アップルの時価総額が1兆ドルに到達した。
総株数48億2992万6千株なので株価が207.05ドルになると1兆ドル達成と市場筋は計算している。8月3日の引けは208ドル台である。1兆ドルを達成したからどうなのかというと特に意味はない。
ただそこにあるのは、FANG(アップル、グーグル、アマゾン、ネットフリックス、フェイスブック)に対する信仰に近い楽観である。フェイスブックは高値から20%以上下げて、ベアーマーケット(※)入りしているが、これは個別のケースとして、FANG 全体への信頼が揺らいだわけではない。しかし、フェイスブックの急落はこの第2次ITバブル破裂の嚆矢として、後世に記憶されるかもしれない。
この1兆ドル騒ぎは典型的に天井の現象ではないかとみている。
天井の現象といえばアマゾンの創始者ジェフ・べゾスのアマゾンのホールディングの時価換算が1500億ドル(16兆5千億円)をこえたというのも話題になっている。
今年に入って500億ドル増えた。株価の上昇が今年に入って54%、この1年間で80%の上昇である。
第1次ITバブルの時のMicrosoftのビル・ゲイツが1000億ドル(これをインフレ調整すると現在の価値で1490億ドルになるので、ベゾスが史上最高の金持ちであると論ずる人もいる。毎日28百万ドル(31億円)ずつ使わないと、資産が増え続けるなどと人の懐具合を詮索する記事もある。
これも天井で出る話題である。
そう思って日柄を振り返ると1987年のブラックマンデイ暴落からの30.9年の重大日柄が来ている。
この30.9年は米国長期金利の、日柄ではきれいに出ている。
1981年9月30日の金利15.84%の天井からの30年10カ月目の2012年7月24日に1.38%の金利安値を付けて相場は大きく金利上昇に反転している。
大きなところの変化の日柄である。
ブラックマンデイの時は1987年8月25日にNYダウは高値2746ドルを付け、約2か月後の10月20日に1706ドルで底打ちしている。38%の下落であった。
30.9年は正確に言うと30年と47週になる、1987年8月25日の暴落前高値2746ドルからの30.9年は2018年7月20日辺りとなる。
1987年10月20日からの30年と47週は9月14日に終わる週となっている。
もちろん週ベースで正確に出るとは限らないが、おおむね7月終わりから9月終わりあたりのどこでNASDAQの天井、NYダウの3番天井が出てもおかしくない。
NASDAQは、ブラックマンデイ前高値は1987年9月1日の456である。
そこからの30年と47週後は今年の7月27日に終わる週である。
7月25日のNASDAQ高値7933はその日柄であり、市場が待ちかねていた日柄が到来天井を付けたとも考えられる。
NYダウは1月26日の高値26616ドルが天井で、7月26日の戻り高値25587ドルが3番天井で、相場急落に向かうとも考えられる。
相場の天井では社会現象が天井を示唆することが多いが、上記のエピソード類はまさにそれではないか。
縦しんば、天井を見ていないとしても、9月終わりまでの間に天井を見ることはまず間違いないだろう。
相場は暴落警戒である。
※ベアーマーケット bearmarket
弱気、値下がり傾向の市場。「Bear」熊が腕を振り下ろす動作からなぞられている。反対語は牛の突き上げからブルマーケットと言う。