酒匂隆雄の「為替ランドスケープ」 

シカゴ・IMM.の円買い続かず。

2026/08/24

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米長期国債市場の支援策を受け、ドル円は一時158円台まで急落したものの、再び159円台を回復。シカゴ・IMMの投機筋もドル買いを再開し、円キャリー・トレードの巻き戻しへの期待はひとまず裏切られた格好だ。ドル円のこう着状態が続くなか、今後の相場を展望する。

ドル円相場のこう着状態が続いている。

先週の水曜日に米財務省が米長期国債市場の支援策を発表し、1回あたりの買い戻し限度額を20億ドルから40億ドルに引き上げると発表した。

この報道を受けて、米10年金利は4.71%前後から4.64%へと急低下し、ドル円相場も一時158.05迄急落したが、長続きせず徐々に値を戻して再び159円台を回復して、158.98で週を終える事となった。

10年債利回りも金曜日の終値ベースでは4.725%迄回復している。

先週のレポートでシカゴ・IMM.の投機筋の動き(順張りが得意の彼らが、ドル円相場が157円台から159円台に上昇する局面で、通常見られるパターンであるドル買い&円売りに動かず、逆にドルの買い持ちポジションを減らした。)を見て、もしかして”円・キャリー・トレード。“の巻き戻しが始まった兆候かも知れないと指摘したが、残念ながらその期待は裏切られた。

8月11日の終値159.31から8月18日の終値159.64へと僅かながらドル高&円安が進んだが、その間シカゴ・IMM.は8億ドル買い増して、8月18日付けで41億ドルの買い持ちポジションとなっている。

同じく我が国個人投資家も前週の買い持ち比率59%から66%へと7%買い持ち比率を増やしており、こちらは珍しく順張り(相場が上がると追い掛けて買う。)を行ったと言える。

7月28日 変化8月4日変化8月11日変化8月18日変化
Chicago IMM.+125億ドル+8億ドル+36億ドル-89億ドル+33億ドル-3億ドル+41億ドル+8億ドル
我が国個人投資家
買い37%-5%64%+27%59%-5%66%+7%
売り63%+5%36%-27%41%+5%34%-7%
ドル円相場終値163.85+0.66157.74-6.11159.31+1.57159.64+0.33

(外為どっとコム社のホーム・ページより。)

実は先週からビットコインが急騰し、また金価格も上昇している。

(対ドル・ビットコイン価格。)

(対ドル金価格。)

この背景には聞き慣れない、“Debasement Trade.”なる物の存在が有る。

これは米国の財政赤字拡大や巨額債務の持続性、そして中央銀行への信認低下を懸念してビットコインや金などの実物資産を購入するもので、当然米ドルと米債が売られることとなる。

ドルは対ユーロ、対ポンド、そして対豪ドルで下落し、対円でも僅かながら下落している。

8月18日始値8月21日終値変化
ドル円159.3158.98-0.2%
ユーロドル1.15631.1676+1.0%
ポンドドル1.35331.3644+0.8%
豪ドルドル0.70790.7169+1.3%

対円でのドルの下落率が低いのは、当然円もドルと同じ問題を抱えているからである。

言い換えれば“Debasement Trade.”によりドルは売られるが、同じ問題を抱える円も売られてドル円相場は大きくは動かないことになるのである。

どうしても円を売りたい向きは、ドル円を買うよりもクロスでその他通貨買い&円売りをする方が効率は良いかも知れない。

今週は27日から29日の予定で、毎夏恒例のジャクソンホール会議が開催される。

就任当初はタカ派と見做されたウォーシュ新FRB.議長は就任演説以来多くを語らないが、ジャクソンホール会議で行う基調講演がタカ派的な物なのか、それとも直近の弱い経済データを見てハト派的な物なのかが大いに注目され、それによってドル円相場も160円を試す方向に動くのか、それともドル安と共に155円方向を目指すのか?

日米協調介入以来日米双方共に為替相場については沈黙を保っているが,依然として三村財務官が触れた“日米通貨同盟。”の意義は極めて深いものと心得る。

シカゴ・IMM.が再びドルを買い戻したとは言え、その額は極めて少額。

未だ、”円キャリートレードの巻き戻し。“の可能性については大きいものだと考えている。

今週のテクニカル分析

今週のテクニカル分析の見立てはレンジを予想。

今週のレンジ

ドル円:154.50~159.50
ユーロ円:182.00~187.00


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