ホーム >  ブログ  >  若林栄四 ニューヨークからの便り

アメリカの公定歩合引き上げについて

2010年2月23日
米国公定歩合の引き上げで、マーケットではすでに引き締めスタンスにFRBが入ったなんて無責任な声が出ているが、バーナンキ議長が圧倒的に困ると思っているのはデフレに陥ることである。為政者は無責任な市場の利上げ論に簡単に乗ってくるとは思えない。インフレとデフレと中央銀行にとってどちらが対応に苦労するかといえば、圧倒的にデフレである。インフレには対処できる。デフレは日本を見てもわかるように20年苦しんでいる。

The Greatest Trade Ever

2010年2月15日
先週のウォール・ストリート・ジャーナルにジョン・ポールソンのゴールド・ファンド(金に対する投資)があまりうまくいっていないという話が出ていた。触るものをみな黄金に変えてしまうマイダスというギリシャ神話の神様から出た言い方である、ポールソンのマイダス・タッチが少しくるっているという話である。それを読んでこの人はいつもCONTRARIAN ではないのだなと感心した。金が大幅に上昇する潜在性を秘めていることは常識である。おそらく巨額の資金がファンドに入って、これを元手に大きくレバレッジをかけて勝負するのだろうとみている。今年の後半にはエキサイティングな場面がやってきそうである。

ユーロ問題、社会現象に注意しよう

2010年2月 8日

先週社会現象に注意しようという趣旨で、一時のトヨタ本の氾濫が売りシグナルであったと申し上げた。

今週に入ってにわかに市場を騒がせているのはユーロの問題である。

NYタイムズの1面に今日はユーロの話が出ている。CNBCテレビではPIGS(ポルトガル、アイルランド、ギリシャ、スペイン)なる略語まで登場して、ユーロの問題を報じている。アメリカの株が下がるのはユーロの所為であるとの論調が多い。

株安、ユーロ安であるが、結局のところ昨年7月以降米国株もユーロも息継ぎもせず上昇してきたので、相場のエネルギー切れで修正局面に入ったということである。

その材料にギリシャの問題が使われている。それはそれで大事な問題であるが、そんなことはもともとユーロができたときに十分想像できたことであり、拙著でも何度も指摘してきている。政治と経済のいいとこ取りをしようというのがユーロである。(経済は統合し、政治は独立)。そんなことは基本的に不可能なのである。本当の政治統合に行きつかないと矛盾はなくならない。

しかしそんな事を言っているとこの問題は1020年という時間を要する大問題で、1020年ユーロが売られ続けるというバカな話になりかねない。したがって、この種の構造問題は所詮忘れられるはずである。なぜならば相場は循環であるから、10年も一方方向に行くことはないのである。あまり構造問題が注目されすぎるのも一種の社会現象でトヨタ本と同じくユーロ買い・ドル売り、あるいは株買いのシグナルであろう。どの程度この問題が盛り上がるか興味津々である。

 

愚者の黄金

2010年2月 1日

この週末日経出版の"愚者の黄金"を読んだ。

世紀の金融技術の革新が大暴走した経緯を克明に記したレポートで、大変面白かった。

 

そういえばこの2007年あたりからいろんな事件があったが、あまりにもたくさん事件があったので、忘れてしまっていることもあった。

集団で暴走する世の中はだれにも止められない。所詮行きつくところまでいかないと、方向の逆転はないという教訓を教えてくれている。途中で理性をもって流れを阻止することは誰にもできない。人間の英知には限りがあるということか。

特に相場の世界はそうである。いったん暴走に入ると、一緒に暴走しないといけない。かといってどこか適当なところでこの暴走から降りなければ身の破滅になる。

一緒に暴走し、どこかで降りる。これが要点である。暴走していると、社会現象が一方的に偏ってくる。その時が下りるポイントであろう。トヨタ本の氾濫などはその例で、トヨタ売りのシグナルである。

社会現象に注意しよう。