毎年11月初めの週は選挙の週である。
11月7日にオフイアー(off year)エレクションというのがあった。
New jerseyやVirginia の知事選挙が目玉であった。この2州とも民主党の勝利となり、来年の中間選挙に向けて、民主党の意気が上がりつつある。
もっともこの2州は、豊かな郊外として、NYとワシントンのヒンターランドとしてもともと高学歴白人の多いところである。たまたま共和党の知事が支配していたが、もともとは民主党の強い地盤である。
したがってここで勝ったことで来年の中間選挙で民主党有利というわけでもない。
しかし中間選挙では一般的に大統領を出している政党が負けるのが通例である。つまり通例でいけば共和党は負ける。問題はどの程度負けるかである。
上院は共和党現職の改選数が少なく、よほどのことがない限り共和党が多数を維持するだろうといわれている。
もともと下院は共和党がゲリマンダリング※を駆使して、少ない票で、多数を制しているが、民主党が中間選挙で24議席を増やすと、民主党が過半数を制することになる。
面白いのは現職議員の辞職である。
下院共和党現職で既に29人が来年の選挙には出ないと発表している。民主党は7人である。
この1年間トランプ大統領の不人気で選挙区に帰るとタウンホール・ミーティングで徹底的につるし上げられて、中間選挙に出るとさらに後1年つるし上げに遭うので、辞職した方がましだという共和党議員が増えているということらしい。
いくらつるしあげられても平気だという面の皮の厚い議員ばかりではないし、日本のように落選すると生活に困るという人はもともと議員をやっていない。
大量の辞職者が出るのは大いに考えられるところである。
ということで選挙システムを捻じ曲げてゲリマンダリングで共和党有利の体制を作り上げている共和党も来年の中間選挙では、民主党がぎりぎりの良い勝負をするのではないかといわれている。
この選挙結果を受けて、共和党の内部では、税制改革をやり遂げないといけないという意見がある。共和党だけで走るのは来年の選挙に不利だから、民主党と協力して、共和党に対する批判を薄めることが必要だという意見もあり、その辺りも共和党内部で揉めそうである。
※ゲルマンダリング(gerrymandering)
政権与党や多数派が、その地区の立候補者や政党に、有利になるよう選挙区の境界線を確定すること。その結果不自然にくびれた地域や,飛び地などの選挙区割りの地域が生まれる。