日米金利高&ドル高。
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米中首脳会談を前に来日したスコット・ベッセント財務長官は、日本の為替介入に理解を示したものの、市場では介入期待が後退し、ドル円は再び158円台後半まで上昇した。
背景には、中東情勢の緊迫化による原油高と、予想を上回る米インフレ指標を受けた米長期金利の上昇があり、「日米金利高・ドル高」の流れが鮮明となっている。
2026年5月18日号
米中首脳会談に随行したベッセント財務長官がトランプ大統領が中国に降り立つ二日前に来日し、高石総理と片山財務大臣との会談を行った。
会談の詳細については不明であるが、会談後ベッセント財務長官は、
-日米の経済連携をあらためて確認出来て嬉しい。
-為替市場の変動性を巡る意思疎通はコンスタントで堅調である。
-為替の過度な変動、望ましくない。
-植田総裁が日銀を成功へと導くと強く信頼している。
-日本経済の強さが為替レートに反映されるだろう。
と述べて、今回の我が国政府・財務省のドル売り&円買い介入に対して理解を示した。
片山財務相も、“為替政策について米国から完全な理解を得た。”と発表したが、市場の反応は鈍く156.71を安値としてじり高となり、週末には158.84の高値を付けた後158.79で高値引けした。
この背景に付いては会談後に一部が期待していた果敢な介入が無かったことと、何と言っても一向に改善が見られないイラン情勢を反映して原油価格が高止まりし、又相次いで発表された米国インフレ・データが何れも市場予想を上回って米長期金利が上昇した事が挙げられよう。
先週発表された米国4月の消費者物価指数が前月比は+0.6%と予想通りながら、前年同月比は+3.8%と予想を上回って、2023年以来の大幅な伸びを示し、食品・エネルギーを除くコア指数は前月比+0.4%、前年同月比は +2.8%といずれも予想を上回り、またその後発表された米国4月の卸売物価指数が前月比+1.4%、前年同月比+6.0%といずれも予想を大きく上回って、2022年以来の大幅な伸びを示し、コア指数も前月比+1.0%、前年同月比+5.2%、とこちらも予想を大きく上回って、約3年ぶりの大幅な伸びを示したことから、 米国の利下げ観測が後退し、10年債利回りは4.6%近くまで上昇した。
また、原油高に伴うインフレ懸念も米長期金利の大幅な上昇に貢献した。
日本10年債利回りも上昇したが、日米共に債券売りの結果としての金利上昇であり、ベッセント財務長官の嫌がるパターンとなった。
先週1週間の主要通貨、日米10年債利回り、そして先物原油価格(WTI.)を比較してみると、ドル、日米長期金利、そして原油価格の上昇が顕著である。
| 5月8日 | 5月15日 | 変化 | |||||
| ドル・円 | 156.70 | 158.79 | +1.3% | ||||
| ユーロ・ドル | 1.1786 | 1.1623 | -1.4% | ||||
| ポンド・ドル | 1.3635 | 1.3316 | -2.3% | ||||
| 豪ドル・ドル | 0.7248 | 0.7145 | -1.4% | ||||
| 米10年債利回り | 4.360% | 4.597% | +0.237% | ||||
| 日本10年債利回り | 2.470% | 2.700% | +0.230% | ||||
| WTI. | 95.42 | 105.42 | +10.5% | ||||
こう言った状況では中々介入は難しいのであろうか、その兆候は見られなかった。
とは言え、先週三村財務官は、“為替介入はこれで終わりと思ってはいけない。”と発言し、まあ本気なのだろう。
個人的な見解であるが、植田日銀総裁とも会談したベッセント財務長官は、日銀の6月の利上げについてある程度の言質を取ったのではなかろうか?
彼はかねてから、“円安の原因は日銀が低金利政策を取っているからであり、利上げが進めば自ずから円は強くなる。”と述べており、もし日銀の利上げが6月に行われれば160円を超えての大幅な円安進行は無く、それまでの時間稼ぎとして介入を行うのであれば、米国側としては何の問題も無いと言うところであろう。

要するにそれまでに介入でロケットの発射台を低くしておけば、宇宙の彼方(160円を超えるドル高&円安)へロケット(ドル円相場)が飛び進むという事は無いと言うことである。
今回の円安局面で、米国は自らの意思でレート・チェックを行ったが、これは極めて珍しい行動で個人的な意見ではあるが、日米協調介入も有り得ると思っている。
米金利高と原油価格上昇を受けてドルは上昇したが、週明けの値動きは緩慢である。
158.63でオープンした後、一時159.07迄上げた後介入と思しき売りで158.80迄下落した後に159円を天井として足踏み状態である。
先週11日時点で156円台迄下がった相場を見て、我が国の個人投資家は前週から僅かながら1億ドル買い足して9億ドルの買い持ちとなっている。

前々週31億ドルもドルの買い持ちを落としたシカゴ・IMM.は前週は11億ドル買い戻して12日時点で60億ドルの買い持ちとなっている。


両者共に先々週介入で5円以上もぶち下げられた事はよく覚えている筈であり、“ドルは買いたし、お化け(介入)は恐し。”と言う心境なのであろうか?
今週もイラン情勢の進展を見ながら、お化け(介入)が何時、どの様な形で出て来るかを見守る神経質な展開となりそうである。
お化けは、“ひゅー、どろどろ。”などと悠長に出て来てはいけない。
“わっ!”と出て肝を冷やす必要が有る。
そして見物人(円を売り持ちしている市場参加者)をお化け屋敷から遠ざけて、暫くは近付かない様に懲らしめてやれば良いのだ。
今週のテクニカル分析
今週のテクニカル分析の見立ては上サイドのレンジをブレークしたので上昇を見込むが、市場は買い持ちと見られ、介入の突然の下げに要注意。
今週のレンジ


ドル円:154.50~159.50
ユーロ円:183.00~188.00.

酒匂隆雄 (さこう・たかお)
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
公式ブログ:酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」
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