パーフェクト・ストームという表現がある。
幾つかの巨大なストームが同時に発生し、それらが複合的に作用しあって、スーパーストームを形成するということを形容するときに使われるものと理解している。
リーマンショックの際は米国、欧州は傷んだが、日本、中国は、あまり痛手はなかった。
それでも大恐慌以来の不況といわれた。
それに比べて、次に来るべき大不況は米国のスローダウン並びに資産市場の崩壊、中国経済のデット・デフレーションによる混乱(日本のバブル破裂を上回る規模の破壊)、EUの混乱並びにBREXIT による実験、アベノミクス逆転現象による超円高がもたらす日本経済の混乱と、先進国経済と中国経済を中心とした混乱が複合的に襲う。
これはパーフェクト・ストーム以外の何物でもない。
これからの5年間世界を襲うパーフェクト・ストームは果たして、資本主義経済が持続可能かという命題をわれわれに突きつけるほどのマグニチュード10クラスの大事件となろう。
マーケットや経済などというものは後付けでいくらでも説明できるが、もともと社会科学としての経済学は極めて不完全なものであり、将来の動向を占う方法論を持っていない。
フローの経済とストックの経済の乖離が限界までストレッチされた現在の資本主義の矛盾は一度大掃除が必要なタイミングに来ているということだろう。
次の著書の題名だけは決めた。
"パーフェクト・ストーム"である。