米労働省が発表した失業保険の請求者数が、2週連続で600万人を超え、過去3週間で1600万人を超えたことになる。
過去この数字の最大は1982年の60万人というから、いかに今回の数字の激しさが歴史的なプロポーションであるかということが明らかである。このSuddenness (突然度)は人類史上始まって以来だろう。しかもこれが米国だけではなく世界中で起こっている。
米国の場合とくに打撃を受けているのは、いわゆるサービス産業である。
製造業中心の経済からサービス業中心の経済、その中で個人消費が経済の70%を占めるような先進国米国への打撃は大きい。
その意味で、まだ製造業依存の高い中国のほうが相対的に打撃は小さいかもしれない。
暗愚の大統領はさすがにこの事態の重大さに気が付いたが、いまだこの2週間はひどいけれど、そのあとはトンネルの向こうに明かりが見えるようになると負け惜しみを言っている。
一方でNYタイムズなどの評論を見ると、この事件の打撃は大きく、その悪影響を払しょくするのに何年かかるかわからないというものも出ている。
そのどちらも極端な見方であり、実際のところはその中間なのだろう。
一部の評論の中には、大恐慌との比較の論調もあり、長い目で見てのダメージを考えている筆者に似たフィーリングの論者もいる。
この種のバブル破裂の場合、株式市場は2-3年のベアーマーケットをやるのが一般的である。経済全体に与える影響は、今や政府が必死になって、悪影響を排除するので、大恐慌のように、株価底打ち後さらに10年のデフレ継続ということにはならないかもしれない。
只言えることは、大統領の言うようにすぐペントアップ需要が出て、景気が一気に回復するというのは難しいだろう。
このバブルの生成過程で起こった過剰レバレジの解消に時間がかかりそうだ。