未だ、介入出ず。
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日銀政策決定会合とFOMCという注目イベントを通過したものの、市場が期待した円高材料は見当たらず、ドル円相場は一時161円台後半まで上昇した。さらに市場が身構えていた為替介入も見送られたことで、円安トレンドは依然として継続している。
果たして財務省はどのタイミングで動くのか――市場参加者の視線は再び「介入の有無」に集まっている。
注目の、日銀政策決定会合とFOMC.が終わった。
結果は両者共に市場の予想通りで、日銀政策決定会合に於いては0.25%の利上げが決定され、FOMC.に於いては政策金利であるFed Fund Rate.が3.50-3.75%に据え置かれる事が決定されたが、決定に対する市場の受け取り方は事前の市場予想とは微妙に異なるものとなった。
日銀政策決定会合では8人の政策委員の内1人が反対票を投じて利上げが総意ではなかった事が明らかになり、又会合後の記者会見で内田副総裁は、
―わが国の景気は緩やかに回復している。
―基調物価は2%目標を超えて上振れていくリスクがある。
―経済・物価・金融情勢に応じて引き続き利上げ、緩和度合を調整していく。
―経済、大きく下振れるリスクはひところより低下。
―利上げペース、今の段階では今後の経済物価情勢次第。
と、毒にも薬にも成らない発言を行って、市場はハト派的(利上げに積極的でない。)・利上げと取った。

又、FOMC.ではハト派的なForward Guidance.を削除し、またドット・チャートでは年内の利上げを予想するメンバーと、据え置きもしくは利下げを予想するメンバーとで意見が分かれ、市場は前回までの利上げ期待からタカ派的(利上げに積極的である。)据え置きと取った。
まとめると、日銀のこれからの利上げペースはそんなに速いものではなく、またFRB.は今後は利下げどころか逆に利上げの可能性も有ると言うことで日米金利差縮小の思惑は急速に縮んだ。
これを受けてドル円相場はジリ高となり、一時161.81の高値を付けたが日米強調介入どころか、我が国財務省による単独介入も出ることは無かった。
金曜日にはアメリカとイランとの間で暫定的停戦合意が為されたとの報により、ドル円相場は一時161円割れを見せたが、週開けの東京市場では、イスラエルのレバノンの親イラン組織であるヒズボラに対する攻撃に対してイランが反発して暫定的停戦合意を反故にすると発表したことを受けて、再び161円台を回復している。
先週161円台を付けたドル円相場に対して片山財務相は、“投機的な動きがあれば断固とした措置をとる。”とけん制するが、市場の反応は冷ややかである。
不思議な事に介入の戦闘指揮官である三村財務官はここ暫く沈黙を守っているが、その腹の内が読めない。
同じく、現在はイラン問題でそれどころではないかも知れないベッセント米財務長官からも何も聞こえて来ない。
依然として日米協調介入を含めた円安防止策(円高推進策とは言わない。)発動を信じている筆者は、現時点では残念ながら余りコメントを差し挟む余地を持たない。
三村財務官は、“勝つことは勝つんだが、どうやって勝つかを考えている。”と現在は自嘲気味に独りごちているのではなかろうか?
160円の大台を突破して更なる円安がじわじわと進んでいる状況で、シカゴ・IMM.と我が国個人投資家の動向が気になるが、前者は先週金曜日がニューヨーク市場が、Juneteenth National Independence Day.(奴隷解放記念日)で休場だったせいか、週末の数値の発表が無く、推測に過ぎないが順張りが得意の彼らは恐らく更に円の売り持ち(ドルの買い持ち)を増やしているであろうと思われる。
片や先週160円を超えた時点で大きくドルの売り持ちを増やした我が国個人投資家のデータであるが、どういう訳か突然Quick.社のホーム・ページへのアクセスが出来なくなり、状況が掴めなくなった。
外為業界最大手の外為どっとコム社のホーム・ページのポジション比率情報を見ると、6月21日時点で買いポジションが32%で、売りポジションが68%と、売りポジションが三分の二を占めている。
個人投資家は、筆者と同じく介入期待で歯を食いしばって(?)ドルの売り持ちキープと言う事か?


(注:外為どっとコム社のホーム・ページより。)
我が国財務省は2024年4月から5月に掛けて160~161円台で9.7兆円、そして今年も同じく4月から5月に掛けて160~161円台で11.7兆円の円売り&ドル買い介入を行っているが、依然として現在の161円台のレベルは“要警戒。”として、きちんとシートベルトを着用しておくのが肝要と心得る。

(注:2024年からのドル円相場・月足チャート。外為どっとコム社のホーム・ページより。)
今週のテクニカル分析
今週のテクニカル分析の見立ては、ドルの買われ過ぎに注意。
今週のレンジ


ドル円:152.00~162.00
ユーロ円:177.00~187.00

酒匂隆雄 (さこう・たかお)
酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。
公式ブログ:酒匂隆雄が語る「畢生の遊楽三昧」
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