若林栄四 ニューヨークからの便り wakabayashi

米国株下落のタイミング

2023/12/11

米国株は、昨年10月13日の底からの59週の日柄が12月1日に尽きている。相場はその日柄に向けて懸命に上げてきたが、それ以上はなかなか難しそうである。チャートで見ると、どうしてもここから株価下落だが、世の中は必ずしも筆者に賛成せず、高値保ち合いで頑張っている。

昨年10月13日の安値からの59週目は過ぎたが、62週目までやるつもりなのかもしれない。62週目で計算すると12月21日がその正中点となる。

クリスマスである。となると、相場は呆けてしまって、しかるべき動きは来年まで持ち越しとなるかもしれない。

いずれにせよ、米国株は無理やりここまで上げてきたので、日柄が来れば急落間違いないだろう。

識者の中には、2024年は大統領選挙の年なので、FRBは必ず金利を下げ、景気に配慮するはずだと主張する人が多い。

FRB は本来政治的には中立のはずであるので、大統領選挙に向けて政治判断で金利を操作することはあり得ないと筆者は考えている。

今のところバイデン・トランプの対戦となると、百歩譲って、政治的にFRBが動くとしても、金利を下げることが誰に有利に働くのかもはっきりしない。この種のありそうな嘘の話は発言するだけで、本人の知性を疑われるので、発表しない方がよい。

あるとしたら、大統領選挙があるので、金利の上げ下げは見送るというのがあり得る選択肢かもしれない。

となると、筆者が考えている、米国株の大幅安に対してFRBの介入的な動きはなく、急落を放置するというのがありそうなアクション(インアクション)ではないか。

少なくともウォール・ストリートが期待するような早期の利下げはありそうにないだろう。

大統領選挙の年の悲劇である。

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プロフィール

わかばやし・えいし
若林栄四

1966年東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍中。

【著書】
・黄金の相場予想
・世界一やさしい図解FXの教科書
・異次元経済 金利0の世界
・富の不均衡バブル
・etc

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