今年2月米国株式は天井を付けて暴落した。
NYダウは29,568ドルの天井で、これは抜かないだろうと思っていた。
なぜならば29,500という数字が、ペンタゴンの高さ(59)の半分の29.5単位であるからだ。
まさに天井に相応しい数字である。
3月23日に安値18,213ドルを付けて回復に転じ、8月11日に戻り高値28,154ドルまで見たが、やはり天井29,568ドルには遠く及ばなかった。
この8月11日の日柄をどう考えるとかというと、米国株式のレーガノミクスによる大暴騰の始まりは、大恐慌1932年7月6日の底値40.5ドルからの50年目の1982年8月9日の安値769ドルを出発点としている。その時点から黄金分割62の補数38年を経過すると2020年8月9日以降に天井をトライするというのが美しい。2月12日の高値29,568ドルに接近しようとした日柄が8月11日というのはそういう意味である。
SP500(米国大企業500社の株価を指数化)で見てみよう。
この数字も今年2月19日に3,393の高値を付けて、3月23日2,191まで35.4%の暴落を見た後、8月11日3,381まで戻した。この2週間ほどの間マーケットメディアは2月の高値を抜くのは必至と盛んに喧伝していた。間違いであった。
このSP500指数も、1982年8月9日の安値101.44が大ラリーの始まりである。これも丁度38年間の大ラリーをやって大天井ということになる。
相場は2月19日に約半年早めに3,393の高値を見たので、正式の日柄である2020年8月9日以降に高値が出るかどうか試しに来た。
果たして相場は8月11日 3,381までやったが、その日の引け値は3,333と急落した。翌12日には3,387を付けたが3,393には届いていない。
2月19日の3,393、と8月12日の3,387のダブルトップである。
しかもこの二つの天井のレベルは、2000年3月のITバブル天井1552に36.5単位1,825を加えた3,377という大事な横線レジスタンスに抵触している。
相場は大暴落含みである。
ただしこの相場の短月67.5カ月(270週)前の2015年は5月、6月、7月と3度高値をやって、そのあと暴落している。
もう一度9-10月に向けて戻り高値をトライすることが考えられる。
その場合はトリプルトップ、ヘッドアンドショルダーパターンが考えられる。
いずれにせよ、大暴落前夜である。
最後に今回の2月の暴落底からの大ラリーを主導したNASDAQである。
コロナウィルス禍で2月19日の高値9,838から3月23日まで32.5%の暴落となったが、8月7日の11,126まで68%の暴騰となった。
2月高値から、8月高値までの上昇率は13%、NYダウは29,568ドルの2月高値から8月高値28,154ドルまででマイナス4.8である。
いわゆるブルーチップスのNYダウ構成株から、ハイテクのNASDAQ株へのシフトが起こったということである。
一方でその間両者をコンバインしたSP500は3,393と3,387でほとんど変わらなかった。
つまり起こったことは、米国株全体で見れば、2月から8月までほぼ不変、ただブルーチップからハイテク成長株へのシフトが起こった結果、マーケットは誤ったシグナルを受け取っている。すなわち誤った強気の見方である。
というのは、NASDAQはこれ以上の上昇はないからだ。
第1次ITバブルの頂点は2000年3月14日に5,132を付けて、2002年10月の底値1108まで78%の暴落を見た。
今回はその高値5,132にペンタゴンの高さ59単位の5,900ポイントを加えた11,032が強力な横線レジスタンスである。
それを日足で超えたのは8月6日の11,108一日だけである。
この8月6日の日柄を見ると、第1次ITバブル頂点2000年3月14日からの81四半期(黄金分割162四半期の半分)の日柄(6月14日)を経て82四半期目に入っている。
一般的には81を過ぎて82の時間帯に入ると大きな流れの変化がある。
83までは流れは続かない。このルールで行くと83四半期目に入る9月14日より以前にこの相場の大きな天井が来る。その大きな天井が8月7日の高値11,126だったということだろう。
ウォール・ストリートの誰もが、FRBによる8兆ドルの資金供給で、株式相場が上昇するという嘘の理屈を信じ切っている。まさにそのFRBの失敗がこのバブル破裂を招く大きな要因である。
第2次ITバブル破裂に注意しよう。