安値28660ドルの安値から上げた四半期足の54度交差点は黄金律16180ドルを加えた44840ドルがほぼ絶対のレジスタンスとなっている。昨年12月4日の高値45073ドルはそれを233ドルオーバーシュートした。12月期末相場は42554ドルと約2500ドルの長い上髭が出ている。

これだけの上髭が出ると、一般的には必ずその上髭を試しに行くのが相場の常識である。

1月後半の株高はまさにその上髭を試しに来た動きである。

1月28日、1月31日と2日にわたって44976ドル、45054ドルと12月の上髭をトライした。ザラ場では上値を伸ばしたように見えるが、今のところは日足の引けで上記の絶対のレジスタンスの44840ドルを大きく超える動きにはなっていない。1月30日の44882ドルが日足の引け最高値である。

もしこの状況が続き相場が反落に転じると、きれいなダブルトップ・フォーメーションとなり第2次ITバブルの頂点に相応しい形になる。しかもその天井は17年サイクルそのもののタイミングである。(前回天井は2007年10月10日の14198ドル)

では今回SP500 はどうかというと昨年12月6日の高値6099を今回の1月24日の高値6128で若干上に抜いている。

これはやはり日柄で見ると、23年10月27日の安値4103からの短月16.2カ月の黄金律であり、この4103の安値に黄金律161.8単位2022.5(16180÷8)を加えた6125.5をトライしたものと思われる。

第1次ITバブルの時は2000年1月14日にNYダウが天井、3月10日にNASDAQ、3月24日にSP500がそれぞれ天井を付け暴落に転じた。

今回は12月4日にNYダウ、12月16日にNASDAQ、1月24日にSP500と同じ順番に並んだ。NYダウはダブルトップ、SP500は新高値で、これは典型的なベアリッシュ・ダイバージェンスでもある。(2種の同種の指標が一方は新高値を更新せず、もう一方は新高値を更新した場合、相場がピークをつけることが多い。これをベアリッシュ・ダイバージェンス―弱気の不一致と呼ぶ)

もう少し客観情勢を俯瞰しなければ確たることは言えないが、米国株は17年サイクルの天井を付け、これから大幅下落に転じるもののように見える。

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プロフィール

わかばやし・えいし
若林栄四

1966年東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍中。

【著書】
・黄金の相場予想
・世界一やさしい図解FXの教科書
・異次元経済 金利0の世界
・富の不均衡バブル
・etc

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