蟹瀬誠一コラム「世界の風を感じて」

蟹瀬誠一(かにせ・せいいち)

国際ジャーナリスト/明治大学国際日本学部教授
(株)アバージェンス取締役
(株)ケイアソシエイツ副社長
1950年石川県生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、米AP通信社記者、仏AFP通信社記者、米TIME誌特派員を経て、91年にTBS『報道特集』キャスターとして日本のテレビ報道界に転身。東欧、ベトナム、ロシア情勢など海外ニュース中心に取材・リポート。国際政治・経済・文化に詳しい。現在は『リーダー&イノベーション・賢者の選択』(日経CNBC,サンテレビ、BS-12)、『マネーの羅針盤』(テレビ東京)のメインキャスター。カンボジアに小学校を建設するボランティア活動や環境NPO理事としても活躍。
2008年より2013年3月まで明治大学国際日本学部長。
趣味は、読書、美術鑑賞、ゴルフ、テニス、スキューバ・ダイビングなど。


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ブレクジットの成否

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ひとりの政治家の判断ミスから国家が窮地に陥る。今のイギリスがまさにそうだ。欧州連合(EU)離脱の期限が月末に迫る中、まともな合意に至ることができず七転八倒している。

もとはといえば、3年前にキャメロン前首相が目先の党内事情と選挙対策のためにEU離脱の是非を問う国民投票の実施に打って出たからだ。キャメロン氏はてっきり否決されるものと思っていたが、結果は大誤算。国民は52%対48%の僅差でEU離脱を選択した。背景には欧州全域で高まった反移民感情があった。EU加盟国で金持ち国イギリスには貧しい国からの移民がヨーロッパ大陸を経由して1年に30万人も流れ込んでいた。学校も病院もアパートも満杯。さすがの異常事態にこれではやっていけないというムードが国民の間に漂ったのだ。

敗北したキャメロン氏は早々と首相だけでなく議員も辞任。後釜に座ったメイ首相はEU側となんとか離脱合意を取り付けたが、今度は本家であるイギリス議会の承認を得られず四苦八苦している。

最大の難関はアイルランドと北アイルランドの国境問題だ。イギリスは海に囲まれた島国のイメージが強いが、1037年にイギリスから独立したカトリック中心のアイルランド共和国と、残留したプロテスタントが多数派の北アイルランドの間には地続きの国境が500キロある。

現在はイギリスもアイルランドもEU加盟国だから人もモノも投資も羊もその国境を自由に往来できているが、イギリスがEUから離脱すると国境審査や関税を復活させなくてはならなくなるから厄介だ。

それだけではない。30年間も続き爆弾テロ、銃撃戦、暗殺などで3500人もの死者と4万2000人以上の負傷者をだした北アイルランド紛争を終結させた1998年の和平合意もEU統合が基本となっている。EUとの合意なしに離脱することに反対する北アイルランドで武力衝突が再燃する恐れもある。1月には新たな反英組織が自動車を爆発させる事件を起こしている。

ダメージが大きい合意なき離脱をなんとか避けようと、イギリス本土と北アイルランドを隔てるアイリッシュ海に国境線を引いたらどうかとか、イギリスのEU離脱後も北アイルランドだけ単一市場と関税同盟に残してはどうか、というような提案が出されたが、イギリス政府、議会、EUの3者が折り合える妙案が出てきていない。離脱日延期の可能性は残っているが、国民投票のやり直しも時間切れだ。遅かれ早かれ合意なき離脱が避けられないのではないか。

じつはブレクジットの裏には移民を嫌悪するひとりの大金持ちがいた。その話はまた後日。

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