ドル円相場は乱高下
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先週のドル円相場は週末に勃発したアメリカによるイランへの直接攻撃による“中東リスク。”による、“有事のドル買い。”と、原油価格の上昇を背景に日本の貿易赤字拡大への警戒感から円売りも入って、ドル買い&円売りの状態となり、乱降下した。
2025年6月30日号
先週のドル円相場は週末に勃発したアメリカによるイランへの直接攻撃による“中東リスク。”による、“有事のドル買い。”と、原油価格の上昇を背景に日本の貿易赤字拡大への警戒感から円売りも入って、ドル買い&円売りの状態となり、一時148.03の高値を示現したものの、その後トランプ大統領が得意の自身のSNS.でイランとイスラエルが停戦で合意したと伝えると一気に逆のリスクオフの動きとなり、週央にはパウエルFRB.議長が“インフレ低下と雇用が低迷なら早期の利下げの可能性がある。”と早期利下げに対して柔軟性を示したことや、タカ派と目される田村日銀審議委員が米国との関税交渉中の利上げについて消極的な見方を示しながらも、“物価上振れリスクが高まれば不確実性高くても果断な対応あり得る。物価目標の実現時期は前倒しの可能性十分にある。”などと発言したことを受けて円買いが進み、週の安値143.76迄急落した。
その間、その他主要通貨に対してもドル安は進み、又利下げ期待が高まったことを好感してニューヨーク株式市場の3指数とも上昇してナスダックとS&P.は終値ベースで過去最高値を更新し、ドル安、株高そして金利低下(債券高)と言う面白い動きを見せた。
6月23日 | 6月27日 | 変化 | |
---|---|---|---|
ドル円 | 146.12 | 144.66 | -1.0% |
ユーロドル | 1.1578 | 11.1719 | +1.2% |
ポンドドル | 1.3527 | 1.3718 | +1.4% |
豪ドルドル | 0.6458 | 0.0.6528 | +1.1% |
NYダウ | 42,581.78 | 43,819.27 | +2.9% |
ナスダック | 19,630.98 | 20,273.46 | +3.3% |
S&P. | 6,025.17 | 6,173.07 | +2.5% |
米10年債利回り | 4.341% | 4.274% | -0.067% |

先週のレポートでも述べた様にトランプ大統領は、自身の支持母体のMAGA.派(米国第一主義を掲げる共和党の一派。)の反対を押しのけて迄中東でのさらなる軍事関与を望んでいないと共に、イラン自身もアメリカとイスラエルを敵に回しての“負ける戦。”に何時までも人と金を注ぎ込むわけにも行かず、事前通告を行った上でのカタール在住のアメリカ軍に対しての攻撃と言う、“形だけの報復。”で停戦に持ち込まざるを得なかったのだろう。
ここまであっさりとイスラエルとイランが停戦に応じるとは思っていなくて、“良いレベル。”でのドル売りのチャンスを逸したが、それにしても矢張りドルの弱さが目立つ1週間であった。
それにしても自分の意見に反対する利下げに慎重なパウエルFRB.議長に対して退任を迫り、自らの一方的なトランプ関税は棚に上げて、カナダが米テクノロジー大手に課すデジタルサービス税は“米国に対する直接的かつ露骨な攻撃。”だとし、カナダとの貿易協議を突然打ち切り、今後1週間以内にカナダ製品に新たな関税率を設定すると表明
するなど、トランプ大統領の横暴ぶりは留まることを知らない。
挙句の果てにイランに対するB2.爆撃機による攻撃が戦争を終結させたことを、何を血迷ったか広島と長崎に対しての攻撃となぞらえた。
同盟国であるカナダに対して喧嘩を吹っかけ、日本に対しても“我々は日本車を一杯買っているのに、何故日本はアメ車を買わないんだ?”と難癖をつける。
この男には、デリカシー(気配り、配慮)と言う言葉は持ち合わせないのだろう。
矢張りこんな男がアメリカの大統領かと思うとアメリカの通貨(米ドル)を買う気はしないと思うのは、筆者の偏見なのであろうか?
今週は6月の米雇用統計の発表が有るが、市場予想は失業率が4.3%で5月の4.2%から悪化、非農業部門雇用者数は前月比11万人で5月の13.9万人からの増加幅の減少、又平均時給の伸びも対前年比、対前月比共に鈍化が予想されており、雇用情勢の悪化が見込まれている。
先週末から今週にかけては、次期FRB議長候補のウォラーFRB理事やタカ派のボウマンFRB副議長が7月FOMCでの利下げの可能性にも言及して、早期利下げへの警戒感が高まりつつあり、7月29-30日開催予定のFOMC.=(米連邦公開市場委員会)での利下げの可能性を探る展開となるだろう。
中東情勢が意外に(?)早急な落ち着きを見せた今、再びSell on rallies.(ドルが上がれば売る。)の戦略に戻したい。
此処2週間、ドル円相場は143円台から148円台、そして144円台へと目まぐるしい動きを見せたが、シカゴ・IMM.は一時の150億ドル超の大きなドルの売り持ちからは減らしてはいるものの、依然として高水準のポジションを保持している。

個人投資家残高
前々週 | 前週 | 6月23日付け | 比較 |
+5億ドル | +9億ドル | +3億ドル | -9億ドル |
@144.86 | @144.12 | @146.09 | +1.97 |
シカゴ・IMM
前々週 | 前週 | 6月24日付け | 比較 |
-125億ドル | -113億ドル | -113億ドル | 0 |
@144.62 | @144.74 | @146.12 | +1.38 |
今週のテクニカル分析
見立ては、一旦上切った145.50のレジスタンスが再び重しとなり上値の重い展開を見る。
今週のレンジ
ドル円:143.00~145.50
ユーロ円:168.00~171.00


さて、私事で恐縮ですが昨年11月に発覚した肝門部領域胆道癌ステージ4.が半年に渡った点滴による18回の抗癌剤投与が功を奏してステージ3B.に降格(?)して癌の摘出手術が可能となりました。
(ステージ4.だと手術が出来ない事は知りませんでした。手術をしても無駄だからだそうです。)
7月7日(月)が手術日で、5日(土)から入院します。
手術は12時間以上にも及び、術後1週間はHCU.(高度治療室)で過ごし、その後凡そ2週間程を病室で過ごして経過が良ければ3~4週間で退院の運びとなります。
恐らくHCU.ではPC.はおろか、スマホの閲覧も出来ず市場動向が全く掴めません。
そういう訳で7月7日と、もしかしたら14日の両日レポートをお送りすることが出来ない可能性が大であることをお断り致します。
なるべく早く復帰出来ることを望んでおりますので宜しくご理解の程をお願い致します。 酒匂隆雄。

酒匂隆雄 (さこう・たかお)
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
公式ブログ:酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」
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