若林栄四 ニューヨークからの便り

若林栄四(わかばやし・えいし)

1966年東京銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍する傍ら、日本では株式会社ワカヤバシ エフエックス アソシエイツ(本邦法人)の代表取締役を務める。著書:、『大円高時代』(ダイヤモンド社)、『ドルの復活 円の失速』(ダイヤモンド社)、『勝つドル 負ける円』(フォレスト出版/大竹愼一氏との共著)『黄金の相場額 2005~2010』(講談社)、文庫版『黄金の相場額』(講談社+α文庫)、『「10年大局観」で読む2019年までの黄金の投資戦略』(日本実業出版社/2009年2月)など。

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BREXITのイニシャルショックはマイナー・コモーション(騒動)に終わろうとしている。しかしその意味するところは重大であり、来年以降のユーロ・ドル急騰局面で、縁辺諸国のユーロ通貨同盟離脱のリスクが一層高まったといえるだろう。

そもそも第2次世界大戦の惨禍を繰り返すまいという決意でつくられたEUはそれ自体人類の英知の産物である。その理想は高く、理念は崇高である。

世界経済が順調に拡大する時代においてはこの人類の英知は、あたかも欧州をさらなる高みへ押し上げるもののように見えた。またその通貨同盟は多くの人々の賛同と称賛を浴びて、一時は準備通貨として米ドルをしのぐとも言われた。

2008年のリーマン・ショックで世界経済が明らかにデフレ時代に突入する中で、今まで隠されていたさまざまの問題点がクローズアップされたが、何よりもデフレに呻吟する中産階級の不満が蓄積しつつあった。

エリート階級が推し進めた人類の英知によるシステムに対する、中流、下層階級の反乱がBREXIT である。もちろん米国におけるトランプ現象もエリートに対する労働者の反乱という意味では同根である。これからの世界は米国を中心にさらにデフレが深化する方向にある。

人類の英知はますます現実世界から遊離して、反知性主義的なポピュリズムがはびこる時代を迎えている。その中で唯一の救いは、ここ30年間世界を席巻してきた新保守主義的な経済政策が明らかに敗北し、リベラルの方向に世の中が進もうとしていることである。

中流、下層階級の怒りや不満が政治に反映される時代になりつつあるということである。強欲経済からの脱却、貧富の格差の是正の方向に世の中は変わっていくだろう。

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直近の拙著'覚醒する大円高'で2022年65円の円高を予測している。

その背景として、2015年6月5日のドル高値125円86銭が時間と価格の両面で、これ以上はない美しいポイントを達成したということがあげられる。特に時間面ではすごい。1998年8月の147円62銭のドル高値からの16年10カ月目にこの高値を達成している。

この16年10カ月というのは黄金分割270年を16で割った数字で、マーケットでは頻出の天井、底の日柄である。言ってみれば、さらに16年10カ月後にドル高値を出す可能性があるということである。

16年10カ月後に高値を出すということは、通常の場合その半分の8年前後は相場が下がり続けるということを意味している。あるいはその下げサイクルの底までに8年を要するといってもよいだろう。もし8年を要せずしてドルの底を見る場合は、ドルの底はそれ相応に深くなるはずである。時間で来るか値幅で来るかの違いである。

歴史を振り返ると16年11カ月のインタバルの安値を見たユーロはその後10年上昇して、その上昇率は158%であったケースなどもみられている。今拙著で申し上げたケースでは100円79セント(1ドル125円86銭)の円が100円1.ドル53セント(1ドル65円)まで円高になるということで2022年とすると6年9カ月で93.6%の円高になるということを予測しているわけである。上記のユーロの例と比べてもそれほどめちゃくちゃなことではなく達成可能である。

為替相場がそれだけ動くのは、背景にゼロ金利があるのだろう。金利の調節が世界中ゼロ金利で意味をなさなくなった時、ひたすら為替相場が世界経済の安定剤として働くことになるだろう。世界経済を安定させるためには為替相場の安定が破壊されることが必要という皮肉な現象が起こってくるのだろうか。

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<こちらの記事はトレードトレードからのお知らせです>

みなさんこんにちは、トレトレスタッフです。

6/18(土) 赤坂アークヒルズクラブにて、「Flying Back Japan!」でお馴染みの若林栄四先生と川合美智子さんによる対談セミナーが開催されます。
「明日の世界マーケットはこう動きたがっている」と題し、近年の為替の値動きや金取引のマーケットの動向などについて対談する予定になっています。

セミナーについての詳細や参加方法についてはこちらの申込みページよりご確認ください。
6/18(土)若林栄四×川合美智子 対談セミナー

6/18アークヒルズセミナー画像
【日時】6/18(土) 開場12:30 開演13:00
           ※ 若林栄四×川合美智子 対談セミナーは16:30~18:00の開催となります。
【場所】赤坂アークヒルズクラブ
【お申込み方法】こちらの申込みページよりお申込みください。

※ 定員になり次第、締切りとなりますので、参加ご希望の方はお早めにお申込みください。

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いよいよ米国大統領選挙は、ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプの対決となった。この両者は、歴史的にみて、最高度に嫌われている大統領候補である。Strongly unfavorable -- 強く嫌いのパーセンテージが、ヒラリーは37%、ドナルド・トランプに至っては53%となっており、あと6カ月でこれがどれほど変わるか。

過去の例では6カ月でこれが大きく動くことはない。これは53%の人はトランプには投票しないということであり37%の人はヒラリーに入れないということである。

もともと大統領選挙は民主党が有利というのが常識である。選挙人の数が過半数を採れば大統領になる仕組みで、選挙人の総数は538人であるから270人の選挙人を集めれば大統領になれる。

州別に選挙人の数が決まっており、その州の人気投票で勝利した候補が、州の選挙人を総取りするというWinner take allの方式である。おおむね州により民主党色が強い州、共和党職が強い州、選挙ごとにどちらかにスウィングする州が決まっている。

1992年から2012年までの選挙で常に同じ党の候補を勝たせてきた州の選挙人数をみると、民主党242、共和党102となっている。つまり世の中の激変がないとするならば、最初からこれだけの差が付いている。

つまり民主党はスウィング州19州の選挙人194人のうち28人をとれば大統領選勝利ということになるのである。フロリダはスウィング州の中で最大の選挙人数の29人となっており、フロリダが民主党勝利となるだけで勝負はついてしまう。

これだけのハンディを跳ね返してトランプが当選するのは至難の業である。もちろん不可能ではない。だから現実に選挙を行うわけである。より保守的な見方では、民主党の217はまず確実、共和党は191が可能性として高いとするレポートもある。

その場合でもスウィング州で2008年2012年とも民主党に入れた州の選挙人を合計すると90となり、217プラス90で307と圧勝することになる。

つまりよほどのことがないとクリントンが勝つというのが選挙6か月前の数字である。

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今回東京からNY への帰路、サンフランシスコに寄って、あるヘッジファンドを訪問した。

このヘッジファンドはいい加減なものが多い業界では大いにまともで、50億ドル程度のアセットを運用している。マネジャーはスタンフォードのビジネススクールを出たいわゆるブレイニー(BRAINY―頭の良い)なヘッジファンドマネジャーである。

彼は米国株には弱気で、昨年NYであった時、筆者と意気投合し、この株式相場は2016年に入ったら急落するだろうという、筆者の日柄の研究から来るタイミング論が現実のものとなり始めた今年1月には大変上機嫌でよくメールしてきたものである。

頭の良い人間だけに何にでもはっきりした理屈がほしい性質である。

1月20日で底値を見たNY株が3月に向けて大きく上昇し始めた現象についての彼の解釈はトランプ現象である。ジャネット・イェレンFRB議長が、昨年12月の利上げの際のタカ派的なスタンスから年明け一転してハト派に転換したのは、金利上げで株価が下落すると、その不満からトランプ支持者が増えて、トランプが大統領に近づく恐れが出てきたので、リベラル派のイェレンが急にハト派に転身、その結果株価が上昇したという解釈である。

また中国が人民元安からわりと素直に経済改革を推進することにコミットしたのも、ルー財務長官がG20でアジアの連中に、あまり通貨安政策ばかり推進すると、これもトランプのバッシングの対象になり、トランプ大統領の出現に力を貸すことになるので、やめた方が良いと忠告したということになっている。

米国の金融当局はトランプの影におびえたり、あるいはトランプを出しにして、ほかの国を説得したりと大童でトランプ現象を政策に投影させてきた。まさに破竹の快進撃であったトランプに対する危機感は政府当局者の中では非常に強いものであった。

ところがそのトランプがウィスコンシン州でクルーズに破れ、共和党大会までに過半数の代議員の獲得がやや難しくなってきた。その上に失言が相次ぎ、この選挙戦で最悪の2週間といわれるほどトランプはメディアや、ほかの候補者から袋叩きにあっている。

そうした事情を勘案するとトランプ現象で足踏みをしていた米国株が、トランプの脅威が希薄化するにつれて、本来の暴落商いに入ってくるのではないかというのが、このヘッジファンドマネジャーの見方である。

トランプ現象で1月下旬以降の株式相場の戻りが演出されたかどうか筆者は知らないが、確かに4月は重要な日柄を迎えて、相場がいつ本来の暴落商いに戻っても不思議ではない。

昨年8月、今年1月と2度15000ドルのロウを見たNYダウには、結構強気の見方をする人が増えている。しかし日柄でみればこれからである。3度目の急落は15000ドルでは止まらないだろう。しかも相場は急落前夜の様相を示している。

トランプの凋落と米国株の下落が機を一にするという皮肉はよく考えられた喜劇である。

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