米国の大恐慌に先立つ1929年9月からの米国株価の大暴落を勉強している。
1929年9月3日に386ドルの史上最高値を見た後、10月24日の暗黒の木曜日辺りから様子がおかしくなり(272ドルまで急落)11月13日には195ドルまで暴落した。
その後翌1930年の4月まで戻りをやり297ドルまで戻り高を見るが、30年10月には195ドルの前年安値を下に切る。
その後は1932年7月まで相場はひたすら下落、40ドルで大底を付けた。
2年10カ月で約90%の大暴落であった。この株の大暴落を受けて世界恐慌がおこり、1941年まで米国経済は低迷する。
1941年日本軍の真珠湾攻撃を発端とする、第2次世界大戦への参戦でやっと米国経済は底打ちするのである。
今年の9月5日のNYダウ前日比275ドルの急落を見たときに1929年9月3日の天井を思い出した。歴史を振り返ってみると、1929年は共和党のフーバー大統領が就任した年である。
このフーバーはビジネスマン・政治家であり、トランプ大統領に似ている。もっともフーバーの方がまともな人間ではある。
さらに1929年は、米国議会の上院、下院とも共和党が多数党であった。大統領府、上院、下院の三者がいずれも共和党の支配下にあった。これも現在と同じである。
実はこの三者がいずれも共和党支配であったのはこの1929年が最後で、今年2017年まで88年間なかったことである。前回共和党が三者を独占した1929年に大恐慌の引き金を引く、米国株価の大暴落が始まったのである。
また当時の米国経済が、必ずしも好調ではないのに、株価だけは上昇したこと、あるいは貧富の差が今と同じく非常に大きくなっていたこと、財政健全化が政党の主要なスローガンであったことなど今の米国と共通する現象がみられる。
筆者の計算ではNYダウ21,800-900ドルは天井圏となっている。すでに22,179ドルまで8月8日に高値を見ているが、その後は高値揉み合いとなっている。
ITバブル破裂後の大底2002年10月の7197ドルからの59四半期の呪縛が外れるのは、今年10月に入り60四半期目に入るときである。
10月以降米国株は急激に下落に転じるのではないかと考えられる。
米国株価急落、米国長期金利急落、ドル・円急落が待っている。