ホーム >  ブログ  >  若林栄四 ニューヨークからの便り

雇用統計サプライズ効果は限定的?

2009年12月15日

ISM(Institute of Supply Management )という団体が米国にある。米国の製造業を網羅する団体であり、その組織の発表する数字は経済指標としてマーケットに重大な影響を与えることがある。過去10回のリセッションが底打ちするときは必ずISMの加盟企業の雇用が2カ月連続で増えるという現象があった。底打ちの前触れとでもいえようか。

10月、11月とISMの雇用は増えている、2カ月連続である。これをして米国の失業が底を打って雇用の増加に転じるというのが過去の例である。確かに124日発表の雇用統計は大幅な状況の改善を示唆している。これで失業は底打ちし、米国経済が順調な拡大に入れるかどうか。

問題は米国経済の中に占める製造業の割合が大幅に減少していることである。製造業が底打ちしても経済全体が底打ちしてくれるかどうか。私見では、まだ駄目なのではないかと考えている。今回の雇用統計ショックもせいぜい2週間程度のインパクトしかないだろう。まだ大きな流れが変わるのには少し時期が早いとみる。

マンハッタンの住宅事情

2009年12月 2日

米国の住宅市場の価格を示す指標に、ケース・シラーの数字がよくつかわれる。

あのなかでNY 地区とあるのは、New Jersey、 Connecticut州も含めた、NY通勤圏の指標である。NY地区は他のめちゃくちゃなバブルをやった地区に比べると住宅の落ち込みはましである。NYでもマンハッタンは別物である。

11月中旬に読んだNY タイムズによるとマンハッタンでは、買い手によるビディング・ワー(bidding war -複数の買い手が争って買値を上げる)が起こっていると報じている。

具体的な例は、アッパー・ウェスト(小生の住んでいるエリア)のone bed room (日本の2LDK )のアパート(ちなみに我が家はthree bed rooms )を昨年リーマンショックの日にマーケットに699千ドルで売りに出した人がいる。当然最悪のタイミングでマーケットに出たので買い手はいない。売値を649千ドルに下げたが、買値は585千ドルで3人ほど買いたい人がいた。7カ月マーケットに出したが売れないので今年6月にいったんマーケットでの売りをひっこめた。

 

8月の終わりごろになると別のブローカーが645千ドルでオファーを出したらどうかと言ってきたので、マーケットに出したところ、複数の買い手が興味を示し、その中の一人は650千ドルで買うということになった。

昨年のリーマン前のプライスよりは悪いが、ことマンハッタンについては、相場がほとんど下がっていない。ここへきて、待ちかねた買い手が買いに入ってきたということらしい。さらにドルが下がったこともあり外国人が現金で買いたいというのが多い。

もちろんこれは、このままドンドン相場が上がるということではないが、希少性の高いマンハッタンのアパートは下値が堅いということになろうか。

 

米国の不動産市況もさまざまである。