蟹瀬誠一コラム「世界の風を感じて」

蟹瀬誠一(かにせ・せいいち)

国際ジャーナリスト/明治大学国際日本学部教授
(株)アバージェンス取締役
(株)ケイアソシエイツ副社長
1950年石川県生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、米AP通信社記者、仏AFP通信社記者、米TIME誌特派員を経て、91年にTBS『報道特集』キャスターとして日本のテレビ報道界に転身。東欧、ベトナム、ロシア情勢など海外ニュース中心に取材・リポート。国際政治・経済・文化に詳しい。現在は『リーダー&イノベーション・賢者の選択』(日経CNBC,サンテレビ、BS-12)、『マネーの羅針盤』(テレビ東京)のメインキャスター。カンボジアに小学校を建設するボランティア活動や環境NPO理事としても活躍。
2008年より2013年3月まで明治大学国際日本学部長。
趣味は、読書、美術鑑賞、ゴルフ、テニス、スキューバ・ダイビングなど。


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何が原油安を引き起こし、結果どうなるのか

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原油安が止まらない。2008年のリーマンショック後の最安値(1バレル32.4ドル)に迫る勢いである。そりゃ世界的に景気が低迷して供給がだぶついているのだから当たり前だろうと専門家は言うが本当にそれだけの理由だろうか。

確かに需要と供給の線が交わったところで価格が決まると遠い昔に経済学の授業で習った覚えがある。しかし現実のマーケットはそんな単純なものではない。市場が理性的だと仮定した経済学そのものが間違いだらけだからだ。さすがにそれではまずいというので最近は経済学と心理学を組み合わせた行動経済学なんてものが脚光を浴びている。市場は極めて非理性的である。理由はいくつもある。

例えば、恐怖はパニックを引き起こす。強欲は判断を誤らせる。根拠なき願望はもっと悪くて現実を見えなくする。その結果、市場はラスベガスの賭博場と変わらない。投機筋と呼ばれるギャンブラーたちが高額な掛け金を動かす。規模と手数料で稼ぐ市場にとって投機筋は上客だから彼らに対するサービスはラスベガスのホテルのように至れり尽くせりだ。一方、大多数の善良な一般投資家はなけなしの金をはたいてしまう。ツルツル滑って掴みどころのない原油などに手を出さないほうが身のためだ。

12月中旬パリで行われた地球温暖化対策の国連会議COP21で国際的枠組みが採択され、「化石燃料の時代に終わりを告げた」というとんでもなく楽観的な報道が溢れた。しかし現実はそんなに甘くない。我々人類はまだ86%のエネルギーを石油、ガス、石炭に頼って生きているのである。

原油安は、自国に石油資源を持たない日本、韓国、インド、ユーロ圏諸国などにとってはエネルギーコストが下がりメリットが大きい。しかし日本の場合は素直に喜べまい。日銀の金融緩和政策がインフレ期待の上昇に繋がらなければ、消費者のマインドは消費より貯蓄に向かうからだ。それに、世界経済が悪化するデメリットのほうが原油安のメリットより大きくなって経済がさらにスローダウンするリスクもある。やはり現実は複雑なのである。

これだけ急激に原油価格が下がると、疑い深い私などはどうしても陰謀説が頭の片隅に浮かぶ。1980年代半ば、サウジアラビアと米国が密かに手を組んで原油価格を下げたことがあるからだ。目的はイランとソ連に経済的打撃を与えることだった。それが1991年のソ連崩壊に繋がったといっても過言ではない。現在はどうか。サウジアラビアと米国が連携して原油価格を下げれば、イスラム過激派IS(イスラム国)の資金源を減らし、核開発問題のあるイランを叩き、ウクライナに侵攻したロシアに打撃を与えることができる。

産油国であるサウジアラビアにとって原油安はもちろん痛手だが、同国にはこれまで積み上げてきた外貨準備と政府系ファンド(SWF)資産が潤沢にあるから当面の持久戦には十分耐えられるだろう。単なる妄想だと一笑に付していただいて結構だが、原油安というギャンブルの決着はまだ見えない。

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