若林栄四 ニューヨークからの便り wakabayashi

トランプ就任100日:FDR以来の仕事量と米国経済への影響

2025/05/02

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4月30日で47代米国大統領の就任100日目ということでメディアは特集を組んで、評価している。

この大統領ほど就任100日で仕事をした大統領は1933年に就任した32代のFRANKLIN DELANO ROOSEVELT(FDR)以来という評価である。

FDRは1933年就任で、大恐慌の底にあえぐ米国を救った偉大な大統領として、歴代3本の指に入る大統領と言われている。

今の47代は仕事の量は多いが、せっかくうまくいっていた米国を大恐慌に導く役割を担っていることになりそうだ。

奇しくも今年の3月5日は、1929年9月3日の大恐慌の始まりである、NYダウ最高値386ドルを付けた日から95.5年(黄金律では100年が95.5年に置き換えられる)の記念日であった。

SP500は2月19日に天井をつけて、3月3日には104ポイントの急落を示し、まさに47代は米国の大恐慌以来の株式相場の崩壊の先鞭をつけ始めた。

この大統領は4月2日に何を血迷ったか、解放の日(Liberation day)と称して世界中の敵味方関係なく一斉に高額の相互関税をかけることをとくとくと発表した。

4月3日から7日までの3営業日ですでに10%安までお落ちていた株価がさらに10%急落、4月7日の安値は天井から21.3%の安値までを見た。

この出来事で、47代はまず間違いなく歴代最悪の大統領の候補の筆頭に登場することになりそうだ。

FDRは就任100日で76本の法律を制定させ大統領が署名した。

47代の人は100日で5本の法律に署名したのみである。その代わりこの人は142本の大統領令に署名している。

法律になると簡単にはリピール(廃案)できないので今日でもFDRの署名した法律が多数残っている。

一方大統領令は、後任の大統領の署名で全部リピールすることができる。

現実に46代のバイデンが署名した42本の大統領令は、トランプ就任とともにほとんどがリピールの憂き目にあっている。

FDRは100日で作った法律が92年後の今も効力を発揮している。

トランプのMAGAアメリカンの法律案も議会を通じて、時間をかけてトライすれば、議会は両院とも共和党なので、法律にできないことはない。ただそれには議会を説得し、両院を通過するというプロセスが必要である。トランプは立法府の存在を完全に無視している。

大統領は全能で、大統領令で世の中は動くと信じているのである。ちなみに彼は三権分立を完全に無視してSCOTUS(supreme court of the united states),最高裁以下連邦裁の指示を完全に無視している。裁判所は47代ホワイトハウスの大統領令に対し123件の反対判断を示しており、47代に反抗する機関として機能しているが、問題は裁判所には、その反対判断を強制する手段を持っていない。

ということで47代はすべて大統領令で政治を進めるつもりだろう。

この100日間で確かに47代は信じられないほど仕事をして、米国や世界を騒がせたが、常識から逸脱した行為は長続きしない。必ず揺り戻しがある。 この仕事ぶりは次の政権ですべてひっくり返されて元の木阿弥になることはほとんど自明である。

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プロフィール

わかばやし・えいし
若林栄四

1966年東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍中。

【著書】
・黄金の相場予想
・世界一やさしい図解FXの教科書
・異次元経済 金利0の世界
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