蟹瀬誠一コラム「世界の風を感じて」

蟹瀬誠一(かにせ・せいいち)

国際ジャーナリスト/明治大学国際日本学部教授
(株)アバージェンス取締役
(株)ケイアソシエイツ副社長
1950年石川県生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、米AP通信社記者、仏AFP通信社記者、米TIME誌特派員を経て、91年にTBS『報道特集』キャスターとして日本のテレビ報道界に転身。東欧、ベトナム、ロシア情勢など海外ニュース中心に取材・リポート。国際政治・経済・文化に詳しい。現在は『リーダー&イノベーション・賢者の選択』(日経CNBC,サンテレビ、BS-12)、『マネーの羅針盤』(テレビ東京)のメインキャスター。カンボジアに小学校を建設するボランティア活動や環境NPO理事としても活躍。
2008年より2013年3月まで明治大学国際日本学部長。
趣味は、読書、美術鑑賞、ゴルフ、テニス、スキューバ・ダイビングなど。


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IT先進国イスラエル事情

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初めてイスラエルを取材した。イスラエルと聞くと日本では危険な「空爆」「パレスチナ紛争」あるいは「ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3大宗教の聖地」というイメージが強いだろう。しかし実際に現地で目の当たりにしたのは世界の最先端を行くIT先進国だった。

成田空港からモスクワ経由で17時間余り。イスラエル第二の都市テルアビブ到着したのは現地時間の深夜。予想どおり空港警備や入国審査は厳しかったが無事に小さな紙一枚の滞在許可証を受け取り迎えの車に乗れた。かつではパスポートに入国スタンプが押されたそうだが、それがあるとサウジアラビアやシリアなど近隣のアラブ8カ国に入国が出来なくなるので廃止されたそうだ。

テルアビブで取材したのは主に若き起業家たちと彼らを支えるベンチャーキャピタリストの面々。誰もが話好きで自信に満ち溢れていた。彼らのようなイスラエル発のベンチャーが遠く離れた私たちの生活を知らず知らずのうちに便利に変えているのだ。

例えば、オフィスや自宅で使うパソコンの心臓部であるインテルプロセッサーの8割以上はイスラエルで設計・製造されている。ハイテク監視システムや自動運転、さらには電気自動車(EV)の基幹技術でもイスラエルが世界をリード。日本でもすっかりお馴染みになったドローンも元々はイスラエル軍で開発された偵察機の総称だ。

いまやその旺盛なベンチャー精神はテルアビブだけでなく伝統的大都市エルサレムにまで本拠地が広がっている。政府も積極的に後押ししている。予定されていたネタニヤフ首相との対面はドタキャンされてしまったが、首相主催するクリーンエネルギーとスマートモビリティに関する大イベントとパーティに参加が許され、30カ国以上から集まった起業家や投資家が熱心に意見交換する姿を垣間見た。

そんなイスラエルの熱い起業家精神は一体どこから生まれてくるのか。取材先の誰もが口にしたのは「失敗を恐れない教育」そして「スピード」だ。イスラエルの学校教育では幼いころから自主自立の精神に基づいて徹底した議論と知的好奇心が育まれ、常に失敗を恐れないポジティブ思考に重点が置かれているという。それに加えてふたつの隠れた要因がある。移民の存在と国軍の超エリート教育だ。

1948年の建国時のイスラエルの人口はわずか60万人だったが、今はそれが868万人に急増。欧州やロシアからのユダヤ人移民の大量流入によるもので、彼らが優秀な人材と社会の多様性をもたらしている。

軍のITエリート教育も凄い。四方を敵に囲まれた中で国家存続を目指すイスラエルにとって、今やサイバー空間が戦場だからだ。イスラエルでは18歳になると男女を問わず兵役義務(男子3年、女子1年半)がある。エリートの選抜は16歳からすでに始まっており、何段階もの厳しいテストを合格した者だけがサイバー諜報部門のトップ集団「8200部隊」に配属されるのだ。

「タルピオット」と呼ばれる最先端軍事技術の研究・開発を担うスーパーエリート育成プログラムもある。そんな超エリートの若者たちが除隊後に次々とITベンチャーを立ち上げるのだから、他国がそう簡単に追いつけるわけがない。

現地で会った企業トップの中にも8200部隊やタルピオットの経験者が複数含まれていた。しかもこの最強ネットワークは今や世界に広がっている。帰国後、対談したイスラエルの某サイバーセキュリティ企業トップも5年間8200部隊に所属していたと話してくれた。

日本のビジネスマンや投資家はまずイスラエルの現状を自らの目で確かめることから始める必要がある。

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