若林栄四 ニューヨークからの便り

若林栄四(わかばやし・えいし)

1966年東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍する傍ら、日本では株式会社ワカヤバシ エフエックス アソシエイツ(本邦法人)の代表取締役を務める。

【著書】
・黄金の相場予想
・世界一やさしい図解FXの教科書
・異次元経済 金利0の世界
・富の不均衡バブル
・etc

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米銃規制の実現性

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米国では9月から新学期であるが、新しくカレッジに入学する学生達への親のプレゼントで人気のあるのは、防弾装置の付いたバックパックである。

体の前に持ってくれば防弾チョッキになるわけだ。

 

この野蛮な国では、憲法上の理由で銃規制は難しいとされている。

トランプも言っているように、精神に異常をきたしている奴ら、あるいは白人至上主義者などを規制しなければならないという意見が多くある。

しかし30秒で20人を死傷させることができる銃が野放しになっていることが、根本の原因であることは、今年に入って銃乱射による被害者が既に250人(死者)を超えていることからも明らかである。

日本にも精神に異常をきたしている人は多い。しかし滅多に大惨事にならないのは銃が持てないからである。

マッカーサー将軍が支配者として敗戦日本に乗り込んできたときに、日本人は4-5歳児の精神年齢であると侮辱したらしいが、今の米国の銃規制の問題を見ていると、米国人は2-3歳児の精神年齢といわざるを得ない。

意味なく命を失う人が、毎年何百人もいて、それに対して政府はろくに何もしないで精神異常のせいにするという、この異常な大国はまさに社会の腐敗、民主主義の堕落(誰が考えても妥当な銃規制に反対する共和党)がその極に達しているといえるだろう。

このような政党が議会の一部を制し、ホワイトハウスも支配しているわけで、筆者がかねがね申し上げている、大恐慌でもやって、根本からやり直さないといけないところまで来ている。

どうせ銃規制も何もしないでお茶を濁すに過ぎないだろう。

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年末高値に注目

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NYダウの年足を研究している。

年足で見た最高値は2017年末の24,719ドルである。

2018年末は23,327ドルで今までの高値は24,719ドルである。

大恐慌安値は1932年7月の40ドルである。

この40ドルを黄金律618倍してみると24,720ドルとなる。2018年は高値26,951ドルまで見たが、引けは2,3327ドルである。

人間のパーセプション(※1)はいい加減なもので、年足の高値が25,000ドルに満たないことはとっくに忘れている。しかしこの24,720ドルは大事な節目の数字である。

2019年末の数字が24,720ドル以下ならば、完全にこの618倍が効いていることになりそうだ。

もう一つ大恐慌安値から50年目の1982年8月の安値770ドルから直近のブルマーケットはスタートしている。

そのスタートにダブルペンタゴンの高さ95.5単位の23,875ドルを加えると24,645ドルと、これもほぼ2017年末の24,719ドルと74ドルしか違わない近似値である。

以上の年足から見ると、今年年末相場が24,700ドル前後より下で終わる可能性がずいぶん高いと思われる。

今のレベルの26,000ドル台に目が慣れているマーケットの人たちから見ると、ナンセンスと思われるかもしれないが、筆者は大いにメイクセンスとみている。(※2)

 

 ※1 パーセプション perception 知覚、認知力、理解

※2 make sense 理にかなう

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大局は金融相場から業績相場

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FRB議長のパウウェルが利下げの方向を示唆したということで米国株が大幅に上昇するという馬鹿げたことが起こっている。

もっとも馬鹿げているのはその後付けの、コメントが馬鹿げているということである。

昨年12月相場急落があり、年初早々パウウェルが、金利上げをやめる発言をしたことから、市場が安心して4-5月まで相場が戻ったという経緯がある。もちろん筆者はそのようなことで相場が動くものではないという主義だか、一般的な説明はそのようになされている。

つまり金融相場的な発想である。

5月に入って米国長期金利が急落、あっという間に10年物で0.5%もの急激な金利低下となった。市場での解説では、金利の急低下は、景気の先行きを懸念させるとして、米国株価が急落を開始した。つまり景気が悪くなり企業業績が悪くなるという業績相場の発想である。

同じ金利下げが、最初は金融相場的な発想で株買いにつながり、5月に入っての株安は業績相場としての株安と言うことで、当然のことながら極めて分かりやすい局面に入ったと考えている。

ところが6月に入ると上記のパウウェルの利下げ発言で、株価が大幅に反騰するという矛盾した反応が起きている。

業績相場ならFRB議長も利下げを考えなければいけないほど、景気の先行きを懸念しているということで、株価は下がるのが当たり前である。

メディアは混乱していて、報道の仕方が、金融相場に逆戻りしたかのように論じている。

もともと相場の高下にいろいろ理屈をつけること自体が、無駄なことであるが、少なくとも話の筋を通すこともできていないマーケットメディアのお粗末さである。

これをあえて説明するなら、業績相場に入った米国株は、とりあえず売られすぎの反動で若干のリカバリーを見たが、一旦業績相場に入ったものは、金利下げあるいはその他の金融緩和策が終わるまで下げ続けるというのが一般的であると論評すべきである。

その逆で最後の利上げまでブルマーケットは終わらないというのは、今回のFRBの12月の利上げ、米国株の4-5月までの最後の上昇にはっきり表れている。

これからは金利を下げるから株価が上がるのではなく、金利が下がるから、株が下がるという業績相場に相場が変質していることを指摘できれば満点なのだが。

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NYダウが上がらなければ恐慌の入り口

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今回本を執筆中であるが、文明史と黄金律というテーマのところで、文明史最初のバブル破裂といわれる1637年オランダでのチューリップ・バブルと、近代資本主義下で起こった、19世紀の大恐慌、20世紀の大恐慌、来るべき21世紀の大恐慌が、完全黄金律の日柄で結ばれていることが分かった。

これを今詳述するのは難しいが、1637年のどちらかといえば滑稽で微笑ましく、可愛いこのチューリップ・バブルのエピソードが、数百年の時空を超えて、巨大な世界経済を破壊する大恐慌の日柄と結びついていることは大きな発見である。

その21世紀の大恐慌の始まりは2019年の米国株の天井である。その天井はいつ来るのかというと、今というしかない。

4月29日に昨年8月の高値8133を抜いて8176まで見たNASDAQ、5月1日にやはり昨年9月の高値2940を抜いて2954まで見たSP500 はまだ確定できないが、天井の疑いが濃厚である。NYダウは昨年10月の高値26951ドルに迫るがまだ抜けていない。4月23日に26695ドルまで迫ったが、まだ抜けていない。

3つの株式市場の指標の内、2つは新値を更新したが、NYダウは更新できていない。これはいわゆるベアリッシュ・ダイバージェンスで売りのシグナルが点灯している。

NYダウが昨年10月の高値26951ドルを抜けばこのベアリッシュ・ダイバージェンスはなくなり、強気シグナルの点灯となる。

このままどの相場も更に高値を追うことができなければ、21世紀恐慌の入り口に入ることになる。

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NASDAQはこれ以上はないはずだ

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このところの米国株の上昇は予想外だった。

4月15日の個人所得税申告締め切りまでは、IRAなどの税優遇投資のための資金が大量に滞留するため、株式相場は大きく下がらないといわれている。

確かにそういう傾向はあるが、絶対に下がらないわけでもないだろう。

米国株、特にハイテク株中心のNASDAQは昨年8月30日の高値で天井を付けたとみている。

まず日柄では2000年3月10日のITバブル天井5132からのぎりぎり73四半期目の終盤8月30日に天井を付けている。9月10日以降に高値を付けると74四半期目となり、大事な36.5単位の日柄からずれる。ぎりぎりその12日前に天井を付けた。

 

この8133というレベルは1984年7月25日の安値223の36.5倍である。

その2000年3月の5132から計った四半期足の上げ18度チャネルのカウンター54度線メジャーが7925-50の間に位置している。4月10日の高値で丁度そのあたりまでやったので、これ以上の戻り高はないだろう。

リーマンショックの米国株安値を付けたのは、2009年3月6日(NYダウ)、3月9日(NASDAQ)なのでそのポイントからの40.5四半期(27+13.5)は10年と46日±45日で、今年の3月9日以降6月8日まで、中心は4月24日となっている。

一方で天井8133からの30.9週―216日は4月3日で、その日に戻り高値7937を付けている。

まだ米中貿易協議、BREXITといろいろな相場かく乱要因があるが、NASDAQはすでに良い所をやった感ありである。

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