"庶民派"として登場した舛添都知事のスキャンダルが次々と浮上し、一般庶民の怒りが爆発している。それはそうだろう。汗水垂らして働いて収めた税金をファーストクラスでの海外視察や正月の家族旅行、さらには回転ずしで使われたというのだから。
どんな言い逃れをしようと、「ふざけるな」と言いたくなるのが人情だろう。さらには、政党交付金"ネコババ"疑惑が発覚と週刊文春が伝えている。こちらはさらに深刻だ。
こうした公職者の不義に対する怒り以外にも世の中には腹立たしい出来事が多いと思っていたら、じつに興味深い調査結果を見つけた。航空機内で乗客が騒ぎを起こす確率である。
荷物入れやアームレストを巡っての諍い、果ては殴り合い、キャビンアテンダントに当たり散らす酔っ払い客など、どなたも一度は目にしたことがあるだろう。
トロント大学のキャサリン准教授とハーバード大学のマイケル・ノートン教授の共同研究によれば、ファーストクラスがある旅客機の場合、エコノミークラスの乗客が騒ぎを起こす確率はファーストクラスがない旅客機のなんと3.84倍だという。
さらに詳しく見てみると、搭乗する際にファーストクラスの区画を抜けてエコノミークラスに入った乗客が騒ぎを起こす確率は、直接エコノミークラスに入った場合の2.18倍になるという。結論は、我々人間は貧しさや不平等を目の当たりにすると過激な行動に出る傾向があるということだ。
たしかに自分が搭乗前のエコノミークラスの列に並んでいた時でさえ、後から来たファーストクラスの乗客が先に機内に向かう姿を見ただけで内心ムカッとする。
ただし、その逆もまたありえるようだ。同調査によれば、全乗客がファーストクラスの区画を通って搭乗した場合、ファーストクラスとエコノミークラスそれぞれ別の入り口がある場合に比べて、ファーストクラスの乗客が騒ぎを起こす確率はじつに12倍!
なぜなら、「社会的に高い地位にある人が自分の地位を意識すると反社会的で高慢な態度になり、思いやりが薄れる傾向がある」からだという。
選挙中はエコノミークラス派だったはずの舛添氏が都知事になった途端にファーストクラスの贅沢を覚えて豹変する理由がよくわかる調査結果ではないか。